関連記事)
大正時代(1912年~26年)の概略(基本編):大正デモクラシーと第一次世界大戦(1914~1918)
昭和史①(1926~1945年8月15日まで)の概略(基本)
第一次大戦後(1920年)にできた「国際連盟」と、第二次大戦後(1945年)にできた
「国際連合」は中学受験の社会によく出題されますので、正確に理解しておきましょう。
国際連盟と国際連合

出典:『世界史のミュージアム』
国際連盟(1920~1946)
「国際連盟」(League of Nations)は、第一次世界大戦(1914~1918)の
反省から1920年に成立した史上初の国際平和機構です。
●アメリカ大統領のウィルソンが提唱(「ウィルソン14か条」)
●本部:スイスのジュネーブ
●常任理事国:英・仏・日・伊。総会と理事会
●新渡戸稲造が国際連盟の事務局次長として活躍
●アメリカは本国議会の反対で不参加
●「全会一致」が原則:1国でも反対すると物事が進まない
●ドイツは1926年から加盟。ソ連は1934年から加盟。
●経済制裁以外の(軍事)制裁ができない
アメリカ大統領ウィルソンの理想主義的なおもいから始まった『国際連盟』
は、結果からいうと、世界平和に関してあまり効果がありませんでした。
(ナチス・ドイツや、イタリア、日本のファシズム台頭を止められませんでした)
理由は、
「アメリカの不参加」「全会一致の原則」「制裁手段があまりない」
といったあたりです。
試験的にいうと「アメリカの不参加」はよく問われます。難関校になると、
同時に「ドイツとソ連の途中参加」も聞いてきたりします。
新渡戸稲造が国際連盟の事務局次長として活躍した事も有名ですね。

ウィルソン大統領 新渡戸稲造
国際連盟は「集団安全保障(全ての国が侵略戦争はしないという約束でまとまる)」の
考え方の元にできた史上初の国際的平和組織でしたが、その理想はうまくいきません
でした。が、それは第二次世界大戦後の「国際連合」に引き継がれます。

国際連合(1945年~)
国際連合(United Nations、UNと略される事も)は、第二次世界大戦(1939~1945)
後、国際連盟の失敗を繰り返さないために1945年10月に作られました。
●アメリカ大統領のフランクリン=ルーズベルトの提案
●1945年10月に原加盟国51カ国で発足(国際連合憲章)
●本部:アメリカのニューヨーク
●国連加盟国数:193(2025年時点)。
●5常任理事国(5大国):米・英・仏・露(旧ソ連)・中国
●総会、安全保障理事会(安保理)
●日本は(サンフランシスコ講和条約1951後の)1956年に加盟
●主な国連機関:ユネスコ(世界遺産の所)、WFP(世界食糧計画)、ユニセフ(国連児童基金)
●国連の公用語:英・仏・露・西・中・アラビア語
国際連合(UN)は第二次世界大戦の戦勝国が中心になって、国際連盟の
失敗を繰り返さないために作られた組織です。
ですので、国際連盟とは違う所がたくさんあります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国際連盟の失敗は
「アメリカの不参加」「全会一致の原則」「制裁手段があまりない」
でしたね?
「アメリカの不参加」→国際連合では大国はすべて参加しています
「全会一致の原則」→5大国に安保理の拒否権あり。総会は過半数か3分の2
「制裁手段があまりない」→一応「国連軍」がある
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「国連総会」と「安全保障理事会」
国連総会:国際連合の最高機関。年1回、9月。全加盟国が参加
1国1票。重要問題は3分の2の賛成。その他は過半数。
(国連)安全保障理事会(安保理)
●常任理事国(5カ国)と非常任理事国(10カ国)の計15カ国で構成
●常任理事国は「米・英・仏・露(旧ソ連)・中国」(5大国):任期なしずっと
●非常任理事国:総会で選ばれた10カ国、任期2年
●議決法:9カ国の賛成で決定。た・だ・し、重要問題については、
常任理事国の1カ国でも反対すると決定できない(拒否権)
●アントニオ・グテーレス(ポルトガル人)が2025年現在の事務総長
アントニオ・グテーレス(ポルトガル人)
国連は、いまだに第二次世界大戦の戦勝国中心の組織なので、
5常任理事国は『米・英・仏・露(旧ソ連)・中国』です。
その5大国は安全保障理事会で「拒否権」というものを持っていて、
重要案件では1国でも「拒否」すると決まりません。
1980年代くらいまでの「東西冷戦」の時代には、ソ連(現・ロシア)と
アメリカは仲が悪かったので、拒否権の応酬といった感じでした。
なお、第二次世界大戦の敗戦国である、独・日(1956年に加盟)・伊も
2021年現在は国連に加盟しています。常任理事国にはならせてもらえて
いませんが・・・。
北朝鮮は日本が国として承認していませんが、国連加盟国です。
国連に加盟していない「国」としては「バチカン」が有名です。
ローマの中にある小さな「国」で、カトリックの総本山ですね。
他には「台湾」「パレスチナ」などです。


国際連合の旗 NYの国連本部

国際連合の専門組織・関連組織
| 番号 | 略称 | 英語正式名称 | 日本語名称 |
主な役割・活動内容
|
| 1 | WTO | World Trade Organization | 世界貿易機関 |
自由貿易のルール作り、関税の引き下げ、貿易紛争の解決。
|
| 2 | WHO | World Health Organization | 世界保健機関 |
感染症対策、ワクチンの普及、国際的な保健基準の設定。
|
| 3 | ILO | International Labour Organization | 国際労働機関 |
労働条件の改善、児童労働の撤廃、労働者の権利保護。
|
| 4 | IAEA | International Atomic Energy Agency | 国際原子力機関 |
原子力の平和利用(医療・発電など)の促進と核兵器転用の監視。
|
| 5 | UNESCO | United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization | 国際連合教育科学文化機関 |
教育の普及、世界遺産の保護、文化交流を通じた平和の推進。
|
| 6 | UNICEF | United Nations Children’s Fund | 国連児童基金 |
子どもの命と健康を守る(栄養、予防接種)、教育・緊急援助。
|
| 7 | UNHCR | United Nations High Commissioner for Refugees | 国連難民高等弁務官事務所 |
紛争や迫害で逃れた難民の保護、避難所や食料の提供。
|
| 8 | UNCTAD | United Nations Conference on Trade and Development | 国連貿易開発会議 |
途上国の貿易・投資を支援し、経済格差(南北問題)の解消を目指す。
|
他には、2020年にノーベル平和賞を受賞した。
WFP(World Food Programme)世界食糧計画がよく試験に出ます。
1. WTO (World Trade Organization)
世界貿易機関
-
自由貿易の促進: 国と国との間の貿易ルール(関税など)を決め、自由でスムーズな取引を推進します。
-
紛争解決: 貿易に関する国同士のトラブルに対し、ルールに基づいた裁判的な判断を下します。
-
監視と交渉: 加盟国の貿易政策をチェックし、新しい貿易ルールのための交渉の場を提供します。
2. WHO (World Health Organization)
世界保健機関
-
感染症対策: パンデミック(感染症の世界的大流行)への対応や、ワクチンの普及を主導します。
-
保健基準の設定: 医薬品や食品の安全基準、病気の分類などの国際的な標準を作ります。
-
医療体制の支援: 途上国の保健システムの改善や、母子保健の向上をサポートします。
3. ILO (International Labour Organization)
国際労働機関
-
労働基準の確立: 最低賃金、労働時間、安全衛生などの国際的なルール(条約)を策定します。
-
権利の保護: 児童労働の撤廃、強制労働の禁止、雇用における差別の解消を目指します。
-
雇用創出: 質の高い雇用の機会を増やすための政策支援を各国に行います。
4. IAEA (International Atomic Energy Agency)
国際原子力機関
-
平和利用の促進: 原子力エネルギーを医療、農業、発電などの平和的な目的に役立てるための協力を推進します。
-
核不拡散の監視: 原子力施設が軍事目的(核兵器の開発)に転用されていないか、査察(チェック)を行います。
-
安全基準の策定: 原発の安全性や放射性廃棄物の管理に関する国際基準を作ります。
5. UNESCO (United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)
国際連合教育科学文化機関
-
教育の普及: すべての人が質の高い教育を受けられるよう、途上国の教育支援や識字率向上に取り組みます。
-
世界遺産の保護: 歴史的な建造物や自然環境を「世界遺産」として登録・保護します。
-
文化・科学の交流: 科学技術の協力や文化の多様性を守る活動を通じ、国際平和に貢献します。
6. UNICEF (United Nations Children’s Fund)
国際連合児童基金
-
子供の生存と発達: 途上国の子供たちへワクチン、栄養価の高い食事、安全な水を提供します。
-
教育の支援: 特に女の子や社会的に弱い立場にある子供たちが学校に通えるよう支援します。
-
緊急援助: 戦争や自然災害で被災した子供たちに緊急物資を届け、保護します。
7. UNHCR (United Nations High Commissioner for Refugees)
国連難民高等弁務官事務所
-
難民の保護: 紛争や迫害で国を追われた人々(難民)を守り、避難所や食料を提供します。
-
解決策の模索: 難民が自国へ帰還したり、避難先の国で定住したりするためのサポートを行います。
-
無国籍者の支援: どこの国の国籍も持たない人々の権利を守る活動もしています。
8. UNCTAD (United Nations Conference on Trade and Development)
国連貿易開発会議
-
途上国の経済発展: 発展途上国が貿易を通じて経済成長し、世界経済にうまく参加できるよう支援します。
-
投資と持続可能な開発: 途上国への直接投資を促し、貧困削減につなげるための調査や助言を行います。
-
政策議論の場: 南北問題(先進国と途上国の格差)を解決するための会議を主催します。
(関連記事)
大正時代(1912年~26年)の概略(基本編):大正デモクラシーと第一次世界大戦(1914~1918)
昭和史①(1926~1945年8月15日まで)の概略(基本)