植物の分類:種子植物→被子植物→単子葉類→チューリップという世界認識―「中学受験+塾なし」の勉強法

画像出典:『中学入試くらべてわかるできる子図鑑 理科』p41

植物(花)については以下の順番で勉強(読んで)してください。

1 そもそも「生物」とは何か(条件3つ)?「動物」と「植物」の違いは?

2 光合成(水・二酸化炭素・光・葉緑体)

3 植物の分類:種子植物→被子植物→単子葉類→チューリップという世界認識

4 花のつくり(花の4要素・両性花と単性花・花びらの枚数)

5 受粉(種のでき方)

6   種子の作り

7 発芽と成長

8 根・茎のつくり

9 葉のつくりとつき方

10  蒸散

11 季節と植物

12 代表的な花

 

理科の生物は(かなりの部分)「分類の教科」です。

「何が大枠で、何が小項目で、何が例外なのか」

「なぜそう分類されるのか?違いは何なのか?」

を常に意識しながら勉強しましょう。

中学受験等の試験で問われるのは、どれだけ正確に丁寧に

分類できていますか?という事です。

とにかく、どう分けているか・分けられるかが大事です。

分類をするという事は、世界をどう認識しているかという

事です。

「生物→植物→種子植物→単子葉類→チューリップ」というように我々は

(植物の)世界を認識しているわけです。

上記記事にあるように、「階層分類」が生物の基本です。

例えば「サクラ」は、

【植物界→被子植物文→双子葉植物網→バラ科→サクラ】

です。

 

植物の分類の基本

そもそも「植物」とは?「植物と動物の違い」を読んでもらえば

分かりますが、「光合成をして」「細胞壁がある」のが植物でしたね?

そして、植物は約30万種類もあると言われています。

その約30万種類を、色々な分け方で、どんどん細かく正確に

「分類」していく、というのが理科・生物の学習の基本です。

画像出典:https://yuzupa.com/syokubutsu/

画像出典:『中学入試くらべてわかるできる子図鑑 理科』p41

二つの図を見ると分かりますが、植物の分類は以下のようになっています。

【植物の分類】

1)種子(種)作るかどうか→種子植物(種作る)、胞子植物(種作らない)

(ほとんどの植物は「種子植物」なので、以下、種子植物をさらに分類)

2)子房(しぼう)があるかないか→被子植物(子房ある)、裸子植物(子房なしで胚珠むき出し)

「胚珠」:将来「種子」になるところ/「子房」:将来「果実」になるところ

(多くが被子植物なので、以下、被子植物をさらに分類)

3)子葉(しよう)の枚数が1枚か2枚か→「単子葉類」(子葉1枚)と「双子葉類」(子葉2枚)

4)「双子葉類」を花びらの形で分類→合弁花類(花びらくっついてる)と離弁花類(花びら離れてる)

画像出典:https://yuzupa.com/syokubutsu/

「図を見て、文章を読んで」を3~5回くらい繰り返して、

とりあえずの分類を頭に入れましょう。

その上で、更なる詳細に入ります。

 

1)種子(種)を作るかどうか→種子植物(種作る)、胞子植物(種作らない)

胞子植物→シダ植物とコケ植物

我々の身の回りにある植物は、ほとんどが「種子植物」なので、まずは

「胞子植物」について覚えてしまいましょう。

【胞子植物=シダ植物とコケ植物】と覚えてしまって良いです。

「種子」、つまり「種」によって子孫を増やす「種子植物」と、「胞子」、

つまりは「ぱ~っと散る何かwww」によって子孫を増やす「胞子植物」が

あります。

【胞子=生物が無性生殖をする際に散布する細胞】(種ではない事が大事です)

「胞子植物」は、「根・茎・葉」の区別があるかないかでさらに分類されます。

根・茎・葉」の区別がある胞子植物→シダ植物

「根・茎・葉」の区別がない胞子植物→コケ植物

シダ植物                  コケ植物                   

次に【種子植物】の分類に入っていきます。

 

2)子房があるかないか→被子植物(子房ある)、裸子植物(子房なし)

まず、言葉の意味からでしょうね。

「胚珠」:将来「種子」になるところ

「子房」:将来「果実」になるところ

胚珠に子房が被さっているのが被子植物、胚珠がむき出しなのが裸子植物です。

画像出典:https://yuzupa.com/syokubutsu/

種子植物は、「子房」があるかないかで、「被子植物」と「裸子植物」

に分けられます(「被子」「裸子」で意味的に分かりますね?)。

圧倒的に被子植物の方が多いです。

画像出典:https://juken-mikata.net/how-to/biology/gymnosperm.html

「胚珠」:将来「種子」になるところ

「子房」:将来「果実」になるところ

図を見ると分かりますが、被子植物と裸子植物は同じ種子植物でも

だいぶ違いますね。

再度、具体的なイメージを「桃」でしてみましょう。

画像出典:https://yuzupa.com/syokubutsu/

「胚珠」が種になり、「子房」が果実になってますね?桃おいしいですよね。

夏の桃良いですよね。桃と言ったら山梨県ですね(以下、福島、長野、和歌山、山形、岡山)

ほとんどの種子植物が【被子植物】です。

裸子植物はマツ、イチョウ、スギなどの木が知られています。

(裸子植物語呂合わせ:「粗末(そまつ)なイスらしい」

(ソ・ソテツ、マ・マツ(松)、い・イチョウ、す・杉、らし・裸子植物)

【植物の分類】

1)種子(種)作るかどうか→種子植物(種作る)、胞子植物(種作らない)

(ほとんどの植物は「種子植物」なので、以下、種子植物をさらに分類)

2)子房(しぼう)があるかないか→被子植物(子房ある)、裸子植物(子房なしで胚珠むき出し)

(多くが被子植物なので、以下、被子植物をさらに分類)

3)子葉(しよう)の枚数が1枚か2枚か→「単子葉類」(子葉1枚)と「双子葉類」(子葉2枚)

4)「双子葉類」を花びらの形で分類→合弁花類(花びらくっついてる)と離弁花類(花びら離れてる)

 

3)子葉が1枚か2枚か→「単子葉類」(子葉1枚)と「双子葉類」(子葉2枚)

「植物」のほとんどは「種子植物」で、そのほとんどは「被子植物」でした。

その「被子植物」は、「子葉(しよう)」(発芽して最初に出る葉。普通の「葉」

は本葉というらしいっすよ)の枚数が1枚か2枚かで

「単子葉類」(子葉1枚)と「双子葉類」(子葉2枚)

に分けられます。

画像出典:https://ameblo.jp/rikeinotatuzinn/entry-12481793514.html

中学受験に限らず理科の試験では「単子葉類」がよく出題

されるので、そちらを覚えて、「双子葉類は単子葉類ではない!」

とすればいいでしょう。

【「単子葉類の植物の語呂合わせ」:いとうすすむエッチね+ユリ】

イネ、トウモロコシ、ススキ、ムギ、エノコログサ(ねこじゃらし)、ツユクサ、チューリップ、ネギ、ユリ

(コムギ、タマネギ、アウアメ、ヒヤシンスなども単子葉類です)

(「世界三大穀物」である、小麦・トウモロコシ・イネ(米)はすべて単子葉類ですね)

単子葉類は、根=ひげ根、葉脈=平行脈、茎=バラバラになっている

(双子葉類は、根=主根・側根、葉脈=網状脈、茎=輪状になっている)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

単子葉類の語呂合わせ「だんながヒゲの散髪へ」

だん(な)→単子葉類

ヒゲ(の)→(根)ヒゲ根

散(髪)→(茎)散らばっている

へ→(葉)平行脈

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(参考記事)「根・茎のつくり

覚える事がAとBとあり、それが(ある程度でも)対になっていたら、

どちらか(大事な方or少ない方)だけ(たとえばA)覚えて、もう一方

は、「Aじゃない特徴!」でいける部分がたくさんあります。

画像出典:https://yuzupa.com/syokubutsu/

【植物の分類】

1)種子(種)作るかどうか→種子植物(種作る)、胞子植物(種作らない)

(ほとんどの植物は「種子植物」なので、以下、種子植物をさらに分類)

2)子房(しぼう)があるかないか→被子植物(子房ある)、裸子植物(子房なしで胚珠むき出し)

(多くが被子植物なので、以下、被子植物をさらに分類)

3)子葉(しよう)の枚数が1枚か2枚か→「単子葉類」(子葉1枚)と「双子葉類」(子葉2枚)

4)「双子葉類」を花びらの形で分類→合弁花類(花びらくっついてる)と離弁花類(花びら離れてる)

 

4)「双子葉類」を花びらの形で分類→合弁花類(花びらくっついてる)と離弁花類(花びら離れてる)

 

(関連記事)「花のつくり(花の4要素・両性花と単性花・花びらの枚数)

はい、「植物」のほとんどは「種子植物」で、そのほとんどは「被子植物」でした。

「被子植物」は子葉の枚数によって、単子葉類と双子葉類に分けられましたね?

最後は、双子葉類の花びらの形です。

「合弁花類」(花びらつながっている)―キクとかタンポポとかアサガオとか

「離弁花類」(花びら離れている)―バラとかサクラとかアブラナとか

に分けられます。

つながっている離れているの名前どおりなのでそこは覚えやすい

ですが、意外と実物の花を見てもどっちか分からないかも・・・。

合弁花類の代表タンポポ       アサガオ

タンポポの花弁は1枚?5枚?150枚?』 | 誠泉塾合弁花、朝顔、ユリ、ツツジ - セルフ塾のブログ

タンポポくっついているか離れてるかわからん・・・。アサガオは分かりやすい。

 

「離弁花類」代表・サクラ            アブラナ

離弁花と合弁花の例と覚え方を中学生向けに解説!アブラナの花

サクラもアブラナも分かりやすいですね。

花を分解すると分かるそうです。

合弁花類で有名なツツジ

ツツジの写真ツツジを後ろから見た写真

ツツジの花を分解した写真

 

植物の分類の覚え方(語呂合わせとポイント)

上記でまとめてきた、

「植物→種子・胞子→被子・裸子→単子葉・双子葉→合弁・離弁」

といった所は「基本」となります。

そこから、中学入試問題を解いていくには、

「それぞれの分類の細部を正確に理解・覚える」

事が必要になります・・・。

例えば、

「それぞれの代表的な植物名+例外的な植物名」

「単子葉類と双子葉類の細かな違い」

などですね。

もちろん覚え方も色々とありますし、「ここだけ!」という

ポイントもありますが、基本的なやり方・覚え方としては、

1 メジャーなポイントを抑える(インプット)

2 問題演習をして抜けをなくしていく(アウトプット)

3 1と2を繰り返す

極めてシンプルですが、これが結果としては長期記憶になり

良いと思います。勉強の基本は「正しいやり方で繰り返す」です。

(関連記事「記憶力を良くする5つの方法!脳と対話せよ!」)

画像出典:https://yuzupa.com/syokubutsu/

ただし、ある程度楽をしたい(当たりまえですし、そうするべきです!)

人のために、語呂合わせとポイントをあげておきます。

 

植物の分類のポイントと語呂合わせ

【AとB対になっている場合、少ない方だけ覚える】

「離弁花」だけをまずは覚える(アブラナ、サクラ、エンドウ、ホウセンカetc.)

 

【「単子葉類の植物の語呂合わせ」:いとうすすむエッチね+ユリ】

「い」→イネ

「とう」→トウモロコシ

「すす」→ススキ

「む」→ムギ

「え」→エノコログサ

「っ」→ツユクサ

「ち」→チューリップ

「ね」→ネギ

「ゆり」→ユリ

 

【「単子葉類と双子葉類の植物の語呂合わせ」】

「そうじで主婦はもう大変!」(双子葉類)

「だんながヒゲの散髪へ」(単子葉類)

「そうじで主婦はもう大変」

そう(じ)→双子葉類

主(婦)→主根

は(わ)→(茎)輪状

もう→(葉)網状脈(網目状)

 

「だんながヒゲの散髪へ」(単子葉類)

だん(な)→単子葉類

ヒゲ(の)→(根)ヒゲ根

散(髪)→(茎)散らばっている

へ→(葉)平行脈

 

【「裸子植物」の語呂合わせ】

「粗末(そまつ)なイスらしい」

粗(ソ)→ソテツ

末(マツ)→マツ

イ→イチョウ

ス→スギ

らし→裸子植物

 

【離弁花 の語呂合わせ: アブラナ、 エンドウ 、サクラ】

離れろ!危ない遠藤サクラ:アブラナ、 エンドウ 、サクラ

画像出典:https://yuzupa.com/syokubutsu/

まずは【図】をじっくりと見るところからでしょう。

 

まとめ

以上、

植物の分類:種子植物→被子植物→単子葉類→チューリップという世界認識―「中学受験+塾なし」の勉強法

でした。

 

チューリップを見たときに、

「あ~、これは種子植物で被子植物で、単子葉類で、ユリ科の花だよね」

と言う必要はありませんが、知っていると世界の見え方は多少違う

はずです。【分類】するという事は世界を認識するということです。

植物(花)については以下の順番で勉強(読んで)してください。

1 そもそも「生物」とは何か(条件3つ)?「動物」と「植物」の違いは?

2 光合成(水・二酸化炭素・光・葉緑体)

3 植物の分類:種子植物→被子植物→単子葉類→チューリップという世界認識

4 花のつくり(花の4要素・両性花と単性花・花びらの枚数)

5 受粉(種のでき方)

6   種子の作り

7 発芽と成長

8 根・茎のつくり

9 葉のつくりとつき方

10  蒸散

11 季節と植物

12 代表的な花