そもそもなぜ中学受験か?

「基礎教養」や「地道な学習習慣」「何かを成し遂げる・やり切る経験」

といった理念的な話や理想論もありますし、否定するつもりは毛頭ありま

せん(むしろもの凄く大事だと思います)。

が、

ここをお読みの多くの、お母さん・お父さん、ないしは受験生の

皆さんにとって「そもそもなぜ中学受験か?」に対する回答は、

「最終学歴としてのそれなりの大学」

という事なのではないでしょうか?

全員とは言いませんが、おそらく多数派はそうだと思います。

(おそらく「理想」と「現実」の両方という方が多い?)

 

「最終学歴としてのそれなりの大学」のための近道

「最終学歴としてのそれなりの大学」を考えると、中学受験にお金や

エネルギーを割くことはある程度理にかなっています

仮に「偏差値的にそれなりの大学」と設定した場合、とても合理的です。

小中高とオール公立で大学は有名国立大学にストレートで行く、とい

った、経済的にもその他諸々でも「理想的な話」は、確かにあります。

ありますが、現実にはそれはかなりの少数派です。

マジョリティー(多数派)は、

●周囲の環境に流される⇒結果的に真剣な勉強はしない●

という形になります。

また、「勉強の仕方が分からない」まま、あまり偏差値的に高くない

大学の大学生になるというパターンもかなり多いです。

そして、その中には、いわゆる「地頭が良い」子も結構混ざっています。

もったいないですね。

その点、「中学受験」をガッチリやった子は、勉強の習慣、方法の基礎が

できていて、中学・高校では周りにそういった友人が多くなります。

この6年間の差はかなり大きいと言わざるを得ません(良し悪しは別にして)。

そうすると、「中学受験をする」という事は、

「最終学歴としてのそれなりの大学」に至る近道を通る

とも言えます。

(東京の人には分かると思いますが)中央線で、八王子や立川から

特別快速〔特快〕に乗れば東京駅まで30~40分で着くところを、

鈍行だと1時間近くかかってしまいます。

電車の場合、それでも着きますが、受験勉強の場合、多くのパターン

では、「それなりの大学」には、何も手を施さないと、少数の子しか

届かないというのが現実です。

何故なら、「それなりの大学」の定員(合格者)の数はある程度決まっ

ているからです。つまり「特快の座席数や乗れる人」の数は限られている

からです。

厳しいことを言ってしまうと、自分なりの勉強法が確立できないまま

高校生になった場合、かなりの確率で「それなりの大学」への切符は

持てないというのが現実です。

また、2017年には「難関私立大学の合格者削減」というのが一部で話題

になりました。早稲田、明治、青学などは2000人も合格者を減らしました。

これは文科省の指示(大学生の東京一極集中を是正するため、私立大学の

定員厳格化が導入されました)によるものですが、今後も減る事はあって

も増える可能性は低いでしょう。

きちんとした形で中学受験をすることは、それなりの大学への指定席を

何とか手に入れる入口になっているという事実は、(残念ながらかどうか

は分かりませんが)なかなか否定しづらいですね。

 

もちろん大人としては、

きちんとした形で中学受験をすることは、それなりの大学への指定席を

何とか手に入れる入口である事を理解した上で、それが、目の前のその

子にとって向いているのか?限界ではないのか?

といった事を真剣に考える必要があるのは間違いありません。

とはいえ、上記のような現実があるのは(残念ながらかどうかは

分かりませんが)事実ですね。

その辺りの「中学受験」のリアルを描いた漫画に『2月の勝者』が

あります。上記の「指定席券」の比喩は『2月の勝者』2巻の153p~

に出てきます。