中学受験・集団塾の限界について―SAPIX、早稲アカ、四谷大塚、臨海セミナー、栄光ゼミナール、日能研、ena

そもそも集団塾は全員をできるようにするつもりがありません

それは原理的に不可能だからです。

中学受験・集団塾の限界について―SAPIX、早稲アカ、四谷大塚、臨海セミナー、栄光ゼミナール、日能研、ena

集団塾は全員をできるようにするつもりがない

SAPIX、早稲アカ、四谷大塚、臨海セミナー、栄光ゼミナール、日能研、ena

などの集団塾は、全員をできるようにするつもりはないという前提でいるべきです。

 

全員が出来るようになると、偏差値は原理的に存在しなくなります。

偏差値って、個人の得点が母集団の中でどのくらいの位置にあるかを

あらわしたものですので。

もちろん、これはやや極端な言い方です。

塾に通う事で、ばらつきはあったとしても、通っている子たちが、それぞれ

の伸び方で全体的にできるようにはなるでしょうから。

 

でもですね、30年以上前の僕の子ども時代から

「塾に遊びに行ってる子」

はたくさんいたんですよね。

親としては塾に通わせたというアリバイを作れますしね…。

そういう子たちは、塾に通っていても、成績の伸びという意味ではまったく

効果がありませんでした。令和の現在でも構造・仕組みは全く同じです。

 

良く言われる事ではありますが、集団塾は営利企業なので、全体での収益を

気にする(そこが最も大事?)必要があります。

SAPIX、早稲アカ、四谷大塚、臨海セミナー、栄光ゼミナール、日能研、ena・・・

おそらくすべての「会社」が同じ理屈で動いているはずです。

 

それぞれにターゲットは違うでしょうが、基本の構造は同じです。

 

そうすると、原理的に

「全員を同じようにできるようにする」

事はできませんし、するつもりもないと思います。

 

では、何をしているのか?

 

・塾内の上位20%に合格実績を稼いでもらう

・残りの80%には「お客さん」でいてもらう

 

これが基本の作りです。パレートの法則と全く同じです…。

(パレートの法則とは、「世の中に現れる結果の8割は、それを構成する2割の

要素が生み出している」という法則です)

それぞれの塾のターゲットによって、細かな部分に違いはあるでしょうが、

基本の構造は同じです。

SAPIXであれば、最難関の合格実績が大事なので、そもそも、入り口を絞って、

ある程度できる子のみを集めて、そこの上位20%に圧倒的な実績を稼いでもらう

という感じですね。

都立中高一貫に特化していた(都の高校無償化が決まってからは、私立も

狙うという方針に転換し始めたようです)enaは、全都立中の定員よりも

多くの児童を抱えている(いた)という面白いデータもあるようです。

 

なんにせよ、集団塾を活用するためには、

★自分の子供が「その塾で上位20%」に入ることが大事★

です。

 

集団塾は一年いて伸びなければやめるべき

SAPIX、早稲アカ、四谷大塚、臨海セミナー、栄光ゼミナール、日能研、ena

などの集団塾の限界は「みんなで解いて、先生が答えを言って、ちょっと

解説して、○付けて終わり」というシステムそのものにあります。

 

できる子はできるようになりますが、できない子はできないままです。

 

これは10年前も20年前も30年前も同じです。

もちろん、できるようになるために、家での復習を頑張り、結果的に、

ついていけるようになるという理想的なケースもあります。

ありますが、やはり少数派である事は否めません。

 

そもそも「できる子」はそれ(家での猛烈な復習)をやっています。

 

「集団塾で半年後の立ち位置がその子の実力、それ以上は伸びない」

的なやや極端な物言いをされる塾の関係者もいらっしゃいます。それは、

やや暴論かなと思いますが、一面では正しい部分もあります。

 

そのまま、何も変えずに、その集団塾に居続けても結果は変わらないという

意味ではですね。

 

何かを変えないと変わらないのは確かです。

私が良く言う、

PDCA(Plan Do Check Action)サイクルが回らなければ、その場で

止まっているだけになります。

 

ですので、

集団塾は一年いて伸びなければやめるべき

と私は考えています。もちろん、色々なP(Plan)を立て、

D(Do)を繰り返し、C(Check)をしている最中であれば、その限りでは

ありませんが、仮に一年以上在籍して、

「ただ塾にいるだけ(で、成績はまったく伸びない)」

で、そこからの脱出のプランを練っているわけでもない、という状況

であれば、即座に損切りをするべきでしょう。

 

集団塾+家庭教師or補習塾を選ぶ家庭が多いわけ

これまで書いてきたように、集団塾で「お客様」のままでいること

にはメリットがほとんどありません

 

ただし、SAPIX、四谷大塚、臨海セミナー、栄光ゼミナール、早稲アカ、日能研、ena

に所属している事のメリットはもちろんたくさんあります。

・「情報」が豊富

・カリキュラムがしっかりしている(ただし「消化」できれば)

・塾友と切磋琢磨できる(意外と大事)

・勉強体力がつく(けっこう大事)

・定期的なテストや模試での立ち位置の確認ができる(多すぎる気もしますが…)

etc.

 

そうすると、

SAPIX、四谷大塚、臨海セミナー、栄光ゼミナール、日能研、ena

などの集団塾に属しながら、上位20%に位置し続ける

事がもっとも良さそうですよね?

 

そうだと思います。

そのために、

集団塾+家庭教師or補習塾を選ぶ家庭が多くなっています。

非常に合理的な判断だと思います。

 

「その後」の事を考えて「今」に投資するスタイルとも言えますね。

 

個人系の進学塾の中には、

「サピの合格実績の半分くらいはうちみたいなサピの補習塾が出してる」

とうそぶく方もいますが、それはその通りでしょう。

 

SAPIXの圧倒的な量とスピードを固めるのは、小学生ひとりではかなりの

困難が予想されます。それをするには、【そのための補習塾や家庭教師】がいても

なんらおかしくはないでしょう。

僕も多くのそういったパターンの子をオンラインで教えています。

(え?効果のほどは?→誰に聞いとるのかね?)

 

え? 結局、課金勝負なのか?

 

ですか?

 

 

う~~ん、ある程度はそうですね・・・。

 

僕の知る限り、多少の能力の差は課金で追い越せます

 

それを良いとするか悪いとするかは価値観の問題なので何とも言えませんが、

現実としては以下のようになっています。

 

中学受験の集団塾(SAPIXや早稲アカなどに)に上位でついていく事に意味が

あると考えるのであれば、さらに補習塾や家庭教師をつける必要があります。

 

その結果、ほとんどのケースでそれをやらないよりはやった方が成績・偏差値は

上がります。

 

また、

優れた家庭教師は集団塾とは比較にならないくらい子供を伸ばします

ので、何もしなければ「公立中学→高校偏差値50台(中学受験偏差値だと四谷大塚で

40前後)くらいの公立高校」に行くような子が、早慶付属に受かったりすることも

よくあります。

 

これが現実です。

 

そうすると、あとは、どこまでやるかという話になりますね…。

 

これらの点は、SAPIX、四谷大塚、臨海セミナー、栄光ゼミナール、早稲アカ、日能研、

enaなどの集団塾のメリットであると同時に限界でもあります。

カリキュラムは提供できても、個別に痒い所に手が届く対応は基本的には

できないからです。

その結果、半分以上の子は、

「なんとなく」

のうろ覚えで勉強が進んでしまい、結果として、模試などでは、ボロボロに

なるというのが一つのパターンです。

 

実は、「なんとなく」まで来ていれば、あとは「詰める」だけで、一気に

偏差値は上がるんですけどね…。

(この点に気づいている方々が、家庭教師や大手塾の補習塾を利用しています)

 

まとめ

以上、

中学受験・集団塾の限界について―SAPIX、早稲アカ、四谷大塚、臨海セミナー、栄光ゼミナール、日能研、ena

でした。