
上の子が中学受験で全勝した後、小学生の保護者の方からよく聞かれるのが
「中学受験の勉強はいつから始めた?」
「下の子も?」
の二点です。
その答えとして、
「小4の11月頃からです」
「下の子(新小3)は学校以外まだ勉強0」
と言うと想像と違うようで驚かれます。
みなさん「小1くらいから毎日勉強してる」と思っているようです。
うちの子以外も含めて、中学受験をしたたくさんの小学生を見まし
た。成功した子はみんな「小1くらいから毎日勉強してる」(中学受験を
始める時期は早い方が良い)という幻想があるようですが、
【そんな事はありません】
中学受験の勉強は、始めるのが早ければ早いほどいいとは一概に言えません。
例えば、小2で「漢字博士」だった子が小6で、中受すらできない状態
になっていたという事は頻繁にあります。
ポイントは「適切な時期に適切な負荷を与える」事です。
中学受験を始める時期は早い方が良いか?
★中学受験を始める時期は早い方が良いか?★
・早すぎても意味はない→相手は子供(人間)なので
・ただし、慣らしておくことは大事(完全「0」は小2まで)
・やる気、興味があるなら早めに負荷をかけても可
・小3、小4で勉強に慣れて、小5、小6で「中学受験」
以上が結論です。
(関連記事)
・早すぎても意味はない→相手は子供(人間)なので
中学受験の勉強を早く始めすぎて、逆にまったく伸びなかったという
パターンがあります。
具体的には小1くらいからサピックスにいれ、同時に公文やらなにやら
をやり、とにかく「毎日習い事で埋めて」といった感じです。
このパターンで続かないのは、基本的には子供が嫌々やっている
からです。
週1~2くらいなら何とかやれるかもしれませんが、まだ幼児性の
残る小1~小2で「やりたくもない事を学校以外にほぼ毎日やる」
のは現実的に難しいでしょう。
相手は人間(子供)なので、その時々にどの程度のキャパがその子
にあるのかを見極めてあげるのが大事だと思います。
・ただし、慣らしておくことは大事(完全「0」は小2まで)
「『受験勉強』を始めるのは早すぎても意味がない」
と書きましたが、では、いつまで「放置」で良いのかという問題が
あります。基本的には低学年(小2)までは放置でも、その後いくら
でも挽回可能だと思います。
ただし、逆に、小5の秋に、急に「中学受験を始める!」となっても、
それまでの慣らし運転が0の場合は、
実質1年間ですと、私立中学・国立中学のように、一定の「知識量」を
前提とする受験の場合、ある一定レベル以上は難しいでしょう。
(数字的には四谷大塚偏差値で55以上)
ですので、個人的には、
中学年(3年生~4年生)である程度、勉強に慣らしておくことは
大事だと思います。
3年生:勉強する習慣をつける(「勉強する事」に慣れる)
4年生:基本を確実にできるようにする+「勉強」に慣れる
この流れですね。
ここでいう「基本」は、
「読み・書き・そろばん」
です。それこそ、算数なら「100マス計算」なんかが良いかもし
れません。国語の場合は、「読むことに慣れる」ために、色々な
文章に触れておくというのが意外と大事です。
学校以外でも、少しだけでも良いので、勉強する習慣が大事です。
例えば、同じ四則演算でも、正確に速くできるのと、ゆっくりで
ところどころ間違えるのでは、「その後」伸びていくスピードが
全然違います。
うちでも、2023年4月から新小3の下の子は、もちろん「塾なし」ですが、
本当にちょびっとずつ、勉強というものに慣らしていく方向でやっています。
早すぎてもダメ、遅すぎてもダメ、とかく中受は難しい
ですね…。
・やる気があるなら早めに負荷をかけても可
小学校低学年に早すぎる負荷は良くない理由は、
「嫌な事を無理やりやらせるには早すぎる」
からです。
とはいえ、仮に小学校1年生や2年生の子が、本が好きだったり、
数字が好きだったり、昆虫が好きだったりした場合、つまり、
自分から積極的に何かを知りたがった場合は話は別です。
ドンドン情報を与えて、先取り先取りでガンガンやって良いと
思います。
もちろん、子供の興味はすぐに移り変わるので、結果として、何も
残らなかったという可能性もありますが、逆に好きなままずっといく
可能性もあります。
その際に大事なのは、きちんとした内容のものを与える事です。
おススメは、例えば理科なら、小学館の図鑑シリーズです。
それ以外には、「マンガで分かる!10歳までに~」のシリーズも
役に立ちます。
ただし、低学年の場合、些末な「差」をつける受験勉強は不要なので、
興味の対象の基本を正確に知っていく事に注力するべきでしょう。
いずにれせよ、本人が興味・やる気を持つのであれば、どんなに小さくて
低年齢でもドンドン「教材」は与えて良いと思います。
ただし、1週間で飽きて読まなくなる前提でやりましょう。そうでないと
すぐにやめた場合のショックが大きいですから…。
・小3、小4で勉強に慣れて、小5、小6で「中学受験」
小3から徐々に勉強に慣れていき、小4くらいからある程度、体系的に
仕組みを知っていき、小5からガチの受験勉強を始める。この
流れで十分だと僕は思います。
よく「新小4から中学受験の塾に入れて」といった話を聞きます。
もちろん、3年間フルスロットルの全開で走り切れれば良いですが、
大人でも難しくないですか?
僕の感覚では、本当の本気でやれるのは、小学生の場合、1年でも立派です。
実際、一年間「ガチガチガチガチガチ」くらいやればかなり違います。
ですが、最初にも言ったように相手は人間・子供です。
潰れてしまっては元も子もありません。
詳細は下記の記事をどうぞ。
(関連記事)
まとめ
★中学受験を始める時期は早い方が良いか?★
・早すぎても意味はない→相手は子供(人間)なので
・ただし、慣らしておくことは大事(完全「0」は小2まで)
・やる気があるなら早めに負荷をかけても可
・小3、小4で勉強に慣れて、小5、小6で「中学受験」
冷静に考えると、親にとってはなかなか難しいミッションですね…。
(関連記事)