中学受験で子供が自ら走り切る自走はできるのか?
先に結論を書きます。
・子供だけの中受の自走(独学)は99.9%ムリ!
・塾や親が方向性を示してやらせないとできない
中学受験で自走はできるのか?中受・自走はできない?
・子供だけの中受の自走(独学)は99.9%ムリ!
99.9%なので、完全独学できる子は1000人に一人くらいでしょう。
ほとんどの子が中学受験のために「塾」に通うのは非常に合理的です。
うちの場合は、諸条件が揃っていて、たまたま僕が教える事ができた
ため、「塾なし+中学受験」をしましたが、「実質は家庭教師が毎日いる」
みたいな形なので、「中受+自走」ではありません。
僕が会社員のままだったら普通に塾に行かせたと思います。
理由は、
・子供だけの中受の自走(独学)は99.9%ムリ!
だからです。
そもそも、10歳~12歳くらいの子供が中学受験を(完全に)自走すると
したら何が求められるか考えてみましょう。
・すべて自分で
・やるべき事を把握して(中受の範囲)
・必要なテキストをそろえ
・適度な負荷をかけ
・一つ一つクリアしていき
・求められる学力を伸ばし
・自分の偏差値を把握し
・適切に軌道修正をし
・6年生の1月~2月に志望校の過去問の合格最低点をクリアする
これを完全自走でできるでしょうか?
仮にそこ(中受の自走)を目指すとしたら、それは正直、合理的
ではありません。
中学受験の小学生に限った事ではありませんが、高校受験でも大学受験でも、
なかなか成績(偏差値)が伸びない子の共通点は、
●何をしていいか分からない(勉強の仕方が分からない)●
という根本的な部分である事が多いです。
本来それ(勉強のやり方)を教えるのは(公立の)小学校、中学校
で良いのですが、ご存じのように、それは…ムリですよね?
だから、ほとんどの家庭が、中学受験をする場合、塾に通わせて、
受験勉強のやり方を学ぶという選択をしています。
合理的だと思います。
もちろん、中には、上記したような事をある程度自分でやれる子も
いるかもしれませんが、それは本当に1000人に一人とかそういう
レベルになります。
そういう子は、鍛えれば御三家に楽に入れるようになるのですが、
鍛えないで自走だけだとそこまで行かない事が多いです。
こういう言い方はあれですが、地方都市などで、親にその種の意識がなく、
環境を全く与えられずに埋もれている優秀層というのは、今でも
けっこうたくさんいると思っています。
才能があっても鍛えないとある一定レベル以上にはなかなかいきません。
それは自走では難しいです。
・子供だけの中受の自走(独学)は99.9%ムリ!
というのが僕の結論になります。
・塾や親が方向性を示してやらせないとできない
「中学受験+自走」というのをもう少し緩く考えて、
【完全独学ではなく、塾や親が指導はするけど、ペースは子供に任せる】
位で考えた場合はどうでしょう?
これも僕の考えは
・子供だけの中受の自走(独学)は99.9%ムリ!
です。
例えば、「ここからここまでの範囲を今月中にやっておいて」という
ゆるい指定をして、あとは「子供の自主性」に任せるというスタイルの
場合、ほぼほぼうまくは行きません。
特に中学受験の場合、相手は小学生なので、基本は「ケツをたたいてやらせる」
事が必要になります(特に男子)。
とはいえ、子供が全くやる気がないのに無理やりやらせても意味がない
というジレンマがあり、多くの(特にお母さん)親を悩ませるわけですね…。
「馬を水辺に連れて行けても水を飲ますことはできない」
“You can take a horse to the water, but you can't make him drink.”
というやつですね。水辺に連れて行ってもやる気がない子はないです。
やらない子はやりません。
それが現実です。
「中学受験は2月1日に志望校の受験会場までいければ成功」
などと言われる事がよくありますが、本当にそうだと思います。
そこまでやり切れて、戦いに臨めたのであればそれは成功でしょう。
では、水辺に連れて行って実際に水を飲んでもらうために何をすれば
良いのでしょうか?
理想的な形としては、うまくスケジュールを組みながら、ガス抜きもさせつつ、
少しずつハードルを上げていき、勉強ができるようにしてあげる、それによって
自信をつけ、さらにできるようになりたいと思わせる、という流れです。
抽象的に言えば、ゆるい強制をして、勉強を習慣化させて、できる面白さを
味わわせて、さらにできるようにしていくという事になります。
よく言われる「中学受験は親が9割」ではないですが、親のサポートは100%
必須です。自走を相当補助してあげる必要があります。
(関連記事)
中学受験では親は「セコンド」の役割をしないといけない3つの理由とは?
中学受験における親や塾は、うまく方向性を示してあげるのが仕事です。
「中学受験の自走」という発想は最初から捨てましょう。
中受を始めるには、親の覚悟も必要です。
お金と自分のエネルギー・時間をかけるという覚悟ですね。
僕の知る限り、親がエネルギーと時間をかければかけただけ、子供の
学力の伸びと結果としての(言い方はあれですが、偏差値の高い中学への)
合格確率は上がります。
身も蓋もない話ですが、お金も同じです。かければかけただけという形に
なっているのが現実です。
ただし、何も考えずに課金をするという事ではありません、繰り返しになりますが、
中学受験における親や塾は、うまく方向性を示してあげるのが仕事です。
自分の子供がいまどういう状態、立ち位置にいて、どっちにどのように向かう
べきかを常に考えないといけません。
もちろん、「高い金払ってるんだから、それは塾に丸投げ」という方も多いです。
それでうまくいく例もありますが、確塾と親、両方が必死になる方が難関校に
合格する確率は上がります。
さてに、親が勉強以外の部分をサポートすればするほど、子供は勉強に集中
できます。
ただ「死ぬ気でやれ」というだけであれば、簡単ですが、既に書いたように、
上手く水辺に連れて行き、うまく水を飲ませるというスタイルで接する
必要があります。
まとめ
以上、
中学受験で自走はできるのか?中受・自走はできない?
でした。
・子供だけの中受の自走(独学)は99.9%ムリ!
・塾や親が方向性を示してやらせないとできない
僕は自信を持って↑↑のように言えます。
「自走」するために、ずっと下で自転車を支え続けるくらいの
気持ちが必要でしょう。
もちろん、子育てという長い目で見たら、
自走(独立)できるようにする(なる)のが一つのゴールかと
(僕は)思います。だからこそ、いつかの自立・自走・独立の
中学受験と考えた場合は、できる限り、あらん限りのサポートを
してあげるべきです。
そんな機会はもうないかもしれませんしね。
僕は娘の中学受験でできる限りあらん限りのサポートをしてあげて、
本当に良かったと思っています。
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