2021年から内申書(中学校の通知表)の評価基準がこれまでとは大きく(180度?)
変わっています。地元の公立中学から都立高校、県立高校を目指す人には必須
の情報です。なお、小学校は2020年から変わっています。
下記に細かくまとめますが、結論から言うと、これは
【「ゆとり教育」からの転換】
だと考えられます。
先にまとめを書きます。
【2021年から内申書が改訂!中学校の通知表の評価基準は何が変わった?!】
【改定前の通知表・内申の4観点】
1 関心・意欲・態度
2 思考・判断・表現
3 技能
4 知識・理解
【2021年に改定後の通知表・内申の3点】
1 主体性(主体的に学習に取り組む態度)
2 思考・判断・表現
3 知識・技能
【2021年から内申書が改訂されたポイント!
改訂前「関心・意欲・態度→思考・判断・表現→技能→知識・理解」
改訂後「知識・技能→思考・判断・表現→主体的に学習に取り組む態度」
順番が完全に逆になっていますね。これが最大のポイントです。
文科省・教育委員会が求める人材(内申書で評価されるポイント)が
これまでとは全く異なるという事になります。
これまでほどは意味がなくなるポイントは以下です。
・「授業中手をたくさん挙げる」
・「ノートはカラフルできれいに!」
・「授業態度も評価対象!」
(これがいけないという意味ではないですよ!)
結論としては以下でしょうか。
●2021年以降の内申書・通知表では定期テストの点数と成績が連動しやすい
●授業態度【だけ】で高評価は(これまでよりは)難しい
●要するに「学力重視」
2021年から内申書が改訂!中学校の通知表の評価基準を確認!都立高校入試に必須!「ゆとり教育」からの転換
改訂前「関心・意欲・態度→思考・判断・表現→技能→知識・理解」
改訂後「知識・技能→思考・判断・表現→主体的に学習に取り組む態度」
この点を理解するには、「ゆとり教育」というものの存在を知る必要があります。
2002年に始まった「ゆとり教育」
現在(2023年)からみるとすでに30年~50以上前ですが、1970年代~90年代頃から
「新しい学力観」というものが言われだしました。
その「新しい学力観」では、教師・先生は、教える立場ではなく子どもの学びを
支える立場とされました。
そして、教師は子どもの興味関心をひき、子どもたちが主体的に考え、表現し、
知識・理解として定着を図るという理念が提唱されました。
その最終形態が2002年から始まった「ゆとり教育」です。
これは、それまで戦後の学歴社会(場合によっては明治の学制以来の学歴社会?)
を象徴する「詰め込み教育」に対するアンチテーゼ(反省とでも言いましょうか)
でもあったのは間違いありません。
有名な所では、ゆとり教育では「円周率は3」といった辺りでしょうか。
3.141592~~~~~と詰め込んではいかん。
「教師は子どもの興味関心をひき、子どもたちが主体的に考え、表現するためには円周率は3!」
という感じです。
しかし、今では「ゆとり教育」は失敗だったと多くの人は考えています。
それはそうでしょう。ゆるくゆるくやれば、ぬるま湯につかったゆでガエルのように・・・。
「ゆとり教育世代」=基礎学力が身についていない世代とみられることも多くなりました。
また、公立の学校が「ゆとり教育」をしている間に、私立の中学校や中高一貫校は、
ガチガチに詰め込んで進学実績をバンバン上げてという状況になり、一時は
都立高校の進学実績は目を覆うような状況になりました。
「ゆとり教育」の失敗ですね。
一般的には、2002年に具体的に始まった「ゆとり教育」は2011年の学習指導要領の
改訂で終わったとされています。
ちなみに、「ゆとり世代」とは、1987年から2004年ごろに誕生した人のことを
指す言葉です。
【2021年から内申書が改訂!中学校の通知表の評価基準は何が変わった?!】
【改定前の通知表・内申の4観点】
1 関心・意欲・態度
2 思考・判断・表現
3 技能
4 知識・理解
【2021年に改定後の通知表・内申の3点】
1 主体性(主体的に学習に取り組む態度)
2 思考・判断・表現
3 知識・技能
【2021年から内申書が改訂されたポイント!
改訂前「関心・意欲・態度→思考・判断・表現→技能→知識・理解」
改訂後「知識・技能→思考・判断・表現→主体的に学習に取り組む態度」
順番が完全に逆になっていますね。これが最大のポイントです。
文科省・教育委員会が求める人材(内申書で評価されるポイント)が
これまでとは全く異なるという事になります。
2021年から内申書が改訂され、通知表は観点別評価の組み合わせで決まる
既に書いた「ゆとり教育」への反省から、
まずは知識(詰め込み)がなければ主体性もくそもないという(僕には
まっとうに思える)判断がされ、2021年から内申書・通知表の評価方法が
変わりました。
具体的には、教科別に「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習
に取り組む態度」の3の観点について、それぞれA~C(◎、〇、無印の場合もあり)
の3段階で評価され、この観点の組み合わせによって「5」~「1」の評定が決まります。
【2021年から内申書が改訂されたポイント!
改訂前「関心・意欲・態度→思考・判断・表現→技能→知識・理解」
改訂後「知識・技能→思考・判断・表現→主体的に学習に取り組む態度」
それぞれの観点によって5段階の評定が決まる点はこれまでの
内申書・通知表と同じですが、各教科の観点が「知識・技能」
「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3点
になったこと、さらに、順序がこれまでと全く逆になった点が
大きな違いです。
多少極端な言い方をすれば、文科省・教育委員会からの通達としては、
学力とは関係のない、挙手回数、ノートのきれいさ、授業態度は評価
しない方針でお願いしますという事になります。
「勉強ができる子」が評価される時代?
もちろん「授業態度が悪くてもテストで100点取ればいい」という
極端な話ではないですが、逆にこれまで一定数いた、
「挙手の回数が多く、毎時間ノートをきちんと取っている等、性格や
行動が内申向きだけれど、必ずしもテストの点数が極めて高くはない子」
が「5」を獲得する事が減っていくのは間違いないでしょう。
より具体的に言うと、新評価では定期テストで計る「知識・思考力」といっ
た観点別評価との連動制が高まりました。
文科省では新観点の「主体性」を「知識及び技能を獲得したり思考力、判断力、
表現力等を身に付けたりすることに向けた粘強い取組…」と定義しています。
つまり従来「関心意欲態度」は他の観点とは独立した評価基準になっていた
のが、新基準では「知識」や「思考力」と連動するということです。
結論としては、定期テストの点数が高い子が「5」の評価をこれまでよりも
スムーズに取りやすいという事になるでしょう。
内申書でも勉強ができる子が強い時代でしょうか?
内申書で「5」が取りづらくなったは嘘?本当?
一部では、都市伝説のように、内申書で「5」が取りにくくなったという
噂があります。が、事実とは異なります。
年度 | 「5」の割合 |
2020年 | 12.2% |
2021年 | 13.5% |
2022年 | 12.8% |
(東京都の公立中学全体の「5」の割合)
全体の上位12%くらいという事は偏差値に直すと60~65くらいです。
まあ、適切な割合かと思います。
新しい評価基準になって通知表の「5」が取りづらくなったという事
は数字上はないようです。
ただ、これまで「5」をとってきた層とは違う層が一部入れ替わりで
入っている可能性がありますね。
まとめ
以上、
2021年から内申書が改訂!中学校の通知表の評価基準を確認!都立高校入試に必須!「ゆとり教育」からの転換
でした。
【2021年から内申書が改訂!中学校の通知表の評価基準は何が変わった?!】
【改定前の通知表・内申の4観点】
1 関心・意欲・態度
2 思考・判断・表現
3 技能
4 知識・理解
【2021年に改定後の通知表・内申の3点】
1 主体性(主体的に学習に取り組む態度)
2 思考・判断・表現
3 知識・技能
【2021年から内申書が改訂されたポイント!
改訂前「関心・意欲・態度→思考・判断・表現→技能→知識・理解」
改訂後「知識・技能→思考・判断・表現→主体的に学習に取り組む態度」
順番が完全に逆になっていますね。これが最大のポイントです。
文科省・教育委員会が求める人材(内申書で評価されるポイント)が
これまでとは全く異なるという事になります。
これまでほどは意味がなくなるポイントは以下です。
・「授業中手をたくさん挙げる」
・「ノートはカラフルできれいに!」
・「授業態度も評価対象!」
(これがいけないという意味ではないですよ!)
結論としては以下でしょうか。
●2021年以降の内申書・通知表では定期テストの点数と成績が連動しやすい
●授業態度【だけ】で高評価は(これまでよりは)難しい
●要するに「学力重視」