日本の主な原子力発電所+再稼働等の最新状況―中学受験+塾なしの勉強法

原発(原子力発電所)は地理、時事問題など、中学入試の社会では必須です。

ふだん、ワイらが何気なく使っている電気は、火力・水力・太陽光、

そして原子力などを利用して発電されています。原子力を使った発電が

原子力発電で、それを行っている場所が原子力発電所【原発】です。

図1

日本で使用した電力の発電方法の割合です(2019年)。

火力(石炭・LNG・石油)が75%、原子力は6.5%ですね。

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福島第一原発事故:2011年3月11日東日本大震災で起きた爆発事故。

         世界最悪の放射能汚染事故。

         福島第一原子力発電所は福島県大熊町、双葉町にある。

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●中学受験の社会に出る原発のポイント!●

1)主要な地域:福島県と福井県

2)重要な原発の名前と場所

3)原発の利点と問題点:クリーンエネルギー/「核のゴミ」問題

4)再稼動や運転差し止めなど、原発を巡る最新情報(時事問題)

原発の問題は、簡単に言うと、

「すげ~~便利で、電気も作りやすいし、火力発電のように二酸化炭素も出さない(さら

には儲かる!)けど、事故があったら大変危険で、超危険な「核のゴミ」の処理問題も決着してない」

という二律背反(良い事と悪い事が同時に存在する)の点をどう考えるかという事になります。

日本の主な原子力発電所

1)原発の主要な地域

原発は大量の冷却水が必要なため、海岸沿いに建てられています

2011年の「3.11」で有名な「福島第一原発」がある福島県

あるいは、日本海側では、福井県の若狭湾(敦賀原発、美浜原発、大飯(おおい)原発、高浜原発)

に集中しています(福井県には1995年に事故を起こした高速増殖炉「もんじゅ」もあります)。

若狭湾 原発の地図

 

2)重要な原発の名前と場所

福島第一原発事故:2011年3月11日東日本大震災で起きた爆発事故

東海原発(茨城県):(名前は「東海」ですが)茨城県にあります(東京に近い)

浜岡原発(静岡県):地震の心配がされています

伊方原発(いかた/愛媛県):四国唯一の原発。

川内原発(せんだい/鹿児島県):読み方(せんだい)と場所(鹿児島県)。稼働中。

女川原発(おながわ/宮城県):読み方(おながわ)と場所(宮城県)

東通原発(ひがしどおり/青森県):読み方(ひがしどおり)と場所(青森県)

玄海原発(佐賀県):2021年現在稼働中

なお、2011年3月11日の東日本大震災→福島第一原発の事故の影響で、日本の

原発は多くが稼動を停止しています。

2021年現在、稼働中の原発は、

●大飯(おおい)原発(福井県)

●玄海原発(佐賀県)

●川内原発(鹿児島県)

他は再稼動準備中や検査中や停止中で稼動していません。

3)原発の利点(メリット)と問題点(デメリット)

原発の利点(メリット)

・安定した電力供給が可能

・発電時に地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を排出しない(火力発電は逆)

・経済性が高い(これがでかいといえばでかい。要するに儲かる)

 

原発の問題点(デメリット)

・重大事故は周辺環境に多大な被害を与え、その影響は地球規模に及ぶ

・放射性物質である核廃棄物を作り出す:「核のゴミ問題」

高レベル放射性廃棄物の最終処分地が決定していない

・(ウランの)資源がそれほど豊富なわけではない

・地質学的側面から、立地場所が限定される

 

事件・事故があった場合に危険+核廃棄物の処理が非常に難しく、最終処分場が

決定していないという問題があります。

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【「核のゴミ」問題】

原子力発電所で使い終わった燃料のうち、5%の廃液【核のゴミ】を

固めたものを高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)と呼びます。

燃料再利用の図

核のごみがやっかいなのは、放射線が極めて強いことです。

この核のごみ、すでに青森県六ヶ所村と茨城県東海村の施設にあわせておよそ

2500本がたまっています。

国は、この核のゴミを300メートルよりも深い地下に埋めるとしています。

理由は、核のごみから出る極めて強い放射線にあります。天然のウランと

同じくらいの線量に下がるまでかかる時間は、なんと“数万年”とされています。

「核のゴミ問題」

高レベル放射性廃棄物の最終処分地が決定していない

要するに「ゴミ箱がないのにゴミをどんどん出し続けている」イメージです。

 

また、東京や大阪といった大都市に電力を供給しているのは、福島や福井といっ

た貧しい地方という現実があります。

 

原発を巡る最新状況(時事問題)

*最新状況はそれこそコロコロ変わるので注意が必要です。

2021年3月時点で再稼働した原発は大飯(関西電力)、高浜(関西電力)、

玄海(九州電力)、川内(九州電力)、伊方(四国電力)の5発電所の9基

2021年3月現在、日本の原子力発電は

●大飯(おおい)原発(福井県)

●玄海原発(佐賀県)

●川内原発(鹿児島県)

●高浜原発(福井県)

●伊方原発(愛媛県)

以外は稼動していません。

(2021年4月に福井県が、高浜原発と美浜原発の再稼働に同意したので、再稼働するでしょう)

電力会社は再稼動のために、運転差し止めを求める住民との間で

裁判などをしています。

★東海第二原発(茨城県)2021年3月:運転差し止めの判決(水戸地裁)

→日本原子力発電は東京高裁に控訴の予定

★伊方原発(愛媛県)2020年1月に運転差し止め(地裁)→2021年3月差し止め取消し(高裁)

★福井県の高浜原発+美浜原発が再稼働へ福井県知事が同意(2021年4月)

2021年4月29日(木)朝日新聞朝刊より