大項目→中項目→小項目へ:情報→教養的理解のススメ

受験勉強に限らず、「何か」を理解するには、

 

大項目→中項目→小項目

 

の順序で覚える・理解していくと効率的で、理解の深度も

よくなります。

 

この「大中小」で理解するという方法は、結果として、

「対象の体系的(面的)な理解→本当の意味での教養」

につながります。

 

ただの「点(情報)」をいくら詰め込んでも「面的な教養」では

ないと言えますし、そもそも受験勉強としても「ただの丸暗記」は効率が悪いです。

 

例えば、「社会の地理」→「日本地図」→「青森県」で説明すると、

 

大項目「日本の中の青森県」

中項目「青森県の特徴:県庁所在地は青森市・りんご・海産物etc.」

小項目「青森県の細部:下北半島・津軽半島・竜飛岬・陸奥湾・三内丸山遺跡etc.」

 

といった感じです。

 

(中学受験に限らず)受験勉強で大事なのは、大項目は知っていて

当然(差がつかない)なわけですが、中項目、小項目は、どこ(まで)

が大事(試験に出る)なのかという姿勢で勉強する事です。

 

大学受験であれば(高校受験、中学受験でも使えますが)、いわゆる

「山川の用語集」が非常に便利です。

 

地理用語集 A・B共用 第2版 [ 地理用語研究会 ]
by カエレバ

 

 

 

基本的には、この「山川の用語集」に載っていれば覚えておいて

良いですし、載っていなければ、それは「小項目以下」の内容で、

試験には(基本は)出ないです。

 

この用語集には、「市販の教科書でいくつのものに出てくるか」

という数字が各用語についていますので、重要度がすぐに分かります。

 

「10」なら10個の教科書に出ている。「1」なら1個の教科書のみに

出ているという事になります。

 

「日本史用語集」「世界史用語集」もあります。

 

 

出典:https://matome.naver.jp/odai/2138552320424844901

 

大項目「青森県」

小学校4年生くらいから「社会の地理」を学びますが、

まずは、以下のような「大・中・小」項目から頭に

入れていきます。

 

●日本には「47都道府県」がある(大項目)

●北海道・東北地方・関東地方等の「地方」がある(中項目)

●東北地方の最北端が「青森県」(小項目)

 

「青森県」をこのように位置づける・理解する事ができます。

 

「青森県」を大項目に設定した場合は、

次に、「青森県」にどういう特徴があるのかという「中項目」

に入っていきます。

 

中項目「青森県の特徴:県庁所在地は青森市・りんご・海産物」

青森県が日本全体の中でどのように位置づけられるかが大項目だと

したら、「中項目」は、「青森県の特徴」でしょう。

 

・本州最北端の県→津軽海峡が北海道との境目(青函連絡船)

・東北地方の県で唯一日本海にも太平洋にも面している

・県庁所在地は青森市+位置は青森湾に面している

・青森市以外には弘前(ひろさき)市が有名

・りんごや海産物(マグロ等)が特産

・太宰治の出身地

etc.

 

といった所でしょう。

 

「中項目」を踏まえた細部が「小項目」になります。

 

小項目「青森県の細部:下北半島・津軽半島・竜飛岬・陸奥湾・三内丸山遺跡etc.」

「中項目」を踏まえて、その細部が「小項目」になります。

出典:https://matome.naver.jp/odai/2138552320424844901

 

ここでは、地理的な事を中心に書きますが、

 

・青森県には重要な半島が2つある:下北半島(太平洋側)と津軽半島(日本海側)

・それぞれの「北端」は、大間崎(岬)と竜飛崎(岬)

・縄文遺跡として有名な三内丸山遺跡は青森市にある

etc.

 

といった辺りが「細部」になります。

 

「三内丸山遺跡」は日本史でも必須ですが、ポイントは、

・縄文時代の遺跡

・青森県青森市にある

といった点になります。

 

仮に三内丸山遺跡を大項目とした場合は、中項目が「縄文遺跡」

「青森県青森市にある」といった点になり、小項目は、「3層の掘立柱建物」

等といった事になるでしょう。

画像

三内丸山遺跡の「3層の掘立柱建物」(筆者撮影)

 

まとめ―「青森」が体系的になり、本当の教養になる

以上、

 

大項目→中項目→小項目へ:情報→教養的理解のススメ

 

でした。

 

再度まとめで、具体的な例を出したいと思います。

 

「大間のマグロ」といえばおいしくて有名です。

 

これを「点」で「大間のマグロ=おいしい」と知っているのは

ただの「情報」です。場所も県もその他の情報も知らなければ

どうでしょう?

 

これが、「大間のマグロ」と聞いて、

 

「青森県(大項目)と言えば海産物(中項目)が有名だ。大間岬(小項目)といえ

ば、本州最北端+下北半島(中項目、小項目)だし、寒流と暖流のぶつかる津軽海峡

(中項目)で鍛えられているから、大間のマグロはおいしいのだろう」

 

と考えるようになったら、それは「情報・知識」をもとにした体系的な

教養と言えるのではないでしょうか?

 

その上で、青森まで行って「大間のマグロ」を食べると、より豊かで

文化的な食生活と言えるのかもしれませんね。

 

そもそも、中学受験も高校受験も大学受験も、難関であればあるほど、

教養的な知性を求める問題になっています。