2020年~2021年となかなかおさまらない「新型コロナウイルス」(COVID-19)ですが、

中学受験の【社会】では当然、時事問題・入試問題として関連事項が多数出題されて

います。

この記事では、「人類と感染症の歴史」をまとめていますので、知っておきましょう。

その前に、「細菌とウイルスの違い」の違いについて。

★「細菌」は生物、「ウイルス」は生物とは言い切れない(②代謝をしないから)

(生物の定義:①体が膜で仕切られる②代謝を行う③子孫を残す)

★大きさは、細菌がヒトの細胞の10分の一程度、ウイルスはヒトの細胞の100~1000分の1程度

★細菌には「抗生物質」が効く。ウイルスはワクチンが効く

 

人類と感染症:ペスト(黒死病)・コレラ・黄熱病・天然痘・スペイン風邪

人類と感染症:ペスト(黒死病)・コレラ・黄熱病・天然痘・スペイン風邪

ペスト(黒死病):ヨーロッパの歴史に影響大。「中世を終わらせた」

【ペスト(黒死病)】:

●病原体:ペスト菌(細菌)

●経路:ノミ→ネズミ→人

●症状:高熱、頭痛、錯乱、「黒い斑点」

●影響:ペストは「中世」を終わらせた。14世紀頃のヨーロッパに影響甚大。

    ニュートン、宗教改革、農奴制崩壊、ユダヤ人迫害、ハーメルン、ブドウ(ワイン)

●対策:抗生物質、ワクチンなし

●現在:年間約2000人の患者

 

コレラ:19世紀世界で6回のパンデミック(感染爆発)

【コレラ】

●病原体:ビブリオ・コレラ(細菌)

●経路:(便で汚染された水)、食物

●症状:下痢、嘔吐

●影響:19世紀中に世界で6回パンデミック(感染爆発)

●対策:塩素消毒、経口ワクチン

●現在:アジア、中近東、中南米で年140~430万人の患者。2~4万人の死者

 

黄熱病:野口英世

【黄熱病:野口英世で有名】

●病原体:黄熱ウイルス

●経路:蚊(アフリカ、中南米のサルと蚊→ヒト→奴隷船)

●症状:発熱→【黄疸】・出血→20~50%で死亡

●影響:野口英世(1876~1928)の研究で知られる

●対策:蚊の駆除、1930年代ワクチン、1940年代DDT

●現在:特効薬なし。年間20万人の患者、3万人の死者

 

天然痘:唯一、人類が根絶した感染症

【天然痘】

●病原体:天然痘ウイルス

●経路:口、鼻→リンパ節→血→臓器

●症状:高熱と発疹

●影響:奈良の大仏(藤原四子全員死亡)、アステカ文明崩壊

●対策:ワクチン

●現在:根絶

 

スペイン風邪:1918~1920大流行したインフルエンザ

新型コロナウイルスともよく比較される「スペイン風邪」ですが、以下のようなものです。

★1918年~1920年世界的に流行

★死者1700万人~5000万人

★感染者5億人(当時の世界の人口は約18億人)

★名前の由来は、初期にスペインから感染拡大したからとも

★徴兵できる成人男子が減ったので第一次大戦(1914~18)終結が早まったとも言われる