「売買損益問題」の前にまずは「割合」の基本
「売買損益」と聞いて「え?意味不明」と思った方もいるかもしれません。
簡単に言うと、「商売」の「そろばん勘定」の話です。
「いくらで仕入れて」「いくらで売った」「利益はいくら」
という事です。
また「売買損益問題」は割合の基本が分かっていないと解けない
ので、そちらがまだ完璧でないばあいは、下記記事を先に読んで
ください。
1/10=0.1=10%=1割
2/10(1/5)=0.2=20%=2割
3/10=0.3=30%=3割
~~~~~~~~~~~~~
1/2=0.5=50%=5割
1/4=0.25=25%=2割5分
1/5=0.2=20%=2割
(ここまでは「絶対必須」レベルです)
3/4=0.75=75%=7割5分
2/5=0.4=40%=4割
1/8=0.125=12.5%=1割2部5厘
最初は「図」をイメージすると良いと思います。
売買損益問題の用語と基本
●原価(仕入れ値)
●定価:最初につけた値段
原価+見込み利益=原価×(1+利益率)*割合を小数で表した数値
●売り値:実際に売った値段
原価+実際の利益=定価×(1-値引率)
*間違えやすいのは「実際の利益」です。実際に売った値段-原価=実際の利益
(算数は「分かりやすい数字に置き換える」と考えやすいのでやってみましょう)
「100円で仕入れた商品を150円で売ろうとしたけど、売れないので120円で売りました。」
●原価(仕入れ値)→100円
●定価:最初につけた値段→150円
原価+見込み利益=原価×(1+利益率)*割合を小数で表した数値
100円+50円=100×(1+0.5)=150 *利益率の割合は50%なので0.5)
●売り値:実際に売った値段→120円
原価+実際の利益=定価×(1-値引率)
100円+20円=150×(1-0.8)値引率は120/150→4/5 120÷150
売買算の典型パターンは、
「仕入れ値の50%の利益を見込んで定価をつけた商品を売ろうとしたけど、
売れないので定価の20%引きで売ったら利益が20円でした。この商品の
仕入れ値はいくらですか?」
(下記で解説します)
売買損益の解き方・テクニックは仕入れ値を「1」または「100」にする!
目次そのままです。売買損益の問題の解き方は、
(定価等が分からない場合)
●仕入れ値(元にする量)を「1」(または100)にする
「元にする量」は必ずしも「仕入れ値」とは限りませんので、
その点は注意してください。
問題)
「仕入れ値の50%の利益を見込んで定価をつけた商品を売ろうとしたけど、
売れないので定価の20%引きで売ったら利益が20円でした。この商品の
仕入れ値はいくらですか?」
●原価(仕入れ値)→?
●定価:最初につけた値段→?
原価+見込み利益=原価×(1+利益率)*割合を小数で表した数値
●売り値:実際に売った値段→?
原価+実際の利益=定価×(1-値引率)
●利益:20円
●仕入れ値(元にする量)を「1」(または100)にする
問題)
「仕入れ値の50%の利益を見込んで定価をつけた商品を売ろうとしたけど、
売れないので定価の20%引きで売ったら利益が20円でした。この商品の
仕入れ値はいくらですか?」
仕入れ値を100にすると、定価は100×(1+0.5)=150
実際の売り値は150×0.8(20%引きは80%での売り)=120
(もしくは、150-(150×0.2)=120)
利益(20円)=実際の売り値(120)-仕入れ値(100)
(この問題では割合を戻さないでもそのまま答えになりますが、普通は
割合を揃える必要があります)
答え)仕入れ値100円
問題)
仕入れ値2000円の品物に2割の利益を見込んで定価をつけましたが、
売れないので1割引きにしました。売値はいくらになりますか。
「2割増」=1.2倍、120%
定価=2000円×1.2=2400円(暗算でいきましょう!1割が200円ですからね)
売り値は定価2400円の1割引です!1割(10%)は240円です。
2400-240=2160
答え)2160円
問題)
「仕入れ値の50%の利益を見込んで定価をつけた商品を売ろうとしたけど、
売れないので定価の20%引きで売ったら利益が200円でした。この商品の
仕入れ値はいくらですか?」
仕入れ値が分からないので「100」と仮定します。
定価は「100」×1.5=「150」
実際の売り値は「150」×0.8=「120」
実際の利益(200円)は「120」(実際の売り値)-「100」(仕入れ値)=「20」
求めるべきは仕入れ値「100」です。割合「20」が200円ですので、
割合100は200円を5倍すれば良いですね?200×5=1000
あるいは、
原価=200÷20×100=1000
答え)1000円
問題)仕入れ値の30%の利益を見込んで定価をつけた商品を定価の
10%引きで売ったところ、340円の利益が出ました。仕入れ値は
何円ですか?
仕入れ値が分からないので「100」と仮定します。
定価は「100」×1.3=「130」
実際の売り値は「130」×0.9=「117」
(13×9ですばやく計算しましょう)
利益は、(実際の売り値)「117」-(仕入れ値)「100」=「17」
「17」が340円にあたります。
求めるべきは仕入れ値「100」なので、
340÷17×100=2000
答え)2000円
問題)
原価2000円の時計に、25%の利益を見込んで定価をつけました。
しかし売れ残ったので、年末セールの時に10%引きにして売りま
した。利益はいくらになるでしょう。
原価(仕入れ値)が分かっているので、そのまま計算できそうです。
定価=2000×1.25=2500円
実際の売り値=2500×0.9=2250円
利益=2250-2000=250円
答え)250円
なお、「売買損益」の問題は、線分図を書くと分かりやすいのですが、
時間がかかりすぎるので、ある程度は頭の中だけでできるようにして
おくのが良いです。
もちろん線分図を書いて解くのもありです。
売買損益の中学受験問題等
問題)(関東学院六浦中学)
原価1750円の商品に2割の利益を見込んでつけた定価は何円か答えなさい
問題)(専修大学松戸中学)
ある商品の価格を昨年の定価よりも20%値上げして販売しました。
そして、セールの時に2割引で販売したら864円でした。このとき、
昨年の定価は何円か答えなさい。
ここは「基本」なので「難問」は載せませんが、何事も基本が大事
です。まずは基本を完璧にしましょう。
まとめ
売買損益の問題の解き方は、
(定価等が分からない場合)
●仕入れ値(元にする量)を「1」(または100)にする●
これが基本となります。