「光合成」については、下記記事でまとめました。
光合成とは、植物が養分を作り出す働き
で、具体的には、
光合成とは、植物が光のエネルギー(太陽以外でも可能)を利用して、
葉の中の葉緑体で、水と二酸化炭素からでんぷんなどの養分を作る
事です。
光合成の原材料は「水」と「二酸化炭素」で、工場が「葉緑体」で、
製品が「養分(でんぷん)」と「酸素」と言えます。
でしたね?
とはいえ、植物も「呼吸」をします。
この記事では、「呼吸と光合成」についてまとめました。
呼吸と光合成
呼吸(二酸化炭素を出す)と光合成(酸素を出す)は反対の動き
そもそも「呼吸」とは?
「呼吸」とは、(動物でも植物でも)体内に酸素を取り入れ、(生きるのに
必要な)エネルギー(糖など)を作り出し、二酸化炭素を排出することです。
呼吸:酸素+養分――→二酸化炭素+水
↓→生活に必要なエネルギー
植物は光合成の際に、二酸化炭素を吸収し、酸素を出します。
ただし、植物も「呼吸」をします。
呼吸の際には動物と同じように、酸素を吸収して、
二酸化炭素を排出します。
光合成は光がある時で、呼吸はいつでもしています。
とはいえ、光合成をしていれば、吸収する酸素よりも、二酸化炭素
の吸収や酸素の排出の方が大きくなるので、
「植物は二酸化炭素を吸収して酸素を出す」
と言われるわけですね。
画像出典:https://zatugaku-gimonn.com/entry453.html
呼吸と光合成のバランスは?
光合成は光がある時(日中)行われ、呼吸はいつでもしています。
とはいえ、普通に太陽光で光合成をしていれば、呼吸で吸収する
酸素よりも、光合成による二酸化炭素の吸収や酸素の排出の方が
大きくなるので、「植物は二酸化炭素を吸収して酸素を出す」
と言われるわけですね。
ブラジル(面積世界5位・人口世界6位の2億人)のアマゾン川流域の
熱帯雨林などは、地球上の30%の酸素を出しているとも言われています。
つまり、植物は
光合成>呼吸
で、吸収するよりも多くの酸素を排出しているわけですが、
それでは「中学受験の理科の問題」にはならないんですね・・・。
世知辛い世の中です。
以下、光合成と呼吸の中学受験上のポイントです。
光合成と呼吸と中学受験
光合成の量はある一定まで光の強さに比例する
光合成の量はある一定まで光の強さに比例します。
つまり、(普通に太陽光のもとにあれば)光合成>呼吸で、
光合成(酸素排出)>呼吸量(二酸化炭素排出)
なのですが、意図的に光の強さを減らすと、
呼吸量(二酸化炭素排出)>光合成(酸素排出)
になる事がある(する事ができる)わけです。
つまり、意図的に、「呼吸量=光合成の量」の光をあてると、
植物は成長はしないが生きているという状態になります。
陽生植物と陰生植物
植物によって必要とする光の量が違います。
陽生植物はより多くの光を必要として、陰生植物は
少ない光でも生きていけます。
陽生植物:タンポポ、ススキ、イネ、マツ、クヌギetc.
陰生植物:シダ植物(イヌワラビ等)、コケ植物、アオキetc.
(シダ、コケですから、種子を持たないいわゆる胞子植物ですね)
呼吸と光合成に関する実験
発芽しかけのダイズの種子を用いた実験
発芽しかけのダイズ=光合成を行わず呼吸のみを行う
緑にしたBTB溶液を用いた実験(オオカナダモ)
光合成量が呼吸量より多くなる(溶液中の二酸化炭素量が減る)と、
BTB溶液は青色に変化。呼吸量が光合成量より多くなる(二酸化炭素
の量が増える)とBTB溶液は黄色に変化します。
*この実験は、「水溶液」に関する知識がないと分からないので、
まだの場合は分からなくて良いです。
まとめ
以上、
呼吸と光合成:光の量、陽生植物・陰生植物―「中学受験+塾なし」の勉強法
でした。
再度まとめます。
●植物は「呼吸」(二酸化炭素>酸素)も「光合成」(酸素>二酸化炭素)もします
●太陽光などでは「光合成」>「呼吸」です
●光合成の量はある一定まで光の強さに比例します(「光合成=呼吸」にする事ができます)
●陽生植物(多くの光が必要・タンポポ)と陰生植物(少ない光でOK・シダやコケ)がいます
●呼吸と光合成の有名な実験があります(発芽しかけのダイズ・オオカナダモ+BTB溶液)
植物(花)については以下の順番で勉強(読んで)してください。
1 そもそも「生物」とは何か(条件3つ)?「動物」と「植物」の違いは?
3 植物の分類:種子植物→被子植物→単子葉類→チューリップという世界認識
12 代表的な花