中学受験の国語(詩や物語)で出題される事がある「表現技法」
についてまとめました。
中学受験・国語の表現技法まとめ(詩・物語)
1 比喩→「~のような」 他のものに例えて、何かを表現をする方法
(例:彼女は今にも崩れ落ちんとする廃屋を眺めるような目で僕を見た)
2 擬人法→人間でないものを、人間であるかのように表現すること
(例:ペンを走らせる)
3 倒置法→言葉の順序を入れ替えて、内容を強調する表現技法
(例:「あきらめたらそこで試合終了だよ」⇔「そこで試合終了だよ、あきらめたら!」)
4 対句法→形式が同じ、 または似ている二つの句を並べ、対照・強調の効果を与える表現方法
(例:帯に短し、たすきに長し)
5 体言止め→文の最後を名詞・代名詞などの「体言」で止める表現方法
(例:柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺)
6 反復法→同じ語をくり返す表現方法
(例:どんなときも・どんなときも)
7 呼びかけ→具体的に人に呼びかけるような表現方法
(例:おおい、空よ)
8 擬態語→ 物事の状態や様子などを感覚的に音声化して表現する方法
(例:にやにや)
9 押韻(おういん)→文の初め(頭韻)や文の終わり(脚韻)に同じ音を並べる方法
(例:「高速で拘束され、道徳がないと報告された」)
これくらいを覚えておけば問題ないでしょう。
出題される形としては、「詩」(や物語)を読ませて「この中に
使われている表現技法は何ですか?or選びなさい」系です。
1 比喩表現(中学入試・国語の表現技法)
比喩表現とは
比喩(ひゆ)は、他のものに例えて、何かを表現をする方法です。
(いっけん直接つながらないようなものだとオシャレになります)
比喩表現の例文
「彼女は今にも崩れ落ちんとする廃屋を眺めるような目で僕を見た」
「彼女は冷たい目で僕を見た」
↓
「彼女は今にも崩れ落ちんとする廃屋を眺めるような目で僕を見た」
比喩を使った方がおしゃれですね。
比喩表現の例文2
「中年の体育教師のような服装」
*上記の例文はどちらも「直喩」です
直喩と隠喩(暗喩)
比喩表現には「直喩」と「暗喩(隠喩)」(あんゆ・いんゆ)があります。
●直喩→「〜のようだ」「〜に似ている」といった分かりやすい比喩表現
●暗喩(隠喩)→「~のようだ」を使わない比喩表現
暗喩・隠喩の例文
●彼女は悪魔だ
●マイケル・ジョーダンはバスケの神様だ
●あいつの心は石だ!
比喩表現と言えば作家の村上春樹が有名です。
村上春樹の比喩(直喩)
「あの思春期の少女独特の、それ自体がどんどん一人歩きしてしまうような身勝手な美しさ
とでもいうべきものはもう彼女には二度と戻ってはこないのだ」
『ノルウェイの森』
「スカートはぐっしょりと濡れて彼女の太腿に身寄りのない
子供たちのようにぴったりとまつわりついていた。」
「時間のことを考えると私の頭は夜明けの鶏小屋のように混乱した。」
「「もしもし、」と女が言った。それはまるで
安定の悪いテーブルに薄いグラスをそっと載せるようなしゃべり方だった」
『風の歌を聴け』
村上春樹の比喩(隠喩・暗喩)
「一夏中かけて、僕と鼠はまるで何かに取り憑かれたように
25メートル・プール一杯分ばかりのビールを飲み干し、
「ジェイズ・バー」の床いっぱいに5センチの厚さにピーナツ
の殻をまきちらした。」
『風の歌を聴け』
2 擬人法(中学入試・国語の表現技法)
擬人法とは
人間でないものを、人間であるかのように表現すること
(擬人法も「比喩」の一種と言えます)
擬人法の例文
「北風が頬(ほほ))を刺す」
北風は頬を刺しません。
でも、1月末の日光・華厳の滝辺りでは、北風が頬を刺すか
のように冷たいです。
北風を人間であるかのように例えていますね。
擬人法の例文
「ペンを走らせる」→急いで書く
ペンは走りません。
ペンを人に例えて表現しています。
「長靴をはいた猫」(絵本)
(基本的には)猫は長靴をはきませんので、これも擬人法の
一種ですね。
また、村上春樹ですが、
『回転木馬のデッド・ヒート』(小説のタイトル)。
回転木馬はデッド・ヒート(激しい競争)をしません。
じゃっかんずれますが、これもオシャレな擬人法と言えそうです。
倒置法(中学入試・国語の表現技法)
倒置法とは
言葉の順序を入れ替えて、内容を強調する表現技法
「倒置法」は基本的には強調する際に使います。
倒置法の例文
「解放しろ、全てを」⇔「全てを解放しろ」
「勝つまで絶対にやめない!」⇔「絶対にやめない、勝つまでは!」
「あきらめたらそこで試合終了だよ」⇔「そこで試合終了だよ、あきらめたら!」
最後の『スラムダンク』の安西先生の名言は、やはりオリジナル(倒置法を
使わない)の方がはるかに良いですね。
どんな表現もそうですが、倒置法も、効果的な使い方が大事ですね。
4 対句法(中学入試・国語の表現技法)
対句法とは
「形式が同じ、 または似ている二つの句を並べ、対照・強調の効果を与える表現方法」
です。
対句法の例文
「聞いて極楽、見て地獄」
「帯に短し、たすきに長し」
「遠くの親戚より、近くの他人」
「注意一秒、ケガ一生 」
「青い空、白い雲」
5 体言止め(中学入試・国語の表現技法)
体言止めとは
文の最後を名詞・代名詞などで止める表現方法
です。俳句や和歌に多い。
名詞の事を「体言」ともいいますが、体言で文を止めている
ので「体言止め」です。
体言止めの例文
「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)
「法隆寺」という「固有名詞」で終わっていますね。
体言止めを使うと、
●文章にメリハリが出る●
と言われています。
実例で比較してみましょう。
「今年の夏、ウラジオストクに行きました」
「ウラジオストクに行ったのは今年の夏」(体言止め)
「空を見上げたらきれいな満月でした」
「空を見上げたらきれいな満月」(体言止め)
6 反復法(中学入試・国語の表現技法)
反復法とは
同じ語をくり返す表現方法
です。
歌詞などでは定番の手法ですね。
反復法の例文
「あいたくて・あいたくて」
「どんなときも・どんなときも」(槇原敬之)
7 呼びかけ(中学入試・国語の表現技法)
呼びかけとは?
具体的に人に呼びかけるような表現方法です。
呼びかけの例文
「おおい、空よ」
8 擬態語(中学入試・国語の表現技法)
擬態語とは?
物事の状態や様子などを感覚的に音声化して表現する方法です
擬態語の例
「にやにや」
「じろじろ」
「てきぱき」
9 押韻(おういん)・韻(中学入試・国語の表現技法)
押韻とは?
文の初め(頭韻)や文の終わり(脚韻)に同じ音を並べる方法
です。
「韻(いん)を踏む」という言い方をよくします。
英語の歌詞などには頻出です。リズミカルになります。
日本語でもラップなどでは韻を踏みますね。
厳密には、「韻」は「2つ以上の言葉の母音がすべて一致している」
という定義がありますが、まあ、「同じ音が文末や文頭にある」
と思っておいて問題ありません。
押韻・韻の例文
「山に来た里に来た野にも来た」
「高速で拘束され、道徳がないと報告された」
「逆上がりで里帰り」
「約10分後に授業開始、その頃俺はやっと自宅脱し、
着いて迷って遅刻は必至、皆は遅刻した俺を蔑視」
「後出しで負けるなんてあほらしい」
英語の韻(ライム Rhyme)。英語は韻を踏むのが基本というくらい、
韻を踏んだ表現が多いです。
「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」(エジソン)
Genius is one percent inspiration, ninety-nine percent perspiration.
You threw the bums a dime in your prime (Bob Dylan)
ここは、中学受験(小学生向け)のブログなので、英語の話はやめておきます・・・。
まとめ―国語の表現技法まとめ(詩・物語)―「中学受験+塾なし」の勉強法!
中学受験・国語の表現技法まとめ(詩・物語)
1 比喩→「~のような」 他のものに例えて、何かを表現をする方法
(例:彼女は今にも崩れ落ちんとする廃屋を眺めるような目で僕を見た)
2 擬人法→人間でないものを、人間であるかのように表現すること
(例:ペンを走らせる)
3 倒置法→言葉の順序を入れ替えて、内容を強調する表現技法
(例:「あきらめたらそこで試合終了だよ」⇔「そこで試合終了だよ、あきらめたら!」)
4 対句法→形式が同じ、 または似ている二つの句を並べ、対照・強調の効果を与える表現方法
(例:帯に短し、たすきに長し)
5 体言止め→文の最後を名詞・代名詞などの「体言」で止める表現方法
(例:柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺)
6 反復法→同じ語をくり返す表現方法
(例:どんなときも・どんなときも)
7 呼びかけ→具体的に人に呼びかけるような表現方法
(例:おおい、空よ)
8 擬態語→ 物事の状態や様子などを感覚的に音声化して表現する方法
(例:にやにや)
9 押韻(おういん)→文の初め(頭韻)や文の終わり(脚韻)に同じ音を並べる方法
(例:「高速で拘束され、道徳がないと報告された」)