都立中高一貫校について
学費が安く、公立でありながら「入学者の選抜」があり、偏差値も高いので
人気の(人気だから偏差値が高い?)
「都立中高一貫校」(6年制)の「適性検査」
についてまとめました。
(「都立」に限らず、全国の公立中高一貫校に適用可能です)
(2020年11月現在)「都立中高一貫校」は11校あります(しかありません?)。
都立三鷹、都立武蔵、都立小石川、都立両国、都立立川国際、都立桜修館、
都立大泉、都立白鴎、都立南多摩、都立富士、都立九段(順不同)
偏差値は概してどこも高めで、四谷大塚の偏差値(高校入試、大学入試の
偏差値よりも10程度低く出ます)で58~63程度となっています。
都立中高一貫校の適性検査について(受検)
そんな、東京都立(公立)の中等教育学校・高校付属中学校、いわゆる
都立中高一貫校では「入学者決定」に、「受験」ではなく「受検」
(どちらも読み方は”じゅけん”)が行われます。
「受験」ではなく「受検」の理由は、公立の中学校では入学者の選抜手段に、
試験を受けること(=受験)を実施することが許されていないため、都立中高一
貫校に適している生徒か、検査を受ける(=受検)ことにより、入学者を決定
しています。なんか屁理屈っぽいですね・・・。
そして、都立中高一貫校に適した生徒かを確認する検査を適性検査としています。
とはいえ、実際・実態は「入学試験」と考えてなんら問題ありません。
適性検査と小学校5・6年次の成績を報告書として点数化して、適性検査と
報告書を合わせたものが総合成績となります。
適性検査と報告書の配点は各校で異なります。
画像出典:https://toritsu-chugaku.com/kensa/
多少の差はありますが、適性検査80%と報告書20%と考えていいでしょう。
では都立中高一貫校の「適性検査」とは?
都立中高一貫校の適性検査の大枠
1 公立小学校で習う範囲以外は出題されません
2 「総合」問題がほとんど
3 記述・作文が多い
1 公立小学校で習う範囲以外は出題されません
私立の中学校などでは、平気で「何この問題!」みたいなものが出題され、
大学入試かよ!と思うような入試が行われていますが、都立の中高一貫校
では、公立の小学校で習った範囲しか出ません。
2 「総合」問題がほとんど
習った範囲しか出ないので簡単かというとむしろ逆です。
(大学入試の私立と国公立の違いに近いですね)
各教科を横断した「総合」的な問題が出題されます。
詳細は下記でまとめますが、総合的な知力が問われると
言えます。
3 記述・作文が多い
「総合」問題は結果として記述・作文が多くなります。
必要な能力(学力)は一問一答的な大量の情報ではなく、
「読解力」「論理力」「構成力」「作文力」
といったあたりになります。
資料を読んで答えるという意味では、
●資料を読解する能力→それをまとめて書く能力●
が必要になります。
知識量を問う試験ではない(という事になっている)ので、
体験や物の見方、とらえ方を文章化できるかといった、より
本質的な思考力を問うてきます。
都立中高一貫校の適性検査の具体的内容
適性検査Ⅰ:国語の作文(45分)
適性検査Ⅱ:算数・理科・社会の総合問題(45分)
適性検査Ⅲ:独自問題(算数系の問題が多い)(45分)
(学校によって適性検査Ⅲがない所もあります)
2020年時点では以下のようになっています。
「適性検査ⅠとⅡ」:三鷹、桜修館、南多摩、立川国際
「適性検査ⅠとⅡとⅢ」:小石川、両国、武蔵、大泉、富士、白鴎
都立中高一貫校の適性検査の対策はこれ!
以下のような問題が一例です。
例題1)
「次の文章を読み、考えた事を400字以内で書きなさい。ただし、
あなたがこれまでに見た印象深い景色についても触れること」
例題2)
「次のAとBの文章を読み、共通点、または相違点のどちらかを
指摘して、考えた事を400字以内で書きなさい。ただし、あなた
自身の体験にも必ずふれること」
こんな感じです。私立中学でもたまにこの種の問題はありますね。
採点要素は、例題1)であれば
1 文章を読んで考えたことを400字以内でまとめているか?
2 これまでに見た印象深い景色に触れているか?
3 書かれたものがまとまっているか?
4 誤字脱字がないか?
といった辺りでしょう。
採点要素は、例題2)であれば
1 AとBの共通点または相違点を指摘しているか?(どちらか一つでOK)
2 1をした上で考えた事をまとめているか?
3 自分の体験についてふれているか?
4 書かれたものがまとまっているか?
5 誤字脱字がないか?
といった辺りでしょう。
つまり、他のあらゆる試験と同じですが、
■質問に適切に答えているか?■
がポイントです(まあ当然ですが)。
(関連記事)
「受検」であっても「差」をつけるためにやっていますので、
「(出された)問いに答える」
のが基本です。
出された問いに答えるという事は、まずは
●何が問われているのか?●
を正確に精緻に理解する必要があります。
極端に言えば、それ(何が問われているのかの正確な理解)が本当に
完全に100%できれば、それでその問題の半分は解けているともいえ
ます。
そういった意味では、
試験や受験は、出題者とあなた(解答者)との対話
でもあるわけです。
「対話」であれば、まずは相手の言った事(出された問題)をきちんと
理解し、それに対して、相手(採点者)が分かるように、問いに答える
事が大事になるのは分かりますよね?
「分かる=分ける」ですので、まずは問われている内容を
分けていきます。もちろん、問題文に書き込んでいくべきです。
(いや、書き込みなさい!)
問題文の中に答えの半分はある!です。
(関連記事)
全ての適性検査に共通して求められる能力は、
読解力
です。
文章を読む、資料やグラフを読むetc.etc.
とにかく「読んで理解する力」がないと高得点は取れないです。そういう意味では、
都立中高一貫校の適性検査は「国語」が得意な人には全体的に有利です。
ほとんどの問題で「読む力」が必要ですから。
★都立中高一貫校の適性検査の対策はこれ!★
1)資料を読み取る
2)まとめる材料を集める→構成する
3)まとめる(書く・答える)
多少抽象的ではありますが、上記の流れが基本になります。
適性検査Ⅰ:国語の作文(45分)
問題文自体は他の中学受験問題(私立中学)と同じです。
・内容の要約(まとめ)が求められます
・内容を基に自分の意見が求められます(自分の体験も入れることが必要)
読解力と文章力(書く力)と論理的構成力が必要です。
「対策」としてはまず以下の記事を読んでください。
国語の「説明しなさい」的な問題の答え方5つ/youtube音声動画付き
1 意味の通った文章を書く
2 答えだけ見ても、意味が通るように書く
3 指定された文字数の90%以上で書く(80%は必須)
4 問題の指定に従う:問題文を読み解く
5 引用は正確に
これはすべての「説明しなさい」的な問題に共通する点です。
この基本(基本が一番大事や!)を徹底して練習しましょう。
適性検査Ⅱ:算数・理科・社会の総合問題(45分)
文字通り「総合問題」です。
算数と理科と社会が入ってきます。必ず「資料」が出ます。
資料(歴史年表や図形や理科の実験やグラフ)を読んで正確に読み解く
事が必須になります。
対策としては、
・資料を正確に読み解く訓練
・この種の問題に慣れる訓練
が基本的ですが、一番速いでしょう。
ビビル必要はなくて、算数と理科と社会といっても、「特殊」な
内容は(ほぼ)ゼロです。
最初は複雑に感じるかもしれませんが、慣れていって、自分の基準をあげて
行くことで解けるようになるでしょう。
適性検査Ⅲ:独自問題(算数系の問題が多い)(45分)
各、都立中高一貫校の独自問題となりますが、算数系の問題が多いです。
図形や規則といった部分の問題が目につきます。
これも対策としては、
・問題に慣れる
・論理的思考力を身につける
といったシンプルな事が一番いいでしょう。
まとめ
都立中高一貫校の適性検査
1 公立小学校で習う範囲以外は出題されません
2 「総合」問題がほとんど
3 記述・作文が多い
適性検査Ⅰ:国語の作文(45分)
適性検査Ⅱ:算数・理科・社会の総合問題(45分)
適性検査Ⅲ:独自問題(算数系の問題が多い)(45分)
(学校によって適性検査Ⅲがない所もあります)
★都立中高一貫校の適性検査の対策はこれ!★
1)資料を読み取る
2)まとめる材料を集める→構成する
3)まとめる(書く・答える)
全ての適性検査に共通して求められる能力は、
読解力
です。
まあ、実際の「都立中高一貫校の適性検査の問題」を見てみるのがいちばんでしょう。
(関連記事)
国語の「説明しなさい」的な問題の答え方5つ/youtube音声動画付き