先に結論を。親の学歴や年収が低くても成績が伸びる子になる家庭環境
は存在します。
まず、言葉の説明を。
「SES」という言葉が出てきます。
SESは、Socio-Economic Status(ソーシャル・エコノミック・ステータス)の略です。
日本語では社会経済的状況と訳せます。
簡単に言うと、
SES=世帯収入・父親の学歴・母親の学歴の3つの変数を合計した数値
です。
SESが高い家庭の子は相対的に成績が良いという事実は確実に存在します。
一方で、それが、「子供に使えるお金」(収入)や「遺伝子」(学歴)といった、
途中からはなかなか挽回できない、親ガチャの直接の結果かというとそうでも
ない、というのが今回の話のキモです。
つまり、
SESの低い家庭でも、可能な限りの家庭環境にし、親が行動をする事で、
結果として子供の成績が上がり、高い学歴を得られる可能性がある
という事ですね。
・SES(親の学歴や世帯収入)が高いと子供の成績は高くなりがち
・ただし、SESが高い家庭と同じような事を家庭環境として与える事は可能
・SESに関わらず成績が高い家庭環境、親の行動の特徴は3つにまとめられる
・SESが低い家庭でも「親の行動」次第で子の学歴は高くなる可能性がある
両親の学歴や世帯収入が子供の成績に相関がある事は多くの研究で
実証されています。
では、親の学歴や年収が低いと子供の成績は上がらないのか?
生まれ持った遺伝子と親ガチャ(変えられない家庭環境)で全てが決まるのか?
そんなことはありません。
そうでないと、江戸時代みたいな身分の固定化した社会になってしまい
ますからね。
では、どうすれば、
親の学歴や年収が低くても成績が伸びる子になるのか?
それをまとめたのがこの記事です。
なお、専門家の研究を基にまとめており、具体的に言うと、
耳塚寛明先生(お茶の水女子大名誉教授)の各種研究を参照させて
頂いています。
親の学歴や年収が低くても成績が伸びる子になる3つの家庭環境・親の行動とは?
★親の学歴や年収が低くても成績が伸びる子になる3つの家庭環境・親の行動★
1 家庭内での話し合い:本を読む、話し合う
2 文化的・知的な環境:英語や外国文化に触れやすい
3 計画性・規律:
そもそもSESは以下の項目よりも成績への相関が高いとされています。
・性別→男女差なし
・都市環境→田舎でも大丈夫
・学習時間→え?長い時間やれば良いわけではない
・教育期待→子どもへ学歴だけ期待するのは意味がない
・周囲の協力度
これは絶望的?SES=親の(広い意味での資本)ですから、結局親ガチャ?
そんな事もありません。
なぜなら、
SESが高い家庭でやっている事と、SESは高くないがその不利・逆境を乗り越えた
学生の家庭環境がほとんど一致しているという事実があるからです。
つまり、親の収入や学歴よりも、そもそも「親がどういった家庭環境を与えているか」
の方が子供の成績への影響はダイレクトだったという事になります。
もちろん、SESの高い家庭の方が、相対的にそういった環境を与えているという事実は
あるでしょう。ただし、それは生まれ持ったものとは違いますよね?
| SESに関わらず子供の成績が良い家庭がやっている事 |
| ・子供に本や新聞を読む事を勧める |
| ・子供が小さい頃本の読み聞かせをした |
| ・子供が英語や外国の文化に触れるように意識した |
| ・子供にはできるだけ高い学歴を身につけさせたい |
| ・計画的に学習するように促している |
SESは結果論でしかありません。SESに関わらず、子育ての
プロセスに上記のような点を挟んでいけば、子供の成績向上が
期待できるという事です。
1 家庭内での話し合い:本を読む、話し合う
本を読んだり、その話をしたり、新聞を読んだりといった、文字と触れ合う
習慣が大事です。
親子でそういった話をできているかどうかが大事です。
2 文化的・知的な環境:英語や外国文化に触れやすい
これは1ともつながりますが、例えば、世界地図や日本地図を見える所に
貼っているとかですね。ただ貼っていればいいわけではなくて、大事なのは、
それを見ていつでも説明できる
事です。その際に、親の見識も問われますが…。
その他、やはり環境ですね~。
3 計画性・規律:規則正しい生活習慣を子供にさせる
当たり前といえば当たり前ですが、専門的なデータで示されています。
・子供を決まった時間に起こす(中学生以降に影響大)
・毎朝子供に朝食を食べさせる(夜ご飯よりも圧倒的に朝食の影響が大)
・子供に計画的に勉強するように促す
・何のために勉強をするのかを子供と話す
まとめ
親の収入や学歴は、子どもの成績に影響しています。
ただし、それは決まっていて変えられないという種類のものではなく、
SESに関わらず子供の成績が良い家庭がやっている事
が存在し、それをやれた家庭の子は、
親のSESに関わらず成績が良いというデータがあります。
| SESに関わらず子供の成績が良い家庭がやっている事 |
| ・子供に本や新聞を読む事を勧める |
| ・子供が小さい頃本の読み聞かせをした |
| ・子供が英語や外国の文化に触れるように意識した |
| ・子供にはできるだけ高い学歴を身につけさせたい |
| ・計画的に学習するように促している |
SESは結果論でしかありません。SESに関わらず、子育ての
プロセスに上記のような点を挟んでいけば、子供の成績向上が
期待できるという事です。