「ことわざ」と「慣用句」と「故事成語」の違い

問題)慶應中等部・平成23年

次のア~ケの言葉を「1慣用句」「2日本のことわざ」「3故事成語」に

分類しなさい。同じ番号を何回使っても良い

ア)塞翁が馬

イ)馬の耳に念仏

ウ)青は藍より出でて藍より青し

エ)匙を投げる

オ)肩で風を切る

カ)飼い犬に手を嚙(か)まれる

キ)猿も木から落ちる

ク)馬耳東風

ケ)牛にひかれて善光寺参り

*答えはこの記事の最後にあります

 

「ことわざ」と「慣用句」と「故事成語」の違い

なんとなくで使っている事が多い

【「ことわざ」「慣用句」「故事成語」】

ですが、受験勉強上は正確に違いを理解しておきましょう。

「ことわざ」➡昔から伝えられてきた生活の知恵や生きていくうえでの教え(教訓がある)

(例:「触らぬ神に祟りなし」)

「慣用句」➡2つ以上の単語が結びつき、全体としてある特定の意味を表している言葉

(例:「油を売る」「顔が広い」)

「故事成語」➡昔から語り継がれることがらからできた教訓(故事をもとにしてできた言葉)

(例:「四面楚歌」「塞翁が馬」「馬耳東風」)

「故事成語」「故事」からできているのでこの中では分かりやすいかも

しれません。そこがポイントです。ほとんど「古代中国」の故事から来ています。

「ことわざ」のポイントは教訓があるという事でしょうか?

「触らぬ神に祟りなし」なら、「めんどうなことによけいな手出しをするな」

という教訓ですよね? 「猿も木から落ちる」ということわざの教訓は、

「上手な人でも時にはミスをすることがある」という教訓です。

「慣用句」は「2つ以上の単語が結びついて全体である意味を表す」というものです。

じゃっかん、ことわざに似ていますが、「教訓(教え)」はありません。

「油を売る➡無駄話などをして時間を潰し、仕事を怠ける」

「匙を投げる➡手のほどこしようがなく断念する」

やっぱり、少しことわざと混同しそうですね・・・。

慣用句は「2つ以上がくっつく」「教訓はない」これがポイントです。

 

では、冒頭に掲げた慶應中学の問題をやってみましょう。

問題)慶應中等部・平成23年

次のア~ケの言葉を「1慣用句」「2日本のことわざ」「3故事成語」に

分類しなさい。同じ番号を何回使っても良い

ア)塞翁が馬

イ)馬の耳に念仏

ウ)青は藍より出でて藍より青し

エ)匙を投げる

オ)肩で風を切る

カ)飼い犬に手を嚙(か)まれる

キ)猿も木から落ちる

ク)馬耳東風

ケ)牛にひかれて善光寺参り

どうですか?

 

ア)塞翁が馬➡3故事成語

イ)馬の耳に念仏➡2日本のことわざ

ウ)青は藍より出でて藍より青し➡3故事成語(出藍の誉れ)

エ)匙を投げる➡1慣用句

オ)肩で風を切る➡1慣用句

カ)飼い犬に手を嚙(か)まれる➡2日本のことわざ

キ)猿も木から落ちる➡2日本のことわざ

ク)馬耳東風➡3故事成語

ケ)牛にひかれて善光寺参り➡2日本のことわざ

(牛に~~は「意外な導きで良い方へ向かう事」という「ことわざ」です)

 

まとめ―「ことわざ」「慣用句」「故事成語」の違い

「ことわざ」➡昔から伝えられてきた生活の知恵や生きていくうえでの教え(教訓がある)

(例:「触らぬ神に祟りなし」)

「慣用句」➡2つ以上の単語が結びつき、全体としてある特定の意味を表している言葉

(例:「油を売る」「顔が広い」)

「故事成語」➡昔から語り継がれることがらからできた教訓(故事をもとにしてできた言葉)

(例:「四面楚歌」「塞翁が馬」「馬耳東風」)