「文化史」は日本史の中の「テーマ史」と言えますが、まずは政治史を中心とした
全体の流れを知ってください。その後にこの記事から「文化史」の勉強を始めましょう。
「文化史」に関してのポイントは、
●文化の名前と特徴+作品の名前+作品の写真+漢字で書ける●
これがきちんと一致して覚えられているかどうかです。
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文化史(日本史)の概略・まとめ(飛鳥時代~室町時代)
飛鳥文化11(7世紀前半・推古天皇時代):中国・朝鮮の影響が大きい仏教文化
白鳳文化11(はくほう:645~710):唐初期の影響が大きい仏教文化
天平文化11(奈良時代・聖武天皇):国際色豊か(唐など)。豪壮雄大。貴族的。仏教的。
弘仁・貞観文化11(こうにんじょうがん・平安初期):密教(空海)、漢文学。
国風文化11(1000年頃・摂関時代/「藤原文化」とも):かな文学。貴族的。浄土教の流行
院政期文化(1086~1185または1221まで。白河・鳥羽・後白河・後鳥羽):地方や庶民
鎌倉文化8(鎌倉時代):武家文化と公家文化の複合。
南北朝文化2:歴史書、軍記物。武士、民衆の台頭。連歌、茶
北山文化11:足利義満。武家と公家の融合。鹿苑寺金閣
東山文化11:足利義政。慈照寺銀閣
(室町文化5=北山文化+東山文化)
まずは「山川用語集」で(全ての教科書に出てくる)数字「11」の
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飛鳥文化11(7世紀前半・推古天皇時代)
白鳳文化11(はくほう:645~710)
天平文化11(奈良時代・聖武天皇)
弘仁・貞観文化11(こうにんじょうがん・平安初期)
国風文化11(1000年頃・摂関時代/「藤原文化」とも)
北山文化11:足利義満。武家と公家の融合。鹿苑寺金閣
東山文化11:足利義政。慈照寺銀閣
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この辺りの、時代と名前をしっかりと一致させましょう。
以下で、それぞれの文化の代表的作品等を覚えていきましょう。
飛鳥文化(7世紀前半・推古天皇時代):中国・朝鮮の影響が大きい仏教文化
飛鳥寺(法興寺)11:日本最古の仏教寺院。蘇我馬子が建てた。蘇我氏の氏寺9
飛鳥寺(法興寺)
四天王寺10:大阪。聖徳太子が物部守屋との戦い後に建てた。
法隆寺(斑鳩寺)11:世界最古の木造建築。
・法隆寺地域の仏教建造物(世界文化遺産)
・「柿くえば鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)
・世界最古の木造建築。金堂(こんどう)+五重塔+夢殿(ゆめどの)。
法隆寺の金堂11(こんどう)と五重塔10
法隆寺夢殿(ゆめどの)
法隆寺金堂釈迦三尊像11:飛鳥仏の典型。聖徳太子の死後、妃や王子が作らせた
玉虫厨子(たまむしのずし)11:法隆寺蔵。玉虫厨子須弥座絵8(しゅみざえ、日本最古の絵画)
が描かれている。
白鳳文化11(はくほう:645~710):唐初期の影響が大きい仏教文化
年号を見ると分かりますが、「乙巳の変」から「平城京」までですね。
大化の改新(645)→白村江(663)→壬申の乱(672)→藤原京(694)→平城京(710)
位の時代です。遣唐使(630~894)の初期に当たるのでその影響も大きいです。
高松塚古墳(奈良県)。
高松塚古墳の壁画
天平文化(奈良時代・聖武天皇):国際色豊か(唐など)。豪壮雄大。貴族的。仏教的。
天平文化は奈良時代(710~784or794)の文化です。
唐の影響大(国際的)。豪壮雄大。貴族的・仏教的。
「日本」というものができてくる頃で、「最古の」という物が多く、かなり重要な文化です。
書物
・『古事記』(712年)11:神代から推古天皇までの天皇家の伝承・歴史書。物語的。
元明天皇に献上。稗田阿礼(ひえだのあれ)11が各地で聞いて覚えた。
太安万侶(おおのやすまろ)11が、それを書いた。
・『日本書紀』(720年)11:神代から持統天皇までの国家史。教科書的。
元正天皇の時。舎人親王(とねりしんのう)9等が編纂。編年体10で書かれている。
・『続日本紀』(797年)10(しょくにほんぎ):『日本書紀』の続編。文武天皇から桓武天皇。
奈良時代の基本資料。
*『古事記』と『日本書紀』を合わせて「記紀」と言います。(漢字注意!)
・『風土記』(ふどき)11:713年。各国ごとの地誌・産物等。5カ国残っている。
―五風土記8
―『常陸国風土記』8ひたちのくにふどき
―『出雲国風土記』8いずものくにふどき
―『播磨国風土記』8はりまのくにふどき
―『豊後国風土記』8ぶんごのくにふどき
―『肥前国風土記』8ひぜんのくにふどき
・『懐風藻』11(かいふうそう):最古の漢詩集。751年。
・万葉集11:770年頃。全20巻。日本最古の歌集。4500首。大伴家持11(おおとものやかもち)等
―長歌7:5・7を繰り返し、最後が5・7・7。260首。
―短歌7:5・7・5・7・7。4200首(ほとんどは短歌)。
―東歌(あずまうた)11:東国の民謡+短歌。素朴+いきいき。約240種
―防人歌(さきもりうた)11:親子・夫婦の別れを歌った
―万葉仮名(まんようがな)10:ひらがながないので、漢字の音訓で日本語をあらわす。
たとえば、「くらげ」は「久羅下」。一種の当て字。
「あ」には「阿」「安」「足」などが、「か」には「加」「迦」「柯」
・大伴家持11(おおとものやかもち):万葉集に最多の歌を残す(479首)。代表的な編者。
・山部赤人11(やまべのあかひと):自然を歌った歌が多い。
・山上憶良(やまのうえのおくら)11(660~733):「貧窮問答歌」6。人生、社会を歌った
仏教・建築関係
・国家仏教6:国家権力と結びついた仏教。鎮護国家10。戒律10
・南都六宗(なんとろくしゅう)10:奈良仏教。
―三論宗(さんろんしゅう)10
―成実宗(じょうじつしゅう)10
―法相宗(ほっそうしゅう)10
―倶舎宗(くしゃしゅう)10
―華厳宗(けごんしゅう)10
―律宗(りっしゅう)10
興福寺(こうふくじ)11 :中臣鎌足(藤原鎌足)→藤原不比等。藤原氏の寺。南都六宗の一つ
・東大寺(総国分寺)11:大仏(盧遮那仏るしゃなぶつ・東大寺大仏)8を作った。
行基(ぎょうき)11(渡来人系僧侶)が手伝う。
東大寺とその中にある大仏(「奈良の大仏」は室内。鎌倉(座わってる)と牛久(立ってる)の大仏は外。)
―東大寺法華堂(ほっけどう)11:750年
―正倉院宝庫(しょうそういんほうこ)11:聖武天皇のゆかりの品(唐、インド、ペルシアのものも)がある。
校倉造9(あぜくらづくり):柱を使わず「井」の字に木材を組む。東大寺正倉院が最古で最大。
高床式倉庫。蘭奢待(らんじゃたい、香木)等。
唐招提寺(とうしょうだいじ):759年。鑑真(がんじん)11が建てる。奈良市。
鑑真(がんじん)11:唐の僧。6回目の航海で日本に着く(753年)。盲目になる。
―唐招提寺金堂11
―唐招提寺鑑真和上像11
鑑真和上像と唐招提寺
弘仁・貞観文化11(こうにんじょうがん・平安初期):密教(空海)、漢文学。
弘仁・貞観文化は9世紀(801~900)頃・平安初期の文化です。
奈良時代の仏教があまりにも国家に入りすぎたので、桓武天皇(在位781~806)は
「修行」中心の新仏教を奨励して最澄11(天台宗)を庇護。空海11(真言宗)も
嵯峨天皇に守られる(密教)。最澄は南都仏教(奈良)とは対立(空海はむしろ友好的)。
【最澄と空海】(ともに遣唐使)語呂合わせ「平安仏教は天才の真空パック」
(語呂合わせ;天台宗は「K」→空海・高野山・金剛峯寺)
・最澄11(伝教大師 でんぎょうだいし)767~822
近江生まれ。天台宗11(顕教(けんぎょう)11)、(比叡山)延暦寺11(滋賀県・世界文化遺産)
(語呂合わせ「てんさい(天台宗+最澄)でんさい(伝教大師+最澄)ひさい(比叡山延暦寺+最澄)」
比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)根本中堂https://mainichi.jp/articles/20160303/ddl/k25/040/491000c
・空海(弘法大師 こうぼうだいし)774~835 「弘法も筆の誤り」
讃岐生まれ。真言宗11((真言)密教11)、(高野山)金剛峰寺11(こんごうぶじ・和歌山)
(語呂合わせ:天台宗は「K」→空海・高野山・金剛峯寺)
高野山金剛峯寺(世界文化遺産)和歌山県
国風文化(9世紀後半~11世紀):紫式部『源氏物語』・清少納言『枕草子』
国風⇔唐風(ex.894年遣唐使廃止・菅原道真)
国風文化11〔藤原文化5):10~11世紀の摂関時代の文化/中国の影響薄まる
・かなもじ(仮名)11・平がな(仮名)・片かな10→日記、物語。女性が使用
和歌集
『古今和歌集』11:紀貫之11(きのつらゆき・土佐日記)。905年醍醐天皇の命。
「古今調」(優美、繊細、技巧)といわれ、万葉調と比較される。
最初の勅撰和歌集(ちょくせん)10:天皇、上皇の命令で作られた和歌集。
勅撰和歌集は、「古今和歌集」~「新続古今和歌集」まで21集〔二十一代集)ある。
(『新古今和歌集』は1205年、後鳥羽上皇の命。藤原定家etc)
『和漢朗詠集』9:1013年頃。藤原公任(きんとう)9が選んだ。
日記
『土佐日記』11〔紀貫之・古今和歌集の撰者):935年頃。最初のかな日記。土佐守の任を
終え、帰京する際の紀行文。女性の体で書かれている〔紀貫之は男)。
「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。」〔土佐日記の書き出し)
『蜻蛉日記』7(かげろう):974~995頃。藤原道綱の母7が作者。女性の日記。
『紫式部日記』7:紫式部の日記。宮廷の話が中心。清少納言を批判。
『和泉式部日記』7(いずみしきぶ):11世紀前半。恋愛的な日記。
『更級日記』6(さらしな):1058年頃。菅原孝標女(すがわらたかすえのむすめ と読む)
物語
『竹取物語』11:9世紀末~10世紀初め。かぐや姫の婿取り→当時の貴族社会。
『伊勢物語』11:10世紀前半。在原業平7(ありわらのなりひら)が主人公の歌物語。
『源氏物語』11:11世紀初頭。大長編小説。全54帖(じょう)。光源氏が主人公。
藤原氏全盛時代の貴族社会を描写。紫式部は物語はこれしか書いてない。
紫式部11:下級貴族、越前守〔藤原為時)の娘。夫と死別後『源氏物語』を書き出す。
藤原道長の娘・彰子6(一条天皇の中宮)に仕える。紫式部は藤原道長の愛人説あり。
『枕草子』11:清少納言11の随筆集。11世紀初頭。
「春はあけぼの」「夏は夜」「秋は夕暮れ」「冬は早朝(つとめて)」
清少納言11:一条天皇の皇后・定子(ていし)5に仕える。
紫式部と清少納言はほぼライバル。
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三大随筆『枕草子』『方丈記』『徒然草』
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平安時代後半の仏教:浄土教
仏教は外来〔538年百済から)の宗教なので、平安時代には日本古来の
神道との融合が図られた(神道の神々を特定の仏と結びつける)。
↓
本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)10
・陰陽道(おんみょうどう)9:中国から陰陽五行説5が伝来、迷信広まる
→物忌(ものいみ)10:物怪につかれたら謹慎
方違(かたたがえ)10:方角が悪いと、一日別の場所に泊まってから行く等
末法思想11(世も末じゃ・・・):1052年が末法初年とされた。浄土信仰を生み出す一因
浄土教11:10世紀以降。阿弥陀浄土(あみだじょうど)。阿弥陀仏〔阿弥陀如来)10。
極楽浄土9。念仏11「南無阿弥陀仏」10を唱えると往生10できるとされた。
・空也(くうや)11:903~972。民間に念仏を広めた。市聖(いちひじり)7〔聖8=僧の位)
空也上人像6:鎌倉時代の康勝(こうしょう)10の作(京都六波羅密寺蔵)
・源信(げんしん・恵心僧都(えしんそうず))11:『往生要集』11を書く。
建築
寝殿造り(しんでんづくり)11:平安時代の貴族の住宅の建築様式
中心に「寝殿」8、東西、北に対屋(たいのや)8、それらを廊6
でつなぐ。檜皮葺(ひわだぶき)10
・阿弥陀堂10:阿弥陀仏を安置するお堂。各地に作られた。平等院鳳凰堂は阿弥陀堂。
・平等院鳳凰堂11:藤原頼通(道長の子供)が京都の宇治に建てる。
平等院鳳凰堂阿弥陀如来像11:国宝。寄木造(よせぎづくり)11。定朝(じょうちょう)の作品。
平等院鳳凰堂 平等院鳳凰堂阿弥陀如来像
絵画/美術
平等院鳳凰堂扉絵8
高野山聖衆来迎図(しょうじゅらいごうず)10
蒔絵(まきえ)8:漆工芸の一種
書道
三跡(さんせき)11:藤原佐理10、藤原行成10、小野道風10
服装
十二単(じゅうにひとえ)・女房装束11:女官の正装。12枚とは限らない。
束帯(そくたい)11:男子の礼服。正装
直衣(のうし)7:公家の平常服
狩衣(かりぎぬ)6:男性の平常服
水干(すいかん)7:庶民男性の平常服
小袖(こそで)11:貴族は下着。庶民は普通の服
院政期文化(1086~1185または1221まで。白河・鳥羽・後白河・後鳥羽):地方や庶民
歴史物語10:平安末期、貴族の華やかな過去を追憶して書かれた
・『栄華物語』10:藤原道長の栄華を賛美。宇多天皇〔菅原道真を重用)から堀河天皇。編年体
・『大鏡』11〔世継物語):藤原道長〔藤原氏)全盛期を批判的に書いた。紀伝体。四鏡の一つ
『今昔物語集』11:平安末期の説話集。日本・インド〔天竺)・中国。民衆の姿。1040話。
軍記物11
・『将門記』(しょうもんき)11:平将門の乱を書いた
・『陸奥話記』(むつわき)11:前九年の役について書いた
建物
・中尊寺金色堂11:藤原清衡〔藤原三代の初代)が平泉〔岩手県)に建てた阿弥陀堂。ミイラ。
奥州藤原氏(藤原三代):【語呂合わせ:奥州藤原氏はミイラ作ってきもひ(きもい)や】
【清衡(きよひら)→ 基衡(もとひら)→秀衡(ひでひら)→泰衡(やすひら)】
・毛越寺(もうつうじ)7:藤原基衡〔二代目)
・富貴寺大堂(ふきじおおどう)11:大分県豊後高田市。阿弥陀堂建築。
浄土教が地方にまで普及していた事が分かる。
絵巻物11:詞書(ことばがき)10と絵を交互に書いていく
『源氏物語絵巻』11:絵は藤原隆能3。
『鳥獣戯画』11:平安末~鎌倉初期。鳥羽僧正覚猷(とばそうじょうかくゆう)8が筆者かも
『平家納経(のうきょう)』11:厳島神社11+平清盛
『平家納経』
猿楽(さるがく)10:芸能。能の起源。
田楽(でんがく)11:祭礼神事の芸能。
今様(いまよう)11:平安末期の歌謡(当時の『現代歌謡」の意味)。『梁塵秘抄』
『梁塵秘抄』(りょうじんひしょう)11:平安末期の歌謡集。
鎌倉時代の文化:武家文化と公家文化の複合
武士の生活:館
館(やかた)11:武士の家。周囲に土塁8や堀などをめぐらせた。
館の周辺に、直営地(門田9)が広がり、農民(下人11)などが耕作した。
館は主人を中心とした武士団の拠点で、「兵の道(つわもののみち)7」
(後の武士道)もここから生まれた。「弓馬(きゅうばのみち」7
騎射三物(きしゃみつもの)8:鎌倉時代に武士たちが行った3つの馬上弓技。
・笠懸11(かさがけ):笠を的にした
・犬追物11(いぬおうもの):馬場に放された犬を馬上から射る
・流鏑馬11(やぶさめ):3つの的を走る馬上から射る(今でもやってる)
上記動画は京都のものです。鎌倉の鶴岡八幡宮のものも有名ですね。
かなりのスピードですね。
【館を中心とした武士の生活から「いざ鎌倉!」的な滅私奉公文化が生まれた】
・惣領制11(そうりょうせい):惣領11(家督相続者・一族の長)中心の家制度。
・分割相続11:惣領制の相続形態。女性や庶子も相続した。武士団の中で当初、女性
の地位は高かったが、分割相続が武士の弱体化を招いたので、鎌倉末期には単独相続7
になっていき、「長男」の権限が強まり、女性の地位は下がっていった。
荘園と年貢
京都・奈良などの貴族などが「荘園領主」だったが、現場の年貢徴収などは武士団が
担う。武士が地頭11(荘園の管理人)を務め権力を強めた。「泣く子と地頭には勝てぬ」
・地頭請9(じとううけ):荘園領主が地頭に年貢の一定額を入れる事を条件に管理を任せた
・下地中分11(したじちゅうぶん):紛争にならないために、荘園領主と地頭が土地を分けあった。
・佃11(つくだ):荘園内で領主・地頭が、農民(下人)を使って耕作させた直営地。
・年貢11:農民→地頭→荘園領主(貴族)。米→宋銭。律令制の租。1年一回。
・公事10(くじ):年貢以外の貢納物。律令制の調・庸・雑徭
・夫役11(ぶやく):下人がする、佃の耕作や年貢の運搬など。律令制の雑徭。
・阿氐(あて)河(がわの)荘百姓等言上状10:紀伊(和歌山)の地頭の非道を訴えた訴状。
「ミミヲキリ、ハナヲソキ、カミヲキリ」とカタカナで書かれてる。
・二毛作11:同じ耕地に、違う作物を年二回作る。表作、裏作7
・刈敷11(かりしき)草木灰11(そうもくばい):肥料。
・牛馬耕7:文字通り。西日本。生産力向上。
・荏胡麻(えごま)8:しそ科の一年草。灯明(とうみょう)に使った。
庶民の生活
・定期市11:月に数回。「三斎市(月3回)」10、「福岡市(現・岡山県瀬戸内市)」9
・宋銭11:中国の宋11(960~1279)の貨幣。
・借上(かしあげ)11:高利貸し。『トネガワ』の兵頭会長。
・為替(かわし)11:遠隔地間の貸し借りを為替手形で決済する制度
・問丸(といまる)10:年貢等の運送業者。問屋の元になった。
鎌倉時代の新仏教まとめ:庶民派
【飛鳥時代から鎌倉時代までの仏教まとめ】
飛鳥時代→仏教伝来538年→蘇我氏・聖徳太子が利用・広める。三宝(仏法僧)
奈良時代→仏教が国・政治に入りすぎた(聖武天皇・大仏、称徳天皇と道鏡etc)
平安時代→桓武天皇「道鏡ヤバイ!仏教は真面目な修行僧にやらせよう→最澄と空海」
鎌倉時代→庶民派仏教が大流行:念仏唱える(or坐禅・座る)だけで救われる!
★鎌倉仏教six6!は、庶民派!唱え(or座)ればOK!
【鎌倉仏教の語呂合わせ:情報知らん日蓮!1時にエリの同窓会】
①情(じょう)→じょうど→浄土宗
②法(ほう)→ほうねん→法然
③知らん→しんらん→親鸞
→じょうどしんしゅう→浄土真宗
④日蓮→日蓮、日蓮宗
⑤1(いち)→いっぺん→一遍
⑥時(じ)→じしゅう→時宗
⑦エ→えいさい→栄西
⑧リ→りんざい→臨済宗
⑨同(どう)→どうげん→道元
⑩窓(そう)→そうとう→曹洞宗
*念仏のように唱えましょう・・・
【念仏唱えればOK!系4つ】他力本願
●浄土宗(法然)11:「南無阿弥陀仏」→極楽浄土。他力本願。
・知恩院7:浄土宗総本山。京都にある。
●浄土真宗(親鸞)11:「南無阿弥陀仏」1回でOK!他力本願。一向宗11ともいう。親鸞は法然の弟子。
・『教行信証』9:浄土真宗の経典
・『歎異抄(たんにしょう)』11:弟子の唯円4が親鸞の言葉をまとめた本。
・悪人正機説11「善人なおもて往生をとぐ,いはんや悪人をや」(『歎異抄』)
・本願寺9:浄土真宗の中心。築地本願寺など。
●時宗(一遍)11:踊念仏10。踊りながら念仏唱えると極楽浄土に行ける!(え、まじ?)
奥羽から九州まで布教→「遊行上人(ゆぎょうしょうにん)」7と呼ばれた。
・『一遍上人語録』8:一遍の門弟たちがまとめた。
・清浄光寺(しょうじょうこうじ)7:時宗総本山。神奈川県藤沢市。
●日蓮宗(法華宗)・日蓮11:「南無妙法蓮華経」(題目)11と唱えればOK!他宗派を攻撃。
日蓮は、伊豆や佐渡に流される→許された後は甲斐(山梨)。『立正安国論』8。
・久遠寺(くおんじ)7:日蓮宗総本山。山梨県身延山。
【座れば(坐禅で)OK!系2つ】:自力救済
★禅宗(ぜんしゅう)8:坐禅で悟りを開く。自力救済系仏教宗派。
・禅7、坐禅11:禅の実践法が坐禅。
●臨済宗(りんざいしゅう)・栄西11:坐禅を組んで公案5を考え抜き悟りを開く
・『興禅護国論』8:旧仏教側の禅宗批判に対し、栄西(えいさい)が書いた本。
●曹洞宗(そうとうしゅう)・道元11:ひたすら坐禅!→只管打坐(しかんたざ)7
・『正法眼蔵』(しょうぼうげんぞう)9:道元の説法を収録。曹洞宗の経典
・永平寺11:曹洞宗の本山・中心寺院。福井県。道元が作った。
【語呂合わせ:情報知らん日蓮!1時にエリの同窓会】
①情(じょう)→じょうど→浄土宗
②法(ほう)→ほうねん→法然
③知らん→しんらん→親鸞
→じょうどしんしゅう→浄土真宗
④日蓮→日蓮、日蓮宗
⑤1(いち)→いっぺん→一遍
⑥時(じ)→じしゅう→時宗
⑦エ→えいさい→栄西
⑧リ→りんざい→臨済宗
⑨同(どう)→どうげん→道元
⑩窓(そう)→そうとう→曹洞宗
【鎌倉仏教の語呂合わせ:情報知らん日蓮!1時にエリの同窓会】
法然
一遍
【鎌倉仏教の語呂合わせ:情報知らん日蓮!1時にエリの同窓会】
これら新仏教も旧仏教11から出発している。
そもそも、一遍以外の、法然(浄土宗)、親鸞(浄土真宗)、日蓮(日蓮宗)、
栄西(臨済宗)、道元(曹洞宗)は比叡山の延暦寺で天台宗(最澄)を学んだ
所からスタートしている。
旧仏教の、多くの教えから「念仏だけ!」(法然、親鸞)、「坐禅だけ!」(栄西、道元)、
「題目だけ!」(日蓮)と、救いの方法を一つに集中させ、庶民に爆発的に広まった。
旧仏教側も、色々な運動を起こした。
・貞慶(じょうけい・解脱)10:法相宗の僧。旧仏教を改革
・明恵(みょうえ・高弁)10:華厳宗の僧。旧仏教を改革。
・叡尊(えいぞん・思円)10:戒律重視。
・忍性(にんしょう・良観)10:叡尊(えいぞん・思円)の弟子。戒律重視。
・渡会家行(わたらいいえゆき)8:伊勢神道(いせしんとう)10を唱えた
鎌倉時代の建築・文化
源平の戦いで、奈良の寺などは消失したので鎌倉時代に再建された。
・重源(ちょうげん)10:大仏様10(だいぶつよう)という宋の様式で東大寺の大仏を再建。
東大寺南大門10:大仏様の建築物。
・東大寺南大門金剛力士像11:運慶11と快慶11(奈良(南都)仏師)等が寄木造で制作。
1203年に69日で作られたといわれている。
東大寺南大門
向かって左・阿形(あぎょう)7は口をあけてる、右が吽形(うんぎょう)7でへの字口
1991年の解体修理の際、阿形像の金剛杵から墨書銘がみつかり、
吽形(うんぎょう)は定覚1と湛慶7、阿形は運慶と快慶が主に担当したことが判明
・禅宗様(ぜんしゅうよう)10:宋から輸入された建築様式。禅院に用いられた。
―円覚寺舎利殿(えんがくじしゃりでん)10:鎌倉にある。
・和様建築(わようけんちく)9:大仏様、禅宗様は中国からだが、和様は日本独自。
―蓮華王院本道(三十三間堂)8:和様建築の代表。京都。
・折衷様(せっちゅうよう)7:和様と大仏様などを混ぜた建築様式。歓心寺金堂6。
鎌倉時代の文学
鎌倉文化8:(平安の)公家・貴族文化+(鎌倉の)武士・庶民文化
・有職故実(ゆうそくこじつ)11:朝廷などの儀式・年中行事を研究する学問
→『禁秘抄』(きんぴしょう)7:順徳天皇による有職故実の書。
鎌倉時代の歌集
『新古今和歌集』11:後鳥羽上皇の命で藤原定家11等が編纂。西行11、慈円11等が歌人。
約1900首。「新古今調」5と言われ、技巧に富む。
藤原定家11(1162~1241):『新古今和歌集』の撰者の一人。『明月記』2という日記有。
西行11(1118~90):歌人。もと北面の武士。隠者となる。『山家集』9
・『金槐和歌集』11:源実朝(鎌倉幕府第三代将軍)の歌集。
鎌倉時代の随筆
(日本三大随筆:『枕草子』(清少納言)、『方丈記』(鴨長明)『徒然草』(吉田兼好))
・『方丈記』11:鴨長明11の随筆。京都の山に隠棲して方1丈(3m四方)
の草庵で書いた。1212年成立。人生の不遇、無常。日本を代表する随筆。
「ゆく河の流れは、絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮ぶ、
うたかたは、かつ消えかつ結びて、久しく、とゞまりたるためしなし。
世中にある、人と栖(すみか)と、又かくのごとし。
たましきの都のうちに、棟を並べ、甍(いらか)を争へる、高き卑しき人の
すまひは、世々を経て尽きせぬ物なれど、是をまことかと尋(たず) ぬれば、
昔しありし家はまれなり。或は去年焼けて今年作れり。或は大家滅びて小家と
なる。住む人も是に同じ。所もかはらず、人も多かれど、古見し人は二三十人
が中に、わづかに 一人二人なり。朝に死に、夕に生るゝならひ、たゞ水の泡に
ぞ似たりける。」『方丈記』の冒頭
・『徒然草』11:吉田兼好11の随筆。1331年頃。名随筆。無常・死
「つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、
そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。」(冒頭)
「世は定めなきこそいみじけれ。」(この世は無常だからこそいい)
「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。」(初心者はひとつの事に集中しなさい)
「速やかにすべきことをゆるくし、ゆるくすべきことを急ぐなり」
「世の人の心惑はす事、色欲には如かず。人の心は愚かなるものかな。」
「一日の命、万金(ばんきん)よりも重し。」
「友とするに悪(わろ)き者七つあり。一つには高くやんごとなき人。二つには
若き人。三つには病なく身強き人。四つには酒を好む人。五つにはたけく勇め
る兵。六つには虚言する人。七つには欲深き人。」
「よき友三つあり。一つには物くるる友。二つには医師(くすし)。
三つには智恵(ちえ)ある友。」
鴨長明 吉田兼好
鎌倉時代の軍記物
軍記物11:戦記文学。平安時代の戦いをまとめたものが多い。
・『保元物語』9:保元の乱の源為朝の活躍を描く。作者不詳。
・『平治物語』9:平治の乱を描く。源義朝の子・悪源太義平を描く。作者不詳。
・『平家物語』11:平家の盛衰を華麗な文章で綴った。盲目の琵琶法師11が
平曲7で語り継いだ。
・『源平盛衰記』7:『平家物語』と内容はほぼ一緒。異本の一種か?
鎌倉時代の歴史書
・『吾妻鏡』(あづまかがみ)10:鎌倉時代を書いた重要歴史書。1180年の源氏挙兵から、
1266年までを日記体で記した鎌倉幕府の記録。源頼朝の死についての記述が無い。
・『愚管抄』(ぐかんしょう)11:慈円11の書いた歴史書。1220年成立。
神武天皇から承久の乱までを道理7と末法思想で書いた、日本では最初の歴史哲学的な本。
慈円11:『愚管抄』の作者、『新古今和歌集』の歌人でもある。天台宗の最高位。
・金沢文庫11:北条実時11が(現在の横浜市金沢区に)作った私設図書館。現在もある。
北条実時11:2代目執権・北条義時11(在位1205~24)の子。評定衆として時頼、時宗を補佐
鎌倉時代の絵巻物
『一遍上人絵伝』10:一遍(時宗)の生涯を描いた。自然や庶民生活も。
『一遍上人絵伝』
『春日権現験記』(かすがごんげんげんき)10:竹林殿造営の場面が有名
『春日権現験記』
『蒙古襲来絵巻』9:竹崎季長(たけざきすえなが)11が描かせた。
・竹崎季長11:肥後の御家人。文永の役で活躍し、地頭職を得る。
『蒙古襲来絵巻』
鎌倉時代の似絵(にせえ)
似絵(にせえ)11:鎌倉時代に発達した写実的な人物画(以前は理想化された絵)。
・藤原隆信11:藤原定家の異父兄。『源頼朝像(伝)』『平清盛像(伝)』など。
息子の藤原信実8も似絵で有名。
・『源頼朝像(伝)』9:藤原隆信の作。頼朝かどうかは未確定。京都神護寺。
・『平清盛像(伝)』9:藤原隆信の作。京都神護寺。清盛かどうかは未確定。京都神護寺。
源頼朝像 平清盛像
頂相(ちんぞう)10:禅宗で修行僧が一人前になるともらえる、先輩の肖像画
鎌倉時代の刀鍛冶
・粟田口吉光(あわたぐちよしみつ)7:京都の刀鍛冶。
・岡崎正宗8:鎌倉(相模国)にいた刀鍛冶。五郎入道正宗と言われる
・長船長光(おさふねながみつ)8:備前国(現・岡山県)の刀鍛冶。備前物。
南北朝文化2:歴史書、軍記物。武士、民衆の台頭。連歌、茶
南北朝時代(1336~92)の文化です。
『神皇正統記』(じんのうしょうとうき)11:北畠親房。南朝の正当性を主張
『太平記』11:南北朝内乱についての軍記物語
『増鏡』(ますかがみ)11:鎌倉時代についての歴史物語
『梅松論』(ばいしょうろん)10:南北朝時代の戦記
室町時代の文化:北山文化、東山文化
室町時代の文化はこちらの記事にまとまっていますのでどうぞ。
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【日本史の流れ】記事一覧
10分で卑弥呼から鎌倉幕府までをまとめる!年号は7つだけ!/youtube音声動画付き
20分で室町時代から令和までをまとめる!年号は11個だけ!youtube動画音声付!
平安時代のまとめ(前半・9~10世紀)・日本史8・音声動画付き!
平安時代のまとめ(後半・11世紀~12世紀)・日本史9/youtube音声動画付き
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飛鳥文化11(7世紀前半・推古天皇時代):中国・朝鮮の影響が大きい仏教文化
白鳳文化11(はくほう:645~710):唐初期の影響が大きい仏教文化
天平文化11(奈良時代・聖武天皇):国際色豊か(唐など)。豪壮雄大。貴族的。仏教的。
弘仁・貞観文化11(こうにんじょうがん・平安初期):密教(空海)、漢文学。
国風文化11(1000年頃・摂関時代/「藤原文化」とも):かな文学。貴族的。浄土教の流行
院政期文化(1086~1185または1221まで。白河・鳥羽・後白河・後鳥羽):地方や庶民
鎌倉文化8(鎌倉時代):武家文化と公家文化の複合。
南北朝文化2:歴史書、軍記物。武士、民衆の台頭。連歌、茶
北山文化11:足利義満。武家と公家の融合。鹿苑寺金閣
東山文化11:足利義政。慈照寺銀閣
(室町文化5=北山文化+東山文化)
まずは「山川用語集」で(全ての教科書に出てくる)数字「11」の
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飛鳥文化11(7世紀前半・推古天皇時代)
白鳳文化11(はくほう:645~710)
天平文化11(奈良時代・聖武天皇)
弘仁・貞観文化11(こうにんじょうがん・平安初期)
国風文化11(1000年頃・摂関時代/「藤原文化」とも)
北山文化11:足利義満。武家と公家の融合。鹿苑寺金閣
東山文化11:足利義政。慈照寺銀閣
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この辺りの、時代と名前をしっかりと一致させましょう。