そもそも「第一次産業」「第二次産業」「第三次産業」とは?
| 第一次産業 | 農業・林業・漁業 | 自然のめぐみをそのまま使ってはたらく仕事 |
| 第二次産業 | 自動車工場など | 材料を使って、新しい物を作る仕事 |
| 第三次産業 | お店(スーパーなど) | サービス業 |
3つの流れは
自然(第一次産業)→ 工場(第二次産業) → 人の生活を助けるサービス(第三次産業)
というイメージです。
「産業」の具体例
ハンバーガーができるまでで考えると…
-
第一次産業
→ 牛を育てる、レタスを育てる、小麦を育てる
(材料を手に入れる人) -
第二次産業
→ パンを作る、肉を加工する、ハンバーガーを組み立てる
(材料から商品を作る人) -
第三次産業
→ お店でハンバーガーを売る、配達する
(商品をお客さんに届ける人)
では、「中学受験のために第一次産業について学ぶ」というのは
どういう事かを以下で説明します。
第一次産業:農業、畜産・林業、漁業の具体的な内容
農業:米、野菜、果物、穀物
米の特徴
日本の米の自給率は90%台後半ととても高い

もともとは、高温多雨の所で作られるが、品種改良の結果、北海道や
東北、北陸でも作られるようになった。今はその辺りがメイン。
米(稲作)と冷害:やませ・濃霧
冷害(夏に気温が上がらない)は稲(米)の天敵です。

根釧台地の濃霧や、初夏に東北地方の太平洋側に吹く、北東の風、やませが
有名です。だから、根釧台地では稲作があまり行われず、酪農が盛んです。
米作りの流れ
(参考記事)
米作りについて:「田起こし」「代(しろ)かき」「田植え」「中干し(なかぼし)」「稲刈り・脱穀」
【米作りの流れ:種まき→収穫→出荷】
稲作の作業手順の専門用語をしっかり理解しましょう。
【「田起こし」「代(しろ)かき」「田植え」「中干し(なかぼし)」「稲刈り・脱穀」】
順番は語呂合わせで「田代田中」(「田(起こし)代(ろかき)・田(植え)中(干し)」)
でいけるでしょう。
1 田起こし:(4月~5月)土にたい肥や肥料を混ぜながら土をほり返していく
2 代(しろ)かき:(田植えの5~6日前)田に水を入れ、土をかき混ぜながら平らにする
3 田植え:(5月~6月)代かきを行った田に一定間隔で米の苗(なえ)を植えていきます
4 中干し(なかぼし):(田植えの一ヵ月後)(苗が酸素を土に取り入れられるように)水を抜いて田をかわかす
5 稲刈り・脱穀(だっこく):(9月中旬~10月中旬)(現在は)「コンバイン」を使って同時に稲刈り・脱穀をします
米づくりがさかんな地域:米の生産量・都道府県ランキング(順位)

| ランキング | 都道府県 | 米の生産量(トン) |
| 1 | 新潟県 | 591700 |
| 2 | 北海道 | 540200 |
| 3 | 秋田県 | 458200 |
| 4 | 山形県 | 359300 |
| 5 | 宮城県 | 344700 |
| 6 | 福島県 | 327600 |
| 7 | 茨城県 | 306400 |
| 8 | 栃木県 | 284200 |
| 9 | 千葉県 | 265700 |
出典:農林水産省「作物統計調査」(令和6年2月29日)
地域別では、1位東北、2位関東、3位東山(山梨・長野)、4位北陸
それぞれの地域の米づくりの特徴

| 地域 | 都道府県 | 重要な地名や特徴 |
| 北海道 | 北海道 | 石狩平野:石狩川。客土によって泥炭地を改良。上川盆地。ゆめぴりか |
| 東北 | 秋田県 | 秋田平野(雄物川の下流)、八郎潟干拓地。ひとめぼれ、サキホコレ |
| 山形県 | 庄内平野(最上川の下流)。つや姫 | |
| 宮城県 | 仙台平野(北上川、南からは阿武隈川)、ササニシキ | |
| 福島県 | 郡山盆地(猪苗代湖から安積疏水で水を引いてる)、コシヒカリ | |
| 北陸 | 新潟県 | 越後平野(信濃川。暗きょ排水で、湿田を乾田に)、魚沼産のコシヒカリ |
| 富山県 | 富山平野。富山県は耕地面積のうち水田が96%。てんたかく | |
| 関東 | 茨城県など | 利根川下流(台風に備えて早めに収穫する早場米も) |
| 四国 | 香川県など | 讃岐平野。吉野川から香川用水で水を引く |
| 九州 | 福岡県など | 筑紫平野。クリークと呼ばれる水路(最近は減りつつある) |
米づくりは、平野(か盆地)で行われる事が多いです。
平野は川とセットで覚えることが試験上のポイントです。
「減反政策」は2018年に終了
戦後(1945年以降)、パン食が進み、米の消費量が減ったこともあり、1970年~2018年まで
減反政策(げんたんせいさく・お米が作られすぎて余ってしまうのを防ぐために、
政府が農家に“お米を作る量を減らしてください”とお願いし、協力した農家に
お金を支払う制度)が行われました。
試験上のポイントは、
・減反政策の中身の理解
・2018年に減反政策は終わっている
の二点です。
(以下、野菜等)