室町時代の文化:京都五山と鎌倉五山
室町時代は、平安~鎌倉と貴族に保護されていた天台宗(最澄)・真言宗(空海)
の旧仏教が衰え、新仏教(鎌倉新仏教six6!)が広がった。
(浄土宗・浄土真宗・日蓮宗・時宗・臨済宗・曹洞宗)
(法然 ・親鸞 ・日蓮 ・一遍・栄西 ・道元)
(語呂合わせ:じょうほうしらぬにちれん一時にえりさんどうそうかい)
なかでも、臨済宗が足利尊氏以来、将軍家の保護を受けて栄えた。
足利義満の時に「官寺の制」7がしかれ、僧侶などは僧録8という役人が人事をした。
●五山(ござん)11:臨済宗の寺の位。南宋にならった。五山が最高、十刹(じっさつ)9が次
臨済宗→禅宗→禅寺
「別格」扱いの南禅寺
―京都五山11:足利義満が制度化。南禅寺11は別格。それ以外の5つが京都五山。
・天竜寺11:京都五山1位。足利尊氏
・相国寺(しょうこくじ)11:京都五山2位。足利義満
・建仁寺(けんにんじ)10:京都五山3位。
・東福寺10:京都五山4位
・万寿寺(まんじゅじ)10:京都五山5位
―鎌倉五山11:足利義満が制度化。臨済宗の寺。
・建長寺11:鎌倉五山1位。北条時頼。
・円覚寺(えんがくじ)11:鎌倉五山2位。北条時宗。禅宗の代表的建築
・寿福寺(じゅふくじ)10:鎌倉五山3位。北条政子。源頼朝邸の跡。
・浄智寺(じょうちじ)10:鎌倉五山4位
・浄妙寺(じょうみょうじ)9:鎌倉五山5位。
*一休さん(一休宗純6)は室町時代の禅宗の坊さん(禅僧)
室町時代の文化:金閣寺と銀閣寺
北山文化と金閣寺(15世紀初頭)
北山文化11:足利義満(1358~1408)の頃の文化。金閣。公家文化+武家文化
・金閣(寺)11:1397年京都の北山。義満の死後は鹿苑寺9(ろくおんじ)。1950年焼失、55年再建。
3層の楼閣。1層は寝殿造りの阿弥陀堂。2層、3層(禅宗)の外壁に金箔。
東山文化と銀閣寺(15世紀末)
東山文化11:15世紀後半。応仁の乱(1467~)を避けて足利義政等が明の影響受けた枯淡の味わい。
・銀閣(寺)11:足利義政が1489年京都の東山山荘8に。2層。義政死後は慈照寺11。書院造11。
・東求堂(とうぐうどう)11:東山山荘のお堂(持仏堂8)。慈照寺に現存。同仁斎11(どうじんさい)
・書院造11:室町時代。禅(宗)の影響(付書院10、違い棚10、明障子8、床の間4)。現代日本住宅の基本。
左が銀閣寺(慈照寺)。右が銀閣寺(慈照寺)にある東求堂
銀閣寺に銀箔はない・・・(貼る計画があっただけ・・・・・・)。
・枯山水(かれさんすい)11:禅の庭の作り方。水を使わず、石と砂で表現。
―竜安寺石庭10:1499年頃。白い砂と大小15の石を配置。
室町時代の文化:文芸・美術
(左が能面7)
能(能楽)10:観阿弥、世阿弥の親子が完成させた(足利義満が保護)。猿楽能11から発展。
―観阿弥(かんあみ)11:1333~84。観世座(かんぜざ)10を始めた。足利義満に保護される。
―世阿弥(ぜあみ)11:1363?~1443?『風姿花伝』(『花伝書』)11を書く。
『風姿花伝』(と『花鏡』1)の名言
「秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず」
「初心忘るるべからず」
「花と、面白きと、めづらしさと、これ三つは同じ心なり。」
「離見の見にて見るところは即ち見所同心の見なり」 (自分を客観視しろ)
「稽古は強かれ、情識は無かれ」(天狗になるな)
「花とは、咲くによりて面白く、散るによりてめづらしき也」
「命には終わりあり、能には果てあるべからず」
●狂言11:庶民用の劇。能の幕間の喜劇だった。
連歌(れんが)11
連歌(れんが)11:和歌の上の句(575)と下の句(77)を別の人が交互に詠む。室町時代に大成。
・二条良基(にじょうよしもと)11:1320~88。北朝の太政大臣。連歌の大成者。
『菟玖波集(つくばしゅう)』11を編纂。1356年に成立。連歌集。
・宗祇(そうぎ)11:正風連歌8を確立。
新撰菟玖波集(しんせんつくばしゅう)10:1495年宗祇(そうぎ)が編集。
・風流10 ・盆踊り10(風流6+念仏踊り10)
室町時代の物語
御伽草子(おとぎぞうし)11:室町時代の庶民的短編物語。
・『一寸法師』8 『浦島太郎』6 『物くさ太郎』7
茶の湯
茶の湯11:室町時代に禅宗寺院で喫茶4の風習が始まる。
室町時代の村田珠光(じゅこう)10の侘び茶11→千利休(戦国時代)11に茶の湯は大成。
江戸時代には「茶道」10になっていく。同時に、花道(華道)8も流行る。
・武野紹鴎(たけのじょうおう)9:堺の代表的茶人。
・闘茶11:茶の飲み比べ競技。
・茶寄合9:お茶会。書院造の座敷で掛軸や立花(たてはな)9を飾る
水墨画と雪舟
水墨画11:墨一色。墨の濃淡+描線の強弱で表現。東洋独特の絵。禅僧が中国から輸入。
・如拙(じょせつ)11:室町初期。日本の水墨画の先駆者。『瓢鮎図』(ひょうねんず)10
・雪舟11:1420~1502?。周文7の弟子。明で修行。山口市の寺を拠点に全国を廻る。
『四季山水図巻』8 『秋冬山水図』8
『四季山水図巻』
『秋冬山水図』
室町時代の農村文化
三毛作8:一つの畑で3つの作物を作る。米、麦、そば。室町時代に存在した。
早稲(わせ)・中稲(なかて)・晩稲(おくて)8:稲の収穫時期の差を示す
地曳網(じびきあみ)9:室町時代に上方(大坂等)で発達。魚群を囲って引き寄せる
室町時代の商工業の発達:市や座
連雀商人(れんじゃくしょうにん)9:行商人。城下町には連雀町がある所も。
六斎市(ろくさいいち)11:月6回開かれる定期市→流通経済の発達
座11:同業組合。奈良、京都など。大山崎油座7(京都)は有名。