「子供を公立中学に通わせたくない」―マイルドヤンキー編

先日、6年生のお子さんが中学受験をするという方の話を聞きました。

なるほどと思ったので、ブログの記事にします。

 

「子供を公立中学に通わせたくない」―マイルドヤンキー編

その方が、お子さんに中学受験をさせようと思った理由は、

●地元の公立中学に通わせたくない●

という点が大きいとの事でした。

 

この「子供を地元の公立中学に通わせたくない」という理由は、中学受験では、

非常によくあるものなので、驚かなかったのですが、その詳細に「なるほどな~」

と思いました。

 

一般的には「子供を公立中学に通わせたくない」理由は、

●地元の公立中学が荒れている

●いじめがある

といった積極的なマイナス要因であることが多いです。

 

しかし、今回話を聞いた方は、もう少しマイルドな理由でした。

地元の公立中学が荒れているわけではなく、いま通っている公立小学校で

いじめがあるわけでもないとの事でした。

 

むしろ逆で、中学受験をしない一部の児童と保護者に、

「地元ラブ!」

「好きな言葉は絆!」

「行動範囲は半径5km!」

といった雰囲気の方たちがいて、変に仲間意識を持たされるのが怖い

と言っていました。

 

つまり、何も考えずに、そのまま地元の公立中学に行った場合、

そういった環境にどっぷりつかる可能性が極めて高い

という不安になります。

 

もちろん、小学校以来の「仲間」と「絆」を深めてというのは一般的には

悪い事ではないでしょうが、その方曰く、

「そのコミュニティには外に向かった向上心が一切ない」

との事でした。排他的で仲間内に閉じた関係性が強く、そこから出る事を

よしとしない雰囲気があるらしいです。

何か分かりますね。

たまに使われますが、「マイルドヤンキー」という分類でしょうか。

 

マイルドヤンキーのコミュニティでは、そこでしか通じない「慣習」や

「決まり事」があり、排他的で外との接触を図りたがらないという

性質がありそうです。

もちろん進学に関しても、ほぼ成り行き任せで、

「地元の公立高校(難関にはほとんどいけない)」

というのが多数派で、ほとんど受験勉強をしないというケースも多く

ありそうです。

 

仮に地元の公立中学でその種の環境にどっぷりつかると、そこから抜け出て、

高校受験で飛躍するというのはなかなか難しくなるのは分かりますね・・・。

 

今回お話を聞いた方の懸念も全く同じで、

「このまま地元の公立中学に行った場合、ある意味子供の居心地は良い

のかもしれないが、『その後』が怖い」

という事でした。

 

往々にして、その種のコミュニティーで「ボス」を気取る人たちは、

排外的です。そして、身内には、「自分のコミュニティー絶対」を

半ば強制する事も多々ありそうです。

 

そういった空気感の所にいて、

「よし、高校受験で慶応の附属!早稲田の附属!に行くぞ」

「あいつらは勉強しないけど、ワイは公立のトップを目指すぞ!」

というのは、学力だけでなく相当な胆力が必要になります。

 

そもそも、現在は、高校から受験できる難関校がかなり減っているので

なおさらです。御三家に限ると、高校から受けられるのは開成だけです。

それもいつまで続くか分かりませんしね。

 

自分の子供に、「より良い環境を」と考える保護者が、

「地元ラブ!」

「好きな言葉は絆!」

「行動範囲は半径5km!」

こういった世界観を嫌悪し、中学受験をさせるというのはわからなくも

ないですね・・・。

 

都心の一部はそうでもないかもしれませんが、それ以外の都内や、千葉、埼玉、

神奈川などには、大量の「マイルドヤンキー」がいそうですしね。

 

もちろん、

「地元ラブ!」

「好きな言葉は絆!」

「行動範囲は半径5km!」

が悪いわけではなく、その中で幸せに暮らしている人たちも大勢

いるはずですので、あくまでも「捉え方」「見方」の話である事

が前提になります。