神戸大学が「システム情報学部」新設(2025年4月から)
2023年8月17日神戸大学は、2025年4月からシステム情報学部(仮称)を
新設する方針を発表しました。
優秀な学生は3年生で卒業できる早期卒業制度を導入するほか、
大学院システム情報学研究科と一体運用することで最短6年で
博士学位を取得できるようにするとの事です。
人工知能(AI)やデータサイエンスなどの専門的知識に精通し
た高度専門人材を育成する目的です。
工学部情報知能工学科を改組して、新学部を設置するそうです。
入学定員は107人から150人に増やし、学校推薦型選抜で女子枠を
設ける予定です。
一般入試の科目・配点はすでに公表している情報知能工学科の
25年度の募集内容から変更はないという事です。
藤沢正人学長は同日の記者会見で「日本はデジタル人材が不足して
いる。高度な専門知識を持った人材を育て、社会に貢献したい」と述べ
ました。
神戸大学が「システム情報学部」新設(2025年4月から)について
僕は期待していません。
理由は、2023年度に新設された
一橋大学のソーシャル・データサイエンス学部
もそうなのですが、教員がほぼ「象牙の塔」・「日本の博士号所有者」
といった、大学内の人たちだからです(神戸大学がガラッと変わるとは思えません)。
「日本はデジタル人材が不足している。高度な専門知識を持った
人材を育て、社会に貢献したい」
との事ですが、これは10年~20年前からずっと同じ事が言われていました。
しかし、デジタルの世界で、覇権を握ったのは完全にアメリカです。
日本の大学はどうしても人事が硬直化しているので、
「本当に優れた人」
を呼べません。金銭的にも組織的にもです。
IT関係ですと、【絶対】に現場で戦ってきた人を採用しないと
意味がないと思いますが、おそらく高確率でそうはならないでしょう。
まあ、それは今に始まった事ではないですが・・・。
日本の大学や受験教育は、
作法にのっとって今ある仕組みをどれだけ覚えられるか
という競技をしている感が強いです。
簡単に言うと、暗記力に優れた優等生が評価される仕組みですね。
言い方を変えると「要領が良い」子が偏差値が高くなります。
その頂点が東大です。それをもって「頭が良い」とされます。
決して、「0から何かを生み出す」必要がない競技です。
でも、デジタルの世界ってまったく逆ですよね。
道なきところにいきなり道ができたり、それがすぐに使えなくなったり
の繰り返しです。3年前は大昔です。
まあ、その辺は置いておいて、うがった見方をすると、
「データ」やら「システム情報」やらといった流行りの言葉で
予算を獲得する(つなぎとめる)算段なのかな~と思ってしまいます。
2023年に新設された
一橋大学のソーシャル・データサイエンス学部
にgoogleやAppleで最先端の世界の最先端にいた人が教員として
目玉的に採用されたでしょうか?残念ながら、ほとんど全員が、
「大学内の人事異動」でやってきたという感じの方々です。
もちろん、国立大学ですから、教員採用に特別なお金は使えない
でしょうし、「やりたい人」はたくさんいても「やってもらいたい人」
に来てもらう事が簡単でない事は分かりますが…。
まとめ
以上、
神戸大学が「システム情報学部」新設(2025年4月から)についての悲観的な見方…
でした。
日本の大学に、「この種」の事はほぼ期待していませんので、
ノンビリと成り行きを見守りたいです。
そもそも、この種の先達は、慶應のSFC(環境情報学部、総合政策学部)
ですが、設立は1990年です。33年も前の事ですね。
当初は「すごい人材がドンドン出てくるのでは❓」と言われていましたが…。
ビリギャルの方くらいしか知らないですね。
あとは、慶應の付属校から三田や日吉の経済学部やら法学部やら
理工学部やらに行けない成績が芳しくない生徒たちが
行くところというイメージです。
暗い話になってしまいました・・・。
神戸大学の「システム情報学部」から、日本のジョブズやゲイツや
サーゲイ・ブリンやラリー・ペイジやらが出てきたら謹んでお詫び
申し上げます。