
2024年春の入試から都立高校が男女別定員を全廃する事が
決まりました。それにより都立高校の男女差がどうなるか細かく
検討しました。
2023年現在の高校3年生が受験した、2021年入試では、男子95人、
女子691人が、男女別定員が理由で不合格となっていました。
都立高校・男女別定員を全廃・廃止!2024年春の入試から
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東京都立高校入試の男女別定員について、都教育委員会は、現在の中学3年生
が受験する2024年春の入試から全面廃止する方針を固めた。都関係者への
取材で分かった。都道府県立の共学高校で男女別定員が残るのは、全国で東京
のみ。同じ高校の入試でも男女で合格ラインが異なり、「ジェンダー平等に反
する」と指摘されてきた。
一般・推薦入試ともに撤廃する。都と東京私立中学高等学校協会でつくる
「公私連絡協議会」が11日に開かれ、公私で合意する方針。
都教委は21年、男女合同定員に段階的に移行する方針を決定。緩和措置
として、性別によらず成績順で合否を決める「男女合同枠」を22年入試で
定員の1割、23年は2割設けていた。
一方、21年に公表した都教委の試算によると、男女別定員がなくなれば、
都立高の男子の合格者は約600人減ると見込まれる。
出典:朝日新聞
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・2024年春の入試から都立校の男女別定員を全廃
・男女別定員が残っていた都道府県は東京都のみ
・2023年度は2割の「男女合同枠」が設けられていた→あまり変動なし
都立高校・男女別定員を全廃・廃止でどうなる?!最難関校とそれ以外で違う?2024年春の入試から!
これまでのデータや、他の道府県の動向からすると以下の事が考え
られます。あくまでも予測です。
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●最難関校は男子が増える:都立日比谷、都立西、都立国立:既に増えています
●準最難関校は男女差それほど変わらず:都立戸山、都立青山、都立立川etc
●前身が「女子学校」(戦前は女子校)は女子が増える:都立三田、都立神代etc
●その他の都立高校は学校による
●全体では女子の合格者数が増える
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最難関校は男子が増える:都立日比谷、都立西、都立国立
都立高校の最難関は2023年現在、
●都立日比谷、都立西、都立国立●
の3校です。
上記の関連記事を見ても分かるように、
東大への進学実績という意味では、日比谷高校が群を抜いています。
生徒数が都立中(約160人)の倍以上いる都立高校(約320人)ですが、
そこを差し引いても、都立日比谷は圧倒的です。
【2023年春の入試の都立中・都立高校の東大合格者数】
都立中学ができていらい、都立高校の上位校が小6の段階で優秀な
生徒を取られているのは一目瞭然で、生徒数(都立高校が都立中学の
倍)を考えると、都立西、都立国立も、都立中高一貫の小石川や都立武蔵
に抜かれていると言えます。
それでも、
●都立日比谷、都立西、都立国立●
の3校はいまだにブランドがありますので、都立高校を狙う中で、最上位層が
集まります。
中学受験でも高校受験でも大学受験でもそうですが、
全体を見ると
「女子の方がやや成績が良く」
「最上位になると男子が増える」
という傾向があります。
また、女子はそもそも「東大を目指しているわけではない」
という子もかなりいます。ポテンシャルはあっても、
東大<上智大とか東大<慶応大
といった子も一定数います。男子ではその割合はかなり少なくなります。
また、高校受験において、私立では女子に門戸を開いている難関校は
数がグッと減る事が知られています。
そうすると、結果として、都立高校を受ける優秀な女子層は、より安全な
受験校選びをする可能性が高まります。
西高を受けられる内申と学力はあるけど、都立新宿にするとかですね。
そういった傾向の結果、おそらくですが、2024年春の入試から、都立高校の
男女別定員が撤廃されると、
●最難関校は男子が増える:都立日比谷、都立西、都立国立
と予想します。
今でも、都立日比谷高校では、全校生徒は964人(男子502人・女子462人)
となっています。男女合同枠の影響でしょうかね?
都立国立高校も、2023年現在で、男子507人、女子441人と男子の方が多く
なっています。
●準最難関校は男女差それほど変わらず:都立戸山、都立青山、都立立川etc
都立御三家(日比谷、西、国立)に次ぐ、都立青山、都立戸山、
都立立川などでは、おそらく男女差はそれほど変わらず、若干
女子が多くなるかと思います。
理由は、上位3校に男子が多くなる反動で若干女子が増えるでしょう。
2023年度からの都立高校の進学指導重点校に選ばれたのは、
日比谷高校、西高校、国立高校、八王子東高校、戸山高校、青山高校、
立川高校の計7校ですが、既に書いたように、男女別定員撤廃の影響で
男女差がどうなるかという意味では、日比谷、西、国立とそれ以外の
4校では差が出ると思います。
簡単に言うと、大学進学で最難関(東大・京大・一橋大・東工大)を目指す
かそこまでは考えないかの違いかと思います。
また、既に2023年春の都立高校一般入試で、進学指導重点校では男子の方が
合格者が女子よりも多くなっています。
日比谷高校 25名
八王子東高校 19名
戸山高校 17名
国立高校 10名
立川高校 8名
西高校 6名
青山高校 1名
つまり、既に最難関+それに準ずる都立高校では男子の方が合格者が
多くなっているわけですね。
八王子東が多いのは、日比谷、西、国立からかなり離れていて、周囲に
難関の都立高校が少ないため、八王子近辺の最優秀層の男子が集結してい
るのでしょう。
逆に都立青山が女子と男子の合格者数がほとんど同じなのは、上記で検討
した理由からかと思われます。
●前身が「女子学校」(戦前は女子校)は女子が増える:都立三田、都立神代etc
都立高校には、前身が女子学校(女子校)だった高校がいくつか
あります。これらの学校はいまだに女子に人気が高く、男女別定員が
撤廃されれば、ほぼ確実に女子の比率が高くなるでしょう。
既に「20%の男女合同枠」が設けられて、女子の方が多くなっています。
都立三田高校(旧府立六女)
都立神代高校(旧府立十五高女)
都立鷺宮校(旧実業女学校)
都立富士森高校(旧市立女学校)
です。
●その他の都立高校は学校による
上記した、都立高校御三家(日比谷、西、国立)や前進が女子校
の都立高校以外は、学校によるでしょう。
おそらく極端な影響が出る所はそれほど多くないと思います。
都立高校・男女別定員を全廃・廃止にネットでは?
予想通り都立高校は来春より男女別定員を完全撤廃。実は今春入試すでに20%の緩和枠が設けられ、ほとんどの高校はその範囲内の変動に収まりました。つまり、今春の結果からボーダーが動く心配は基本無用。進学指導重点校7校も変化なし。以下、注意校。… pic.twitter.com/S9AGszfdvw
— 東京高校受験主義 (@tokyokojuken) September 9, 2023
前にも言ったけど、男女別定員廃止には功罪あって、これにより日比谷、西、国立などトップレベルの都立高は男子の割合が女子よりも相当程度高くなることが予想される。それでも男女別定員廃止は時代の要請であり必然。 https://t.co/1UGXggJVMR
— くまえモン🐨 (@cure_kumaemon) September 9, 2023
東京だけに残る性差別が解消
>都道府県立の共学高校で男女別定員が残るのは、全国で東京のみ。同じ高校の入試でも男女で合格ラインが異なり
>男女別定員が原因の不合格者は、女子284人、男子15人都立高の男女別定員、来春入試で撤廃へ 合否ラインの男女差を解消:朝日https://t.co/8RCsY2oQbB
— 斉藤正美 (@msmsaito) September 10, 2023
本当に非道な差別がやっとなくなる。
「都立高の男子の合格者は約600人減ると見込まれる」
→それで良いと思います。OECD各国では、男性より女性の方が平均的な成績が上回るため高等教育進学率が高い。
男性の方が多い異常値が出ていたのは、日韓独のみでしたから。https://t.co/H8GZHGbszg #
— 井田奈穂| Naho Ida (@nana77rey1) September 10, 2023
まとめ
以上、
都立高校・男女別定員を全廃・廃止でどうなる?!日比谷・西・国立とそれ以外で違う?2024年春の入試から!
でした。
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●最難関校は男子が増える:都立日比谷、都立西、都立国立:既に増えています
●準最難関校は男女差それほど変わらず:都立戸山、都立青山、都立立川etc
●前身が「女子学校」(戦前は女子校)は女子が増える:都立三田、都立神代etc
●その他の都立高校は学校による
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(関連記事)