都立中学と地元中学の比較:教員・勉強の進度・教科書・環境…―中学受験に塾なしで挑戦するブログ

都立中学(公立中高一貫)と地元の中学(公立中学)にはどのような

違いがあるのかを比較をメインにしてまとめました。

先に結論をかきます。

【都立中学と地元中学の比較】

・都立中は「昔の進学校の都立高+まじめ」という感じ

・地元中は良くも悪くも「雑多」

・教員は正直違う…

・勉強の進度全然違う。そもそも教科書が違う

・都立中「塾いらない」:地元中「塾に行かないと無理」

・「環境」は(親が望みそうな部分は)圧倒的に都立中が良い

・地元中学では「意識を高く」持たないと流されるかも

この記事の信頼性:子供が都立中・夫婦が地元中(ワイは現・都立中の都立高出身)

うちは、子供が某・都立中学に通っています。

夫婦はともに、公立中学・地元中学の出身です。

また、僕は、子供が通っている都立中が中高一貫になる前の

都立高校の卒業生です(OBですね。子供の先輩です!)。

ですので、自分たちの経験から色々と分かります。

また、子供の友達の情報(都立中残念→地元の公立中学etc.)、

教え子の情報等々も加味してまとめていますので、それなりに

信頼性はあるかと思います。

ただ、偏差値のような客観的な数字ではない部分ではどうしても

「主観」が入ってしまいますので、問題発言があったらご容赦を。

そもそも「都立中高一貫校」とは?

2005年~2010年にできた、まさに「都立の中高一貫校」です。

2023年現在10校あります(区立九段を入れると11校)。

学校 設立年
白鷗高附属中 2005年
小石川中等 2006年
両国高附属中 2006年
桜修館中等 2006年
立川国際 2008年
都立武蔵 2008年
三鷹中等 2010年
南多摩中等 2010年
富士高附属中 2010年
大泉高附属中 2010年
(千代田区立九段中等) (2006年)

下記の、都立中高一貫校の順番は東京都教育委員会の各種データと同じに

しています。千代田区立九段中等は都立中ではないので、一番下にしました。

偏差値は四谷大塚の80%偏差値をもとにしています(男/女)です。

学校 定員 偏差値
小石川 160 67/67
白鷗 166 57/59
両国 160 60/63
桜修館 160 60/62
富士 160 57/59
大泉 160 60/60
南多摩 160 58/58
立川国際 130 57/59
都立武蔵 160 62/65
三鷹中等 160 58/59
九段中等 160 58/59
合計 1736  

中学受験をそれなりに知っている方なら分かると思いますが、四谷大塚偏差値

で57~67というのは、難関~最難関です。

それと地元中学(公立中学)に違いがあるのは当然と言えば当然ですが…、

同じ公立と言えば公立…。まあ、見てみましょう。

 

都立中学と地元中学の比較:教員・進度・教科書・そもそも…

  生徒 教員 給食 勉強 環境 進路
都立中 受検・選抜済み 精鋭 あり かなりやる 正直良い ほぼ大学
地元中学 雑多 雑多 あり いわゆる「公立」 いわゆる「公立」 雑多

都立中学と地元中学の比較:生徒

都立中は受検(受験ではなく受検と表記します)を経ている生徒

しかいませんので、学力である程度選別されています

昔の進学校系の都立高校に近いです。

(私立と違って親の力でゴニョゴニョと入って来る子もいないので、

アホがいません)

ただ、私立中学と違って、学費が安いので、親の経済力は公立と

同じように「雑多」かもしれません。

これは我が家のデータですので客観性はありませんが、

うちの子の小学校時代には、1クラスに平均3人位、いわゆるシングルマザー

の家庭がありましたが、都立中学ではそういった家庭は今の所ないようです。

これも環境と言えば環境です。

 

地元中学は、当然ですが、色々な意味で「雑多」です。

色々な子がいます。それが良い点でもあるでしょう。

 

都立中学と地元中学の比較:教員

この点は、今後も変わりうるのと、同じ都立中学でも学校によって

違う可能性もあり変動的なのである程度幅を持って聞いてください。

 

都立中学の教員は精鋭ぞろいだと思います。おそらくどこの学校もです。

一つは、東京都教育委員会の肝いりで始まった「都立中高一貫校」です

から、正直、力を入れますよね。

それと、都立中の教員は志願制+校長からの引きがあるとかないとか、

とにかく教員のやる気も高まる環境であると聞いています。

もう一点、僕が高校の頃からですが、進学校の都立高は教員の学歴が

平均的に高いですね。

ほぼ間違いなく、都立中学の教員にも同じ傾向があると思います。

もちろん、東京都の公務員ですから異動は常にあるわけですが、

「総じて」上記のような流れはあると思います。

 

一方、地元中学ですが、こちらの教員は生徒と同じで「雑多」です。

これも、昔と同じだと思います。

良くも悪くもです。金八先生みたいな方もいるかもしれません(古い?)。

 

次は気になる学習面です。

都立中学と地元中学の比較:勉強の進度・教科書

おそらく、都立中学と地元の中学でもっとも違うのはここです。

都立中学の学習の進度は速く、密度はかなり濃いです。

そもそも、教科書が都立中学と地元の中学では違います

また、課題の量と質も都立中学と地元の中学では違います

我々夫婦はともに、地元の公立中学出身なので、

「都立中高一貫ガチやんけ」

と思ってみています。

学習面に関しては、どちらかというと、私立の中高一貫校に近いと

思います。まあ中学受験の偏差値が同等の私立と同じような感じ

かもしれません。

都立中は6年後の大学入試を前提としたカリキュラムになっています。

都立中学では学校によっては「(大学受験の)塾に行かなくても良いです」と

言います。それくらい「やらせる」し、カリキュラムに自信もあるのでしょう。

 

昔の都立高校は、「ほぼ放任」でした。これは僕が通っていたところに限らず、

全ての現・都立中の都立高校で同じです。

今の都立中学は、きちんと管理してやらせています。その分、真面目な生徒が

多い(真面目にならざるを得ない?)ようです。

おそらく元の頭はそんなに変わらないと思いますが、決定的に違うのが、

「現役での難関大学進学割合」

ですね。「みんなそれなりの大学には行くけど、みんな浪人」みたいなのが、

昔の都立の進学校でした(特に男子)。

 

地元中学はとうぜん、そうではありません。学力的にも雑多な生徒が

幅広く存在しますので、基本的には公立の小学校と同じスタイルです。

言い方は悪いですが、上(できる子)には合わせないですね。

かといって下(できない子)にも合わせないので、やや下に合わせる

感じでしょうか。

これは我々が中学生だったはるか昔とそう変わっていないかもしれません。

ですから、高校受験で高い目標に挑む場合、地元中学だけではかなりの

困難が予想されます。塾に行かないとまずムリでしょう。

 

都立中学と地元中学の比較:学力差はつくか?

つきますね。それもかなり。

都立中学は、だいたいどこも1学年160人の生徒数で、少数精鋭を鍛えていく

スタイルなので、結果として全体ができるようになります。

もともと、できる子を集めてそれをさらにできるようにしていくので

当然と言えば当然ですが。

もちろん中にはついてこれない子もいるでしょうが・・・。

都立中の「適性検査」+「報告書」による入試は、9割くらいは学力を担保

すると思いますが、中には、「報告書」が満点で適性検査でなんとか合格

といったケースもあるようです。そういった子の中には、「入ってから」

ガチの勉強についていけない子も毎年数名はどこの学校にもいるようです。

入学者数と卒業者数が1割くらい違う都立中もあります。

途中で抜けた場合は「補充」はしないようですね。

これは私立中学でもある事ですが、都立中→地元中学というパターンも

少ないながらあるようです。

そういった意味でよく言われるのは、

【都立中学は中の学力差が大きい】

という点です。

4教科のガチガチの学力試験で入試をする私立中学よりは、

都立中の方が内部の学力差は大きくなるかと思います。

 

地元中学は、「鍛えていく」要素がほぼ0なので、黙っていれば都立中学の

子との学力差は開く一方です。

ですが、地元中学には、ほぼ全員に高校受験がありますので、やる気のある

生徒や家庭は、中1くらいから、塾に通ってガリガリやる子もいます。

そういった子の中から、高校受験で都立日比谷や、早慶の附属、MARCHの附属

に受かる子が出てくるわけですね。

ですから、都立中以上に、地元中学は中での学力差が広いでしょう。

まあ、この点も昔から同じですが。

 

都立中学と地元中学の比較:環境

ここまでまとめてきた「教員」「勉強の進度」「生徒」等々が

すべて「環境」ですね。

設備的な環境で言うと、学校によるので、都立中と地元中の比較は

あまり意味がないです。学校によります。

ただ「荒れている」といった意味での環境は、都立中はどこも平和だと

聞いていますし、実際そうでしょう。この辺りも、前身の都立高校と

似ている気がします。

地元中学の場合、学級崩壊やらいじめやらといった「荒れている中学」か

どうかは個々で違うので、簡単な比較はできません。

地域性もあるかもしれません。

 

都立中学と地元中学の比較:3年と6年

都立中学と地元中学の比較で最大の違いは「中高一貫の6年」と

「中学3年」という点かもしれません。

都立中はどこも、「6年間を有効に使って」生徒を教育しています。

実際に、当初は「〇●高校附属中学」という形だった都立中も、

2023年現在、すべて高校からの入学はできなくなっています

数年のうちに全ての都立中が「中等教育学校」化するのでしょう。

理由は、高校入学の生徒のその後が芳しくなかったからと言われて

いますが、そういった面も間違いなくあるでしょう。

(そもそも都立中への高校からの入学は倍率が低かったです。

すでに人間関係ができている所に高校から入っていくのは確かに

ちょっとあれですしね…)

 

ある都立中学では、「キャリア・デザイン」という形で、

6年間かけて、自分の進路を見つけていくカリキュラムがあります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

△中1・中2➡養成期

職業調べ・訪問・体験学習など

△中3・高1・高2➡充実期

進路講演会・大学体験授業など

△高3➡発展期

自分の希望進路にそって進路ガイダンス・個人面談など

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

こんな感じですね。

これは中高一貫でないと不可能な内容です。

 

いっぽう、地元中学は、言い方は悪いですが、

「13~15歳の3年間いる場所」

というのが多くの生徒にとっての実情でしょう。

義務教育ですしね。

 

地元中学から高校受験でのリベンジは?

できますが、かなりの意識の高さと克己心が必要です。

既に述べてきたように、

総合的な「環境」面では圧倒的に都立中が恵まれています。

地元中学で勉強面でトップ層に立つ事は、中受で私立や都立勢が

抜けているので不可能ではないかもしれませんが、都立中に行った

子たちと伍する為には自分から高い目標を設定して、塾などに通い、

良い環境を作っていく努力が必要です。

都立中高一貫校に不合格(落ちた)なら都立高校のトップ校でリベンジが合理的でない理由

都立中学と地元中学の比較:進路

中高一貫と、中学のみなので、単純な比較はできませんが、以下のよう

な感じです。

・都立中学:ほぼそれなりの大学進学

・地元中学:当然、色々

都立中学は、それこそ中1からそれなりに勉強させますので、6年間ついて

きた生徒はそれなりの大学に進学します。

都立中ごとの違いは、ある程度は入学時の偏差値に比例しています。

これは国公立の大学への進学率ですが、都立中は、都立高校の最難関に

匹敵する位置に全て入っています。

これに私立の早慶上智、MARCHを入れると、さらに進学実績はよく

見えてきます。

都立中学からですと、下位レベルにいても日東駒専には行けるイメージです。

上位半分でMARCH以上。上位30%程度で早慶上智。上位20%で国公立

でしょうか。

地元中学の場合、進学は高校になりますが、こちらは、生徒の幅が色々なので、

当然、進路も色々になります。

 

都立中学と前身の都立高校の比較

都立中高一貫校はすべての学校に前身の都立高校があり、

すべてがいわゆる進学校でした。

(はっきりと名前が変わっているのは、桜修館←都立大付属高校、

立川国際←北多摩高校です)

僕は、自分の子供が通っている都立中と同じ都立高校に通っていた

ので、色々と比較ができます。こんな感じです。

 

・都立高校時代の上位半分くらいしか今の都立中には入れないかも

(定員が半分くらいになってるので合理性はあります)

・今は管理的、昔は超絶自由(放任):昔は私服、今は制服

・今は進学実績が良い、昔は良いけど(特に男子は)ほぼ浪人…

 

良い悪いは別にして、まあこんな感じです。これは僕と子供の通っている

都立中(高)に限った話ではありません。

個人的に、以下の都立中(高)に通っていた知り合いや教え子がいるの

ですが、

大泉、小石川、立川国際、富士、三鷹、武蔵、両国(50音順)

同世代以上の人は、例外なく全員、同じような比較をしています

 

ほとんどの学校で都立高校の頃の定員の半分程度になっているので、

学力的には、おそらく都立高校当時の上位50%くらいの子が今の後進の

都立中の入学者になっていると思われます。

偏差値もそんな感じで上がっています。高校受験は中受+10~15と

言われますので、今の都立中は高校受験の偏差値的には

68~78くらいの難関~最難関の高校と言えます。

進学実績がそうなってますからね~。

うちの子もそうですが、都立中の子はまじめですよね。

ワイが高校生の頃なんてひどいもんでした…。

まとめ

以上、

都立中学と地元中学の比較:教員・勉強の進度・教科書・環境…

でした。

【都立中学と地元中学の比較】

・都立中は「昔の進学校の都立高+まじめ」という感じ

・地元中は良くも悪くも「雑多」

・教員は正直違う…

・勉強の進度全然違う。そもそも教科書が違う

・都立中「塾いらない」:地元中「塾に行かないと無理」

・「環境」は(親が望みそうな部分は)圧倒的に都立中が良い

・地元中学では「意識を高く」持たないと流されるかも

都立中高一貫校に不合格(落ちた)なら都立高校のトップ校でリベンジが合理的でない理由