中学受験の偏差値についてこの2点を知っておきましょう!―「中学受験+塾なし」の勉強法!

出典:『二月の勝者』2巻より

「偏差値」これをめぐって右往左往することになるのが、受験生やその保護者

という事になるのですが、そもそも「偏差値」、特に「中学受験の偏差値」に

ついてきちんと確認をした方が良いかと思います。

正確に理解をする事で、無駄に一喜一憂することもなくなり、受験産業からの

「煽り(あおり)」への耐性もつくかもしれません。

 

中学受験の偏差値についてこの2点を知っておきましょう!

1 (高校受験より)中学受験の偏差値は低く出る!(中受偏差値50→高校受験偏差値60以上)

2 塾によって偏差値が全然違う(高く出る順:首都圏摸試>日能研・四谷大塚>サピックス)

*結論:一口に【偏差値】と言っても内容・詳細が分からないと判断できない

詳細は以下で解説します。

 

そもそも「偏差値」とは?

偏差値は、試験の得点が受験者全体の中でどれだけ高いかを示す値です。

平均点50点の試験で自分の得点が50点なら、偏差値50です。

偏差値40や偏差値60は、それぞれ平均点よりも低い、高いという事を

示しますが、受験者全体の得点分布により細部は異なります。

繰り返しになりますが、偏差値とは、その試験で自分がどの程度の位置

にいるかを示すものです。

そうすると賢い小学生なら気づくかと思いますが、

★誰が同じ試験を受けているかで偏差値はかなり変わります★

例えば、「東大の合格者での偏差値50」と「代ゼミの模試での偏差値50」では

全然違います。そうですよね?

また、東大の合格者であっても、東京外国語大学の英米科の合格者と「英語の

偏差値」を比べたら「偏差値40」になる事もありえるわけです。

つまり「偏差値」というのは、あくまでも相対的なもの

(試験や受験者によってかなり変わりうる)だという事を理解しましょう。

そうすると一口に「偏差値が高い」「ワイは偏差値65や!」というのは

あまり意味がなく、より正確に「どういった試験でその偏差値だったのか」

がポイントになります。

偏差値0や偏差値100はありえるのか?

偏差値0や偏差値100は、理屈としてはありえます。

偏差値は、通常25-75の範囲になりますが、計算上は偏差値100以上や、0を

下回りマイナスになる場合もあります。

例えば、受験者100人のテストで、99人が0点、1人だけが100点をとった場合、

0点の人の偏差値は-49、100点を取った人の偏差値は149.5となります。

ただ、それは中学受験の各種偏差値としてはあまり現実的ではないですよね?

その上で、「中学受験の偏差値について」まとめます。

 

中学受験の偏差値について

出典:『二月の勝者』2巻より

★中学受験は母数が少ないので、高校、大学受験より偏差値は低く出ます

★受験層が違うので、模擬試験も塾によって偏差値はかなり違います

(高く出る順:首都圏摸試>日能研・四谷大塚>サピックス(SAPIX))

 

高校、大学受験より偏差値は低く出ます

高校受験は同年代の9割以上(97%位)が受験しますが、全体からすると、

中学受験をするのは2割くらいです(都内の話です。全国に直すと6%くらい)。

中学受験をする首都圏の2割の小学生は、傾向としてはやはり、学校でも勉強が

できる層になりますので、同学年の中ではハイレベルな争いとなります。

ですので、(相対的な存在である偏差値は)高校受験に比べて、

ざっくりと10~20くらい低く出ます

「中学受験の偏差値50:高校受験の偏差値60以上」くらいでしょうか。

ですので、中学受験で偏差値50は、公立の小学校に通っている

としたら、学校内ではかなり上位になる可能性が高いです。

偏差値40であっても、全体の中では平均よりは上でしょう。

また、中学受験の有名塾がいくつかありますが、塾によって、模擬試験

の偏差値がかなり違う事も知っておいた方が良いでしょう。

 

中学受験は模試も塾によって偏差値はかなり違う

中学受験用の有名塾としては、

●四谷大塚、日能研、サピックス(SAPIX)●

などがあります。個々に偏差値の出る模擬試験を実施しています。

また、「首都圏模試」というものもあります。

これらの模擬試験は、同じ小学6年生が同時期に受けたとしても、

かなり偏差値に違いが出ます。

理由は、受験する層が違うからです。

★サピックス(SAPIX):難関中学向け。偏差値低く出る(高く出ない)

★四谷大塚・日能研:幅広い受験者。中学受験偏差値の基準となっている

★首都圏模試:難関層は受けない人も。偏差値高く出る。

(高く出る順:首都圏模試>日能研・四谷大塚>サピックス(SAPIX))

出典:https://aswg-tutor.hatenablog.com/entry/2019/04/12/182612

例えば、同じ子が受けたとしても、

サピックス偏差値51、四谷大塚偏差値59、首都圏模試偏差値71

となったりします。

ですので、中学受験の模試はある程度の使い分けが必要となります。

いわゆる中学受験『御三家』などを目指す場合は、

サピックスの模試が必須でしょう。逆に、(四谷大塚の偏差値45以下くらいの)

難易度が高くない私立中学を目指す場合は、首都圏模試を受けた方がいい

という事になります。

中学受験の世界では、四谷大塚の偏差値を基準にすることが多いようです。

このブログでも、断りなく「偏差値~」という表現が出てきた場合、

四谷大塚の偏差値と考えて頂いて構いません。

 

まとめ

以上、中学受験の偏差値についてまとめました。

1 (高校受験より)中学受験の偏差値は低く出る!(中受偏差値50→高校受験偏差値60以上)

2 塾によって偏差値が全然違う(高く出る順:首都圏模試>日能研・四谷大塚>サピックス)

*結論:一口に【偏差値】と言っても内容・詳細が分からないと判断できない

数字に一喜一憂することなく、「偏差値」という現実の正確な理解

につなげましょう。

また、非常に大事なのは、適切な努力を積み重ねると偏差値は

必ず上がるという事実です。なぜなら、適切な努力を積み重ねられる人は

いつの時代も少数だからです。そうすると『相対的な存在』である偏差値

は適切な努力の積み重ねによって上がるという事になりますよね?