水溶液の種類3つ・特徴3つ・蒸発させると?速くとかす方法3つ

ものが溶ける量(溶解度・再結晶)/食塩・ミョウバン・ホウ酸

水溶液(酸性・中性・アルカリ性)と指示薬(リトマス紙・BTB・フェノールフタレイン)覚え方・語呂合わせ

中和の問題パターン2つ!完全中和点を探す系の問題は「逆比」で解く

    

中和とは?

酸性の水溶液(塩酸、炭酸水etc.)とアルカリ性の水溶液(石灰水、アンモニア水etc.)

を混ぜると、たがいの性質を打ち消す「中和」が起こります。

中和:酸性の水溶液+アルカリ性の水溶液→「塩」(えん)+水

(酸性とアルカリ性が混ざって)中和が起こると、もとの水溶液

に溶けていた物とまったく別のもの(「塩・えん」)と水ができます。

(塩(しお)ではなく「塩(えん)」です。)

*中和の例

【「塩酸」+「水酸化ナトリウム水溶液」→食塩(塩化ナトリウム)+水】

【「炭酸水」+「石灰水」→炭酸カルシウム+水】

【「硫酸」+「アンモニア水」→硫酸アンモニウム+水】

*中和反応時には【熱】が発生します。中性の時がもっとも熱を発生させます

中和の実験例

塩酸(酸性)に、水酸化ナトリウム(アルカリ性)を加えます。

BTB溶液を使って、色の変化を見ます。

「BTBさん(酸)きみど(緑)あ(青)ほ」

ですから、最初、酸性で黄色なのが、中和が起こり

緑色になります。そして、アルカリ性になると青になります。

 

完全中和と部分中和

中和には「完全中和」と「部分中和」があります。

「完全中和」:酸性とアルカリ性が過不足なく反応して中性の水溶液になる

「部分中和」:酸性とアルカリ性のどちらかが多いので、一部しか中和しない状態

画像出典『塾技100理科』p16

上記の図の部分中和では、酸が1個残るので、(弱い)酸性の水溶液

となります。

完全中和の公式

●濃さ一定の時完全中和する水溶液の体積比は一定●

例題)塩酸100㎥Aと水酸化ナトリウム200㎥Bを混ぜると中性になります。

この水酸化ナトリウム水溶液80㎥を完全中和させるのに必要なBの塩酸の

体積はいくつですか?

 

例題)

1)塩酸30c㎥の水溶液Zと完全中和する水酸化ナトリウム水溶液Y

(以下「水ナト」)は40c㎥です。この時、塩酸Z45㎥を完全中和

させるのに必要な水ナトYの量はどれだけですか?

 

「塩酸」+「水酸化ナトリウム水溶液」→食塩+水 問題のパターン

「塩酸」+「水酸化ナトリウム水溶液」→食塩+水

になる中和反応については問題のパターンが決まっています。

●完全中和後に水溶液を蒸発させた時に残る固体の重さは?●

という問題です。

●濃さ一定の時完全中和する水溶液の体積比は一定●

これをきちんと頭に入れておきましょう。

例題)塩酸50c㎥に水酸化ナトリウム(以下「水ナト」)75c㎥を加えると、

完全に中和して中性になりました。それを蒸発させると14.5gの白い固体

ができます。

同じ塩酸と水ナトを使って、塩酸80c㎥と水ナト150c㎥を混ぜ、この混合物

から水分を蒸発させると、白い固体26.2gが残りました。

残った白い固体26.2gには、どんな物質が何g含まれているか、すべて

答えてください。

考え方)

●中和ポイントを確認する:塩酸50c㎥:水ナト75c㎥で完全中和

●完全中和の際には食塩ができる:50:70で14.5gはすべて食塩

●部分中和の場合は、多い方があまる

●濃さ一定の時完全中和する水溶液の体積比は一定

塩酸50c㎥:水ナト75c㎥で完全中和し、食塩14.5g

塩酸80c㎥と水ナト150c㎥で固体が26.2g

塩酸は8/5倍、水ナトは2倍になっているので、水ナトが多いですね?

完全中和した以降は食塩は増えませんので、

●食塩は14.5×8/5=2.9×8=23.2gが最大です

となると、残りの固体は水酸化ナトリウムという事に

なります。

26.2g-23.2g=3.0

表にして書くといいと思います。

解く際のコツは、

●完全中和のポイントを見つける

●完全中和の比率は同じ(塩酸が8/5倍なら、食塩も8/5倍)

●中和を超えたら(部分中和)それ以上食塩はできない

です。

答え)食塩23.2g、水酸化ナトリウム3g

参考:https://www.e-juken.jp/benkyo/neutralization-curry.html

図で確認してください。

▲水酸化ナトリウムに塩酸を加える→完全中和後重さは変わらない(上)

▲塩酸に水酸化ナトリウムを加える→完全中和後も重さは増える(下)

水酸化ナトリウムを加えると、完全中和後も水酸化ナトリウム分

だけ増えるというイメージです(下図)。

中和計算2

https://www.chugakujuken.com/koushi_blog/hashimoto/20191211.html

  

完全中和点を探す系の問題は「逆比」で解く

完全中和点を探す系の問題は「逆比」で解くと良いです。

例題)塩酸50㎤に様々な量の水酸化ナトリウム水溶液を加え、

A~Gのビーカーをつくりました。できた水溶液を蒸発させて

残った固体の重さを量った表が下記にあります。

塩酸50㎤を完全に中和させるのに必要な水酸化ナトリウム水溶液

の量を求めなさい。

中和計算1

問題出典:https://www.chugakujuken.com/koushi_blog/hashimoto/20191211.html

考え方)

●濃さ一定の時完全中和する水溶液の体積比は一定●

なので、増え方の比率が一定の間は、中和が続いていて、完全中和に

向かっていると考えられます。

中和計算3

水ナトが2倍、3倍になると、残った固体も2倍、3倍になって

います。そして、「D」を最後に比率が変わっています。

残った固体の重さは増えていますが、増え方が減っています。

ですので、完全中和が終わり、食塩はもうできていなくて、

水酸化ナトリウムのみができていると考えられます。

完全中和は「D」と「E」の間ですね?

ここで「逆比」の考え方が使えます。

中和計算5

増え方の減り方(おかしい表現ですが・・・)も書き込むと

上記のようになります。

D→E、E→Fで1:3ですね?

中和計算6

この場合、完全中和する点は、DとEの逆比3:1の点になります。

DとEの間は「10」です。それを3:1にすればいいので、

割合「1」は2.5ですね?

割合「3」のポイントは7.5ですね?

答え)37.5㎤

 

最初は難しいと思いますが、基本問題から始めて、徐々になれていけば

解けるのではないかと思います。

そのためには、テキスト(このブログで良いです)を読んで、たくさん

問題を解くことを繰り返してください。

    

水溶液の種類3つ・特徴3つ・蒸発させると?速くとかす方法3つ

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