余りが同じ・割る数と余りの【差】が同じ(割り算)系問題のテクニック!(商と余り②)
これは【割り算】の話です。ポイントは「最小公倍数」です。
余りが同じ・差が同じ(割り算)系問題のテクニック!
余りが同じ:割る数の最小公倍数(の倍数)+余り
割る数と余りの【差】が同じ:割る数の最小公倍数(の倍数)-差
これは感覚的に納得できそうですし、問題をある程度解いていくと体で覚えられる気もします。
余りが同じ:割る数の最小公倍数(の倍数)+余り
問題)4で割っても5で割っても3余る整数を小さい順に3つ答えてください。
余りが同じ:割る数の最小公倍数(の倍数)+余り
モロにそのままこの公式が使えます。
4と5の最小公倍数は20です。
20+3=23
最小公倍数(の倍数)+余り
ですから、
43(40+3)、63〔60+3〕となります。
答え)23、43、63
問題)武蔵中学
42で割っても、56で割っても2余る4けたの整数のうち最も小さい数は□です。
まずは
42で割っても、56で割っても2余る整数
を考えます。
余りが同じ:割る数の最小公倍数(の倍数)+余り
2)42 56
7)21 28
3 4
2×7×3×4=168
168+2=170 が最小の整数ですね。
「168の倍数+2」で増えていくので、
999÷168=5余り159
168×6=1008
1008+2=1010
答え)1010
ちなみに、1010÷42=24余り2、1010÷56=18余り2 OK!!
割る数と余りの【差】が同じ:割る数の最小公倍数(の倍数)-差
こちらは、
「割る数と余りの【差】が同じ」
これを見落とさないようにしないといけません。
問題)6で割ると2余り、8で割ると4余る100に最も近い整数はいくつですか?
こんな感じの問題です。
「どこが『同じ』や!」とならないように。
6-2=4、8-4=4
割る数と余りの【差】が同じ:割る数の最小公倍数(の倍数)-差
2)6 8
3 4
6と8の最小公倍数は2×3×4=24
24-4=20 20が最小の整数。
「24の倍数ー4」で大きくなっていくので、
24×4=96 96-4=92
念のため、24×5=120 120-4=116。92の方が近いですね。
答え〕92
問題)5で割ると2余り、7で割ると4余る最小の整数は?
割る数と余りの「差」が3で同じです。
5×7=35、35-3=32
答え)32
余りも・割る数と余りの差も【同じでない】系の問題:自力で1つ見つける→最小公倍数
余りも・割る数と余りの差も【同じでない】系の問題があります。
その場合、以下のように解いてください。
①自力で1つ目を見つける
②一つ目の数字に、割る数の最小公倍数(の倍数)を足していく
式:自力の数字+割る数の最小公倍数×必要な数字
実際に問題を解くのが一番理解が速いでしょう。
問題)4で割ると3余り、7で割ると2余る整数のうち、2番目に小さな整数は?
まず「余りが同じでない」「割る数と余りの差も同じでない」ので、
①自力で1つ目を見つける
②一つ目の数字に、割る数の最小公倍数(の倍数)を足していく
式:自力の数字+割る数の最小公倍数×必要な数字
これでいきます。「割る数×整数+余り」で書き出します。
「4で割ると3余る」→3、7、11、15、19、23、27~~~
「7で割ると2余る」→2、9、16、23、30
(「0」から始めるように!なので最初は余りの数字である3と2です)
4で割ると3余り、7で割ると2余る整数
で一番小さいのは、23ですね。
その後は、4と7の最小公倍数である28ごとに「4で割ると3余り、
7で割ると2余る整数」が出てきます。
②一つ目の数字に、割る数の最小公倍数(の倍数)を足していく
式:自力の数字+割る数の最小公倍数×必要な数字
23+28×1=51、23+28×2=79
順番としては、23、51、79
求めるのは2番目に小さい整数なので、
答え)51
問題)7で割ると3余り、4で割ると1余る、400に最も近い数は?
「余りが同じでない」「割る数と余りの差も同じでない」
①自力で1つ目を見つける
②一つ目の数字に、割る数の最小公倍数(の倍数)を足していく
式:自力の数字+割る数の最小公倍数×必要な数字
1)7で割ると3余る→3、10、17、24、31
2)4で割ると1余る→1、5、9、13、17、21
3)「7で割ると3余り、4で割ると1余る」一番小さい整数は17
4)以降は7と4の最小公倍数28ごとに「7で割ると3余り、4で割ると1余る」が出てくる
5)17+28×0、17+28×1~~~~~~~~大変です
6)400÷28=14余り8、28×14=392、392+17=409
答え)409
「差」は17なので大丈夫ですが、こういう時は念のため、前の
数字も確認しましょう。28×13=364、364+17=381、409の方が400に近いですね。
商と余りの中学入試問題等
問題)巣鴨中学
100から1000までの整数の中で、5で割ると3余り、7で割ると4余る数は何個ありますか?
●余り同じでない! ●割る数と余りの差が同じでない!
1〕自力で一つ目!
5で割ると3余り→3、8、13、18、23、28、33
7で割ると4余り→4、11、18、25
2)以降は5と7の最小公倍数35の倍数ごとに出てくる
式:18+35×適当な数字
「100から1000までの整数の中」なので、
1000÷35=28余り20 35×28=980、980+18=998
「適当な数字」の最大は28
1000までの整数の中に、5で割ると3余り、7で割ると4余る数は
1+28=29個ある。「適当な数字」に0を入れた場合の18を忘れないように!
100未満には、
18、18+35=53、18+35×2=88、3つある。
よって、29-3=26
答え)26個
問題)浅野中学
3で割ると2余り、4で割ると2余り、5で割ると2余るような7の倍数の
中で小さい方から2番目の数は?
「余りが同じ」ですね。
余りが同じ:割る数の最小公倍数(の倍数)+余り
1)3、4、5の最小公倍数は60、60+2=62が最も小さい
2)以後は、「60の倍数+2」ごとに出てくる。
62、122、182、242、302、362
182は7の倍数ですが、それ以外が7の倍数ありませんね、やっかいですね・・・。
増えるのは60ずつだな・・・・
「60の倍数と7」~~~~~~最小公倍数で良いんじゃね?
420なので、182+420=602 602÷7=86 ビンゴ!
答え)602
時間があれば自力でもできます。
1の位が2になる7の倍数は必ず1の位が6です。
7×6=42、7×16=112、7×26=182、7×36=252、
7×46=322、7×56=392、7×66=462~~~~~~
7×86=602
全部、「60の倍数+2」とあうかどうか考えるのはきついので、
この種の問題(「~を割る」)は、「最小公倍数」じゃね?
という意識をもちましょう。ちなみに「~で割る」系は最小公約数じゃね?
でいけることが多いです。
まとめ
余りが同じ:割る数の最小公倍数(の倍数)+余り
割る数と余りの【差】が同じ:割る数の最小公倍数(の倍数)-差
①自力で1つ目を見つける
②一つ目の数字に、割る数の最小公倍数(の倍数)を足していく
式:自力の数字+割る数の最小公倍数×必要な数字
「最小公倍数」じゃね?
この意識を持ちましょ。
余りが同じ・割る数と余りの【差】が同じ(割り算)系問題のテクニック!(商と余り②)