小数の計算は小数点の位置!
「小数の計算(たし算、引き算、かけ算、割り算)」あたりから、
「算数は苦手」というのが出てきがちですが、ルールとしてはそれ
ほど複雑ではないですし、「数に対するセンス」が磨かれるという
利点もありますので、「小数の計算方法」をきちんと覚えましょう。
小数の計算で、最も大事なポイントは一つだけです。
小数の計算のポイントは小数点の位置!
それ以外は、「たし算、引き算、かけ算、割り算」をしているだけです。
ですので、「小数点の位置の置き方のルール」にだけ焦点をあてましょう。
先に結論(まとめ)を書いておきます。文章だけだと良くわらかないかも
しれませんが、最後にもう一回出てきますので、全て読んだ後で、再度
見てみてください。
【小数の計算のまとめ・ポイント】
●小数のたし算と引き算は、小数点の位置を揃える+小数点はそのまま下におろす
●小数の掛け算は小数点以下の数の合計分を答えの右から数えて小数点を打つ
(小数同士の掛け算は小数点の位置をずらしていく必要があります)
●割る数が小数なら割る数を整数にしてから計算(ために10倍や100倍にする)
●余りのある小数の割り算は、小数点の位置をズラス前の位置に戻す
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小数の計算の小数点の置き方のルール
1 小数のたし算・引き算は小数点の位置(位)を揃えておろす
小数のたし算と引き算のポイントは、小数点の位置を揃える事です。
小数点の位置は、揃えたまま下におろします。
11.59+1.2
11.59
+ 1.20
12.79
小数の引き算をするときは、「0」が隠れている事に注意が必要です。
5.70
-2.77
2.93
「0」を忘れて、くりさがりをせずに「3.07」としないようにしましょう!
35.68-6.2
35.68
- 6.20
29.48
2 小数のかけ算は、小数点以下の数(けた数)の合計を答えの数の右から数えて小数点打つ
小数の掛け算は、計算式にある、小数点以下の数(けた数)の
合計を、答えの数の右から数えて小数点を打ちます。
小数同士の掛け算は小数点の位置をずらしていく必要があります。
計算をするときは、小数点の位置を揃える必要はありません。
2.2×7
2.2
× 7
15.4
小数点以下の数(けた数)の合計は「1」なので、一ケタ目
に小数点を打つ。決して「小数×整数のかけ算は小数点を下におろす」
と覚えてはダメです!(そのように書いてある教科書がありますが…)
なぜなら、その考え方をすると、小数×小数の掛け算ができなくなるか、
頭がこんがらがるからです。
1.11
× 2
2.22
は「小数点をおろしているのではなく、小数点以下に数字が2つ(2桁)
あるので、二つ目(二桁目)に小数点を置く」のです。
2.9
× 2.4
116
58
6.96
小数点以下に2つ数字があるので、答えの二桁目(二つ目)に
小数点を打ちます。
小数点以下に数字が三つあれば、答えの3つ目(3桁目)に小数点を
うちます。
2.13×3.6
小数点以下の数が大きくなっても考え方は同じです。
5.49×0.0023
3 小数の割り算①割る数が整数なら、小数点はそのままで計算(余りなし)
余りがない小数の計算で、割る数(÷数)が整数なら、小数点は
そのままで計算します。
12.5÷5
4 小数の割り算②割る数が小数なら、割る数を整数にしてから計算(ために10倍や100倍にする)(余りなし)
割る数が小数なら、割る数を整数にしてから計算(ために10倍や100倍にする)
1)割る数(÷数)を整数にするために、10倍、100倍、1000倍にします
(もちろん割られる数も同じだけ大きくします)
2)整数の割り算と同じ方法で計算
3)小数点は真上に持ってくる
割る数を整数にする理由は小数点の処理がしやすいからです。
考え方としては、
「割る数と割られる数に同じ数字をかけても答え(商)は変わらない」
という数学(算数)の性質があるので、それを利用しています。
例えば、4÷2=2です。
この式の割る数、割られる数をそれぞれ、0.1倍、2倍、5倍、10倍、100倍
しても、0.4÷0.2、8÷4、20÷10、40÷20、400÷200・・・
いずれも答えは2で変わりません。
もう一回書いておきます。
割る数が小数なら、割る数を整数にする(ために10倍や100倍にする)
割る数も割られる数も同じだけ小数点をずらして計算
28.5÷3.8
練習してみましょう。
例題)6.24÷4.8
例題)30.195÷4.95
例題)0.88÷0.04
4 余りのある小数の割り算
・余りのある小数の割り算は、小数点の位置をズラス前の位置に戻します
・問題を良く読み、小数何位まで求めるかを絶対に確認します
割る数が整数の場合は、小数点をずらしていませんので、そのまま
答え(商)の小数点の位置と同じにします。
問)2.6÷7を計算して、答え(商)は小数第1位まで求め、あまりも求めなさい
答え)0.3あまり0.5
小数点を入れることを忘れないようにしましょう。
最初のうちは、「検算」が必須です。
「割る数×答え+余り=割られる数」
「7×0.3+0.5=2.6」
この時に、「余り5」などと間違えていても、検算すれば
すぐに分かりますね?
問)32.2÷17を計算して、答え(商)は小数第1位まで求め、あまりも求めなさい
1.8
─────
17)32.2
17
────
15 2
13 6
────
1. 6
答え1.8余り1.6
問)42.2÷15を計算して、答え(商)は小数第1位まで求め、あまりも求めなさい
2.8
─────
15)42.2
30
────
12 2
12 0
────
0.2
答え)2.8あまり0.2
一番厄介なのは、小数同士、あるいは割る数が小数で、整数に
するために10倍や100倍にした時の小数の割り算で、余りが
ある場合です。
結論を先に書くと、小数点をずらした小数の割り算の場合、
余りは最初(ずらす前)の小数点の位置に下ろしてきます。
問)6.13÷4.2 答え(商)は小数第1位まで求め、あまりも求めなさい
答え 1.4余り0.25
もう一回書きます。
小数点をずらした小数の割り算の場合、
余りの小数点の位置とズラス前の小数点の位置をそろえます。
問)9.26÷3.5 答え(商)は小数第1位まで求め、あまりも求めなさい
答え 2.6 余り0.16
例題)42.2÷15.1
小数点をずらした小数の割り算の場合、
余りは最初の小数点の位置に下ろしてきます。
ですので、きれいに揃えて式を書く必要がありますね。
まとめ
●小数のたし算と引き算は、小数点の位置を揃える+小数点はそのまま下におろす
●小数の掛け算は小数点以下の数の合計分を答えの右から数えて小数点を打つ
(小数同士の掛け算は小数点の位置をずらしていく必要があります)
●割る数が小数なら割る数を整数にしてから計算(ために10倍や100倍にする)
●余りのある小数の割り算は、小数点の位置をズラス前の位置に戻す
上記「小数の計算のルール」を覚えて、問題をたくさん解く
事が習得のもっとも近道だと思います。
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